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多種多様な終末期ケア。ご入居者さまに寄り添って後悔のない「お看取り」を【私たちの「前を向いて生きる」を支える。】

CUCホスピスでは、看護師や介護職、セラピストなど多くのスタッフが、ご入居者さまの日々の生活を支えています。インタビュー企画「私たちの『前を向いて生きる』を支える。」では、最前線でご入居者さまに寄り添うスタッフの姿や想いを紹介していきます。

今回、紹介するのは、神奈川県の施設で看護管理者として働く織田忠生と西山貴子。ご入居者さまとご家族に寄り添い、ときに医師との間で橋渡し役となりながら、ご入居後からお看取りまでを一番近くで見守っています。さまざまな人の命に向き合う中で実感したお看取りの意義と、印象的なエピソードを聴きました。

【プロフィール】
織田忠生(看護クラーク横浜瀬谷 看護管理者)
循環器科、精神科の看護師を経て2018年にCUCホスピスに入社。3つの施設で経験を積み、現在は看護クラーク横浜瀬谷で看護管理者を務める。

西山貴子(ReHOPE 東戸塚 看護管理者)
4年半にわたり病院で看護師を務め、結婚を機に訪問看護師へ転身。2021年にCUCホスピスに入社。現在は、ReHOPE 東戸塚で看護管理者を務める。


医師や介護職とともに、チーム一丸となって最善を尽くす

──CUCホスピスの看護師の役割について教えてください。

織田:ご入居者さまのお部屋に定期的に訪問して、看護業務を行うのが主な仕事です。点滴、人工呼吸器や麻薬の管理など、病院の看護師とほぼ同様の処置を行っています。

病院が「治療の場」なのに対し、ReHOPEはご入居者さまの「生活の場」。そこに24時間私たち看護師が常駐することで、ご本人にもご家族にも安心感を提供していくといった大きな使命を担っています。

西山:ここReHOPEでは、医師はあくまでチームの一員であって、主役ではないんですね。

ご入居者さまの生活をいつもそばで見て理解している看護師や介護職が、ご本人やご家族をサポートしながら、医師との間に立ち、さまざまなことを噛み砕いて説明していくことが大切な役割だと思っています。

織田:看護師、介護職、医師たちがチーム一丸となって、ご入居者さまが自分らしくいられるように支えます。正直、無理難題なご希望に直面することも多いですが、「ここまでだったらお手伝いできますよ」と、最善策を探りながら日々奮闘していますね。

▲看護クラーク横浜瀬谷で看護管理者を務める織田。

正解のない「人の亡くなり方」。どうやってその人らしさに寄り添えるか

──ご入居者さまの「お看取り」については、どのように考えていますか?

織田:私たちの使命である『「前を向いて生きる」を支える。』が表すように、ここへは死を待つためにではなく、生きるために来ていただいたと思っています。

ですから最期を迎えるときまで、ご入居者さまにはできる限り希望を見出していただけるようサポートすること自体が、広義の「お看取り」であると捉えています。

西山:ReHOPEにおけるお看取りは、病院でのお看取りと違って専門書にも書かれていないことがとても多く、いつも葛藤しています。人の亡くなり方に正解ってないですからね。

だからこそ、「どう生きたいか」「どう最期を迎えたいか」というご希望を、その方の人生観をふまえた上で叶える努力をさせていただきたい。その際に重視しているのが、必ず選択肢をご提示することです。

たとえば、本来であれば食事が食べられない状態なのに「食べたい」とおっしゃるのであれば、「食べたらこうなる、食べなければこうなる。その上で、どちらを選択しますか?」と。

織田:「あなたは食べることはできません」と、私たちの独断で願いを打ち消してしまってはいけないと思っています。なぜなら、ReHOPEにおけるお看取りとは、ご入居者さま自身の人生を全ういただくことですから。

西山:「誰のために何をしたいのか」、それを最大限に引き出して、ご希望に沿って差し上げることがここでのお看取りの基本ですね。「誰のために」というところには、ときに「ご家族のために」が含まれている場合もあります。

織田:そうですね。あくまでご入居者さまが主体ではありつつも、ご家族のお話をじっくり聴いて信頼関係を築いていくことも、私たち看護師の担うお看取りに欠かせない要素だと感じます。

ご家族にとってもご入居者さまにとっても、悔いの残らない看護を目指す

──これまでに印象的だったお看取りのエピソードを教えてください。

織田:少し寂しくもあるエピソードなのですが、あるご夫妻の奥さまをお看取りした後に、ご主人さまのお看取りも私たちにお任せいただけたときは、ご家族からの信頼を実感させられ、身が引き締まる思いでしたね。

ご入居後、ご本人の容態の変化を心配されているご家族の気持ちを考え、日々の小さな変化もこまめにご報告し、少しの悔いも残らないよう、改めて誠意を尽くして当たらせていただきました。ご逝去後のエンゼルケアの場にはお孫さんも立ち会っていらっしゃって、ご家族の穏やかな最期の時間をお過ごしいただくことができたのではと思います。

悲しみだけでない看取りの経験が、これからの人生のなかで「前を向いて生きる希望」になると信じています。

西山:私は、ALS(筋萎縮性側索硬化症)を患っていたあるご入居者さまのことが印象に残っています。徐々に身体の力が入らなくなりご家族との意思疎通が難しくなってしまったため、チームで提案をして親御さまと交換日記をしていただくことにしたんです。ご本人が文字盤を目で追うのを、スタッフが一文字ずつ清書をして……。

聞き取り作業は決して楽なものではありませんでしたが、交換日記を通して親が子を想う気持ち、子が親を思いやる気持ちをともに共有させていただき、私たちにとっても大きな財産となりました。

▲ReHOPE 東戸塚で看護管理者を務める西山。

怖がりでもいい。素直さと強い想いを持った人と共に、「前を向いて生きる」を支えたい

──仕事のやりがいや、大変なところを教えてください。

西山:病院は、患者さんにとってアウェイの場になりますよね。でもReHOPEの場合は逆で、ご入居者さまにとっては完全ホーム、私たちの方がアウェイ。そんな環境にどんなふうに飛び込んで、ご入居者さまの暮らしをどうサポートするかを考えるところに、大変ながらもやりがいを感じています。
ご入居者さまが亡くなられたときにはご家族とともに涙することもあり、悲しみをおぼえる瞬間も少なくありませんが、「人生の最期」という、かけがえのない時間に関わらせていただけることが大きな生きがいになっています。

織田:「看護師は病院で働いてなんぼだ」と考える方もいるかもしれませんが、ここではさまざまな病気の方がいて、処置もそれぞれ違います。人工呼吸器の管理や輸血など、ある程度経験を積まないと行えないような難易度の高い看護技術も必要になってくるので、純粋に看護の仕事へのやりがいを感じることができています。

大変なのは、「いかに労力を注いだか」が、必ずしもご入居者さまのためになるとは限らないことでしょうか。

西山:そうですね。私たちが頑張ったからといって、必ずしもご満足いただけるとは限らない。それを心に留めたうえで、どうすれば「ここに来てよかった」と思っていただけるかを試行錯誤していくことが、常に私たちに求められることだと感じます。

──そのような厳しさもある中で、どのような方であれば価値を発揮できるのでしょうか?

織田:経験の有無を問わずチャレンジしてくださる方です。そのうえで、看護師として「こうありたい」という強い想いや、新しいことを学んでいきたいという意欲は大切ではないでしょうか。

西山:訪問看護の世界では、看護師の平均年齢が40〜50代と高めなんです。その反面、CUCホスピスには、20代や30代のこれからさまざまなことを吸収する看護師も多く働いています。今後も若手の方には、さまざまなことに挑戦していただけたら嬉しいです。

ただ、年齢関係なく一番欲しい人材は「素直な人」。怖がりでも構いません。「これをやってごらん」と言われたときに素直な気持ちで取り組めるようなスタッフであれば、ご入居者さまにも一緒に働くチーム内でも、価値を発揮できると思います。

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