結局のところ、なかなか上手くいかない新規事業を成功させる秘訣は、何なのか?【ササシマSWINGレポート/#1】
僕の周りには、新規事業やスタートアップなどという言葉が、なんとなくフワフワと飛び交っています。ですが、僕自身は、まったくその分野には精通していません。
そんな新規事業については、ずぶのずぶ、ズブズブの素人の僕が、中京テレビ(名古屋)の新規事業チームが不定期で行っている「SWINGセミナー」なるものに初潜入してきました。
「SWINGセミナー」に参加して、自分なりに得たことをレポートしていく「ササシマSWINGレポート」。潜入レポーターの古代ひしおです。
今回のゲストは、スターキャット・ケーブルネットワーク株式会社(以下、スターキャット)で新規事業にチャレンジしている御三方。
スターキャットの事業の柱である映画事業という領域で、「映画×VR」などの新規事業を担当している鈴木健之さん。
【鈴木さんの担当する新規事業】
・STARCAT VR LAB
そして、スターキャットのもう一つの事業の柱である通信事業の領域で、新規事業を担当している「ローカル5G×放送」という吉田勝好さんと宮内元さん。
【吉田さん・宮内さんの担当する新規事業】
ローカル5Gを体験できる実証施設をスターキャットが「なごのキャンパス」に構築~『なごのキャンパス先端無線実証プロジェクト』スタート~[961.2KB]
そもそも新規事業って、めちゃめちゃフィールドが広すぎる。
今まで、誰かがビジネスとして成立する仕組みを作っていない事業は、なんだって新規事業と言っていい(と思う)。
その内容が、メジャーだろうが、マイナーだろうが、ビッグスケールだろうが、ニッチだろうが。
けれど、成功する新規事業となると、一気に数が減る。
理由は、色々あるんだろうと思います。
・机上の空論で終わってしまう。
・世の中からのニーズがない。
・新たなニーズの掘り起こしにもつながらない。
・価格と中身が合っていない。
とかとか。
そんなことを思いながら、今回のセミナーに参加した中で印象的だったのは、「映画×VR」という文脈で新規事業を進める鈴木さんの言葉。
鈴木さん曰く
「新規事業チームって、社内の他の部署からは『アイツら迷走してるよね」と思われてるんですけど、やってる本人からすると、迷走でもなくて、取り組み始めても、ダメなものはダメなので、すぐあきらめて手放さないと次にいけないという、あきらめも大事なんですよね」
「新規事業って、担当者の個人の興味を大切にしてあげることが大事なので、それを否定せずに進めていると、とっ散らかっちゃうということも否めない」
「メンバーの中には、みんなでまとまって一つの事業をやりたいという声もあるけど、そういうのはあんまり上手くいった試しがない」
鈴木さんが、いくつもの新しい試みを繰り返す中で、実体験を元に思うことは、「個人がブワーって突っ走った熱量が高いものしか残っていない」ということだそうです。
個人の熱量。
それは、とてもよく分かる気がする。
これまでの歴史上、世の中に新しく生まれて、ヒットするモノや、浸透するモノって、その生みの親は、たいてい他人が引くくらいの熱量で取り組み、時にはクレイジーと言われる人が多い。
スターキャットさんでは、新規事業のコンサルを入れて、手法を学んだ時期もあるそうだが、結果として上手く進んでいるものは、個人の熱量が高いものだという。
そして、もう一つ印象的で目からウロコだったのは、通信部門を担当する宮内さんの言葉。
宮内さん自身は、今のチームに参画して1年くらいだそうだが、上司の吉田さんが、かなり自由に任してくれる方だということで、個々の個性や得意分野を活かしたチームになっている、とのこと。
宮内さん曰く
「当初、5Gそのものには、正直そこまで興味がある方ではなかったけど、会社のバックアップを受けて、新しいことに挑戦できるのであれば、楽しいに決まっている
新規事業って、会社にとっては、未来を左右する期待も大きいところもあるので、会社の雰囲気や組織の中の役割によっては、かなりプレッシャーがかかるケースも多いと思う。
そんな中で、責任感が強すぎるタイプや、プレッシャーを楽しむことが苦手なタイプの方が、新規事業の担当するのは、正直大変だろうな・・・と思う。
その点、宮内さんは、さっきの鈴木さんの考える成功アプローチとも異なった、スーパーポジティブなスタイルで、新規事業を推進していると感じた。
そんなスターキャットの皆さんの話を聞いて学んだ「新規事業を上手く軌道に乗せるために必要なこと」。
・熱量を高くキープできる、やりたいことをやる。
・挑戦していること自体を、楽しみながらやる。
これがないと、仲間も、アイデアも、工夫も、お金も、きっと付いてこないんだろうなと強く感じた「SWINGセミナー」でした。