CSキャリア”インタビューリレー”第五弾
エンタープライズ向けのカスタマーサクセスをする傍ら、マネジメントにも挑戦されている武井さん。
困難があってもパズルゲームを解くように課題解決へ導く、武井さんならではの取り組み方をお聞きしました!
はじめに
-こんにちは。今回は、株式会社KOMMONSが企画する”CSキャリアインタビューリレー”の第五弾です。
株式会社KOMMONSは、カスタマーサクセスに特化したサービスを提供する会社です。企業向けのカスタマーサクセス支援サービスやカスタマーサクセスを職業とする方たちのコミュニティを運営しながら、カスタマーサクセスの方たちが自信を持って働ける世界を目指しています。
インタビュー内容
【1】 カスタマーサクセス職に至るまでの経歴
本日はCSキャリアインタビュー第四弾ということで、武井さんにお話をお聞かせいただきたいと思います。よろしくお願いします!
武井さんはこれまで色々なご職業を経て、今現在カスタマーサクセス組織のチームマネジメントをされていらっしゃるとお聞きしております。まずは簡単にこれまでのキャリアについてお話しいただいてもよろしいでしょうか?
はい、本日はよろしくお願いします!
僕は社会人としてもうすぐ8年目になるんですが、最初はリクルートで広告営業・フリーペーパーの編集企画をやっていました。
ベビーシッターのマッチングサービスをやっているスタートアップに転職をして、PM(プロダクトマネージャー)やマーケティングの仕事に従事した後、LITALICOという障害福祉の会社で事業企画・財務・経営管理などコーポレート系を広くやった後に、もう一度チャレンジしたいと思いHRスタートアップのYOUTRUSTにジョインしました。そこではじめてカスタマーサクセスの現場に携わって、2023年から現職です。
今は株式会社プレイドという会社でKARTEのエンタープライズ向けのカスタマーサクセスをやっていて、2023年末からマネジメントにもチャレンジしています。
ちょっと経歴が長いんですけども、そんな感じです。どうぞよろしくお願いします!
ありがとうございます!転職毎に業界や役割もちょっとずつ変えられてカスタマーサクセスに移られたということですよね。
なぜカスタマーサクセスという職種を選ばれたんですか?
1社目でもエンプラ向けの既存営業がメインで、広告ではあるもののお客さんと密にコミュニケーションを取りながら、新規開拓ではなく既存顧客を深耕し売り伸ばしていく方をやっていました。
その仕事自体も時代が違えばカスタマーサクセスと呼ばれていたんじゃないかと思いますね。すごく楽しかったですし、もっとやっていきたいなと思っていました。
前職では当初カスタマーサクセスの企画職としてジョインしたんですけど、いろいろあって現場もやっていかないとねって話になって、その流れで顧客対応もやりだしました。
確かに、昔から既存のお客様に対するサポートという枠組みはありましたよね。
既存のお客様に携わる面白さを当時から感じていたんですか?
そうですね。自分は既存の顧客に深く入り込んでいった上でどんどん大きな課題を解決していく方が好きだな、面白いなと思うことが多かったですね。
【2】現在の会社「だからこそ」できる、カスタマーサクセスの面白さ
そういった面白さもあってカスタマーサクセスという職種を今の職場でも選ばれたんですね。
それでは現在のお仕事についてお話を伺っていただきたいのですが、今の業務内容はどんなことをされているんですか?
今はKARTEというサービスで、基本的にエンタープライズのお客様に対してハイタッチで支援をしています。
プロダクトのオンボーディングから活用支援はもちろん、そこからお客さんの事業課題に深く入り込んでいくようなこともしています。
会社自体はKARTEを中心にマルチプロダクト展開しており、最近ではプロフェッショナルサービス領域も注力しているフェーズですね。
武井さんが勤務されているプレイドさんの事業を拝見すると、事業課題に入り込もうと思えばいくらでも入り込めそうなプロダクトが多いですね!
カスタマーサクセスの中でも、メンバーによって課題への入り込み具合が違ったりしますか?
それこそ今まで属人的だった部分の仕組み化をやっています。
そのサービスで対応する人・企業・業界によっても課題感が違ったり、仕組み化が難しい部分であったりするので、割と一人ひとりが臨機応変に入り込んで対応している感じですね。
臨機応変に対応している…とのことでしたが、武井さんがカスタマーサクセスという仕事において大切にしているポイントはありますか?
僕がカスタマーサクセスで大事にしているのはプロダクトを活用していただいた先でいかに顧客の成果に繋げるかということかなと思っています。
お客さんに必要なことを見極めて、それに対して最適なものを提供プロダクトに限らずに提案・実装するのが一番かなと思ってるんですよね。
難しいんですが、カスタマーサクセスに対して一つの機能のことだけを聞かれたとしても、しっかりと本質的な問題解決まで行きつけるようにしたい、みたいな意識が近いですかね…。
ただ機能の使い方を教えて終わりではなく課題を解きに行くっていうことがすごく重要だなと思っているので、小さな課題を解決することで大きな課題そのものに対してアプローチできるようにするとか、そういった部分を意識していますね。
ありがとうございます。ちょっと意地悪な質問になっちゃうかもしれないんですが、この課題はうちでは解決できないといった時は、そのままお伝えするんですか?
もちろんありますね。ただ、これが今の会社のめちゃくちゃ面白いところではあるんですけど、大体の課題はうちでなんとかしようというスタンスでやっているケースが多いです。
ここはちょっとうちのサポート範囲外なんですよね、っていうケースって多いと思うんですが、まずプロダクトでカバーできる範囲がめちゃくちゃ広いですし、最近はプロフェッショナルサービスも拡充しているので、お客様と企むことさえできればなんとかできる部分も多そうだなとは思っています。
もちろん予算の問題や、プランごとの制約もあったりするので、そこはお客様にしっかり価値を感じていただいたうえで、課題を解決するためにこれは必要です、ということを伝えて適切なご提案をするように心がけています。
プロダクトへの信頼も厚い分、カスタマーサクセスの力量も試されるシーンですね。
【3】カスタマーサクセスを通して築いた、会社対会社のつながりという成功事例
これまでのカスタマーサクセスのお仕事を通して、これは面白かった、特別だったなっていうエピソードはありますか?
僕が担当させていただいたお客様で、プロダクトや事業をたくさん持っていて、その中のひとつでKARTEを導入していただいていました。
自分が引継いだタイミングで先方の体制が変わったこともあり「KARTEが使いこなせてないからこのまま使い続けるかわかりません。」って言われていて…。
ただ、その後やり取りしながら、お客様と信頼関係を構築して、KARTEでも価値を出せるようになっていった結果、先方担当やチームの方が他の事業の方々にKARTEやそれを通じて生み出せる価値について啓発をしてくださったんです。
今は別の事業でもKARTEを使っていただけるようになり、会社を横断してプロダクトチームに対しての取り組みなどを企んでいたりします。
最初はその会社にとってKARTEが単なるひとつのツールでしかなかったのに、こうやって会社対会社の関係性を作り上げて、さらに大きな仕事に取り組んでいけるのはすごく面白いなと思った出来事でしたね。
すごいですね!初めだけお聞きすると、このまま解約…というシビアな状況のように思うのですが、関係性を回復できたのはどうしてですか?
そうですね。理由は2つあったかなと思います。
ひとつはKARTEを活用しきれていなかったところをとことんサポートしました。ご状況をフラットに見たときに、適切に伴走すればきちんと効果を感じていただけるポテンシャルがあるだろうと考えていました。
もうひとつは、やっぱり僕がより深い課題を解決していくことが好きなので。お客様のご状況を見たときに、事業的にも今後描いている未来を踏まえても、すごく可能性があるなと思いましたし、それに対して伸び代がはっきりと見えたので、一緒に目指したいと思ってお客様と向き合って議論を重ねる中で信頼関係を築けたのかなと思っています。
【4】カスタマーサクセスという仕事の難しさ
武井さんは課題が見えた時に頭の中で整理して、ここはいけるっていうのをちゃんと組み立てて、それに対して自発的に動ける方なのかなと思いました。
逆にこれは難しいな、とカスタマーサクセスならではの壁にぶつかったことはありますか?
これは明確にあります。僕の個人的な特性にもなっちゃうんですが、想いがある人を支援したいというのが強いんですね。
でも、お客さんの方で炎がそこまで燃えていないっていう状態だと、これどうやって進めていったらいいんだろう…みたいな部分で結構悩んだりしますね。
お客様の方で想いが見えない状態ということですね。そういったとき、今はどう対応されているんですか?
自分としてはただプロダクトを使ってもらっているだけではなくて、お客様の業務だったり、その人・その会社の目標を正しく理解して解像度を上げていくことを意識しています。
例えば、僕らCS目線だとシステムに時間割いてもらえないな、優先順位が低いなと思っていたとしても、お客様の方は他の目標を追う必要があってそっちの方が優先度が高い…みたいな状況もあるのかなと思っていて。
何かしらの事情で使えていないだけかもしれないですし、そしたらKARTE以外の部分でまずはしっかりお客様に伴走して、良き相談相手・パートナーになることでプレイドから提供できる価値を広げられるのかなと思っています。
なので、お客様は何をミッションにしているんだっけ?何に困ってるんだっけ?っていう部分を、自分たちのプロダクトの活用をしてもらう以外にも積極的に知りにいくことを最近は特に意識してやっていますね。
【5】課題解決のための「パズル」として楽しむ
なるほど…!今のお話を聞くと、武井さんが大事にされていることとお仕事への向き合い方がすごくつながりました。
武井さん自身についてもう少しお話をお伺いしたいんですが、今までカスタマーサクセスのお仕事を2社続けてこられて、カスタマーサクセスの職種はご自身に合っていると思いますか?
そうですね、すごく合っていると思います。
カスタマーサクセスの中でも、お客様の広い課題にアプローチできるっていうのと、お客様の課題がそもそも大きいっていう前提条件があるからこそかなとは思っていますね。
僕自身は色んな一次情報を集め、パズルみたいに問題を紐解いて課題解決までのストーリーを描くのが得意だと思っているんですが、そういう意味でも、今やっているエンタープライズ企業向けのハイタッチのカスタマーサクセスだと関わるステークホルダーや情報量も多かったり、紐解いていく課題も大きかったりするので、ひとつの大きな絵を描いて関係者を巻き込みながらやっていく、みたいなところがすごく自分にハマっているなと感じてます。
そうなんですね!
もともとパズルのピースをはめていくような作業がお好きだったんですか?
そうですね!昔から脱出ゲームとか推理小説が好きで、いろんなヒントを組み合わせて一本の線にしていく作業に没頭しちゃうんですけど、それに近い感覚がありますね。
なるほど…!ちょっと新鮮な目線で面白いですね。
なので、脱出ゲームに行くのと同じ類の面白さを今は仕事に感じていますね。
ただ、ゲームだとゴールが決まっていて、それを解くための材料も用意されている中で与えられたものの中から解いていく感じがあるんですけど、仕事はゴールも進め方も自分で決めないといけないというところは大きな違いとしてありますね。
お客様とか社内メンバーとすり合わせながら1つのゴールを決めていかないといけないですし、情報も待っていても配られるものではなくて自分の手足と頭を動かして取りにいかないといけないものだったりするので、さらに難しくもあり面白くもありますね。
【6】一人ひとりが違う人間だからこそ、マネジメントの形もさまざま
武井さんは最近マネジメントにも入られているのでしょうか?
はい、2023年の12月からCS組織の中の一つのチームのマネージャーになりました。
マネージャーになってから何か大きく変わったことはありますか?
明確に組織からの要望として自分の視座を大きく引き上げないといけなかったので、今まで自分のお客様など個人目線で見ていたものを、自分のチーム、CS全体、ひいては事業としてどうやっていくのがいいんだろう、他者をエンパワーするにはどうしたらいいんだろうと考えることがめちゃくちゃ増えましたね。
マネジメントとなるとお客様のことだけではなくて、社内のメンバーを通じてお客様を動かさないといけないですもんね。
役割が変わってからの大変さと面白さってどんなところですか?
自分だったらこうするのに、どうしてこのメンバーはこうするんだろう?というときもあります。必ずしも自分の感覚が正しいわけではない部分も含めて、この違和感やズレをすり合わせることは大変かなと思いますね。
ただ、そこはやっぱり違う人間なので一人ひとりの強み弱みも違うしチームとして強くなればいいなと思っているので、そこもまたパズル的な面白さを感じています。
チームとしてやりたいこと・やるべきことがある中で、この人はこういう弱みがあるけどみんなで支え合えば強みの部分を活かせるかなど、ひとつの組織としてどうやって強くなれるかと考えたりしますね。
チームとは別に個人それぞれが目指したい理想もあるので、一人ひとりの育成の観点でも考えることがあってその点はすごく面白いなと思っています。
【7】今後チャレンジしていきたいこと、目指す姿
最後の質問になりますが、武井さんの今後のキャリアで考えていること、やってみたいことは何かありますか?
社会人4年目くらいまでは仕事選びの軸が子育てや教育の事業領域だったんですよね。なので個人的にはそういった事業の課題解決にまた携わっていきたいという気持ちが強いんですが、当時はかなり高めの壁にぶち当たっていました。
もっとビジネス戦闘力が高くないとこの領域の課題解決は難しいなと思って、課題解決力を高いレベルで身につけるために伸びているSaaS業界に飛び込んだという背景もあるんですよね。
なので、どこかのタイミングで子育てや教育で再チャレンジしたいと思っています。そのためにも、大きな絵を描いてたくさんの人たちを巻き込みながら推進していく仕事もしていきたいなとは考えています。
なるほど、インタビューを通してこの先も武井さんのキャリアを追いかけたくなりました!今の役割であったり、マネジメントの役割の部分でもすごく想像しやすいなと思いながらお話を聞かせていただきました。
本日は貴重なお話、ありがとうございました!
こちらこそありがとうございました!
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