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CSキャリア”インタビューリレー”第七弾

HR領域の立ち上げフェーズやマネジメント・副業など、数多くの経験を積まれてきた竹下さん。お子様が生まれてからのキャリア観の変化や、お客様に選んでもらえるカスタマーサクセスになるためのスタンスなどのお話を聞いてきました!


はじめに

-こんにちは。今回は、株式会社KOMMONSが企画する”CSキャリアインタビューリレー”の第七弾です。
 
株式会社KOMMONSは、カスタマーサクセスに特化したサービスを提供する会社です。企業向けのカスタマーサクセス支援サービスやカスタマーサクセスを職業とする方たちのコミュニティを運営しながら、カスタマーサクセスの方たちが自信を持って働ける世界を目指しています。

竹下さんご紹介

竹下貴之さん

<略歴>
1社目:大手スーパーチェーン, 店長
2社目:人材系企業, CS立ち上げ
3社目:人材系ベンチャー企業, バックオフィス
4社目:大手人材系企業, BizDev責任者


インタビュー内容 

【1】 これまでの職歴

本日はキャリアインタビュー第七弾として、竹下さんにお話をお伺いできればと思います!早速ですが、竹下さんのこれまでの経歴を教えてください。

よろしくお願いします!
大学卒業後はスーパーの店員として5年勤務した後、人材業界に2社在籍していました。そのあとに現在の大手総合人材会社に入社して、2024年で4年目になります。

これまで営業職以外の職種を幅広く経験しており、特に医療系人材・総合人材の領域での人材紹介・派遣での経験が長いです。直近は人事向けのSaaSサービスのカスタマーサクセス・セールスという形でBizDev側の責任者を行っています。

その他人事、経理、労務のようなバックオフィス業務、営業企画経験も積んでおり、直近2023年からは副業で地方の中小企業様、大手財閥系企業様の人事領域でのコンサルティング支援も行っています。

最初のキャリアは小売業からスタートされているんですね!そこから人材業界へ転職したきっかけは何だったんでしょうか?

最初はスーパーで勤務していて、報酬は満足した待遇ではあったものの得られるスキルが在籍している会社に寄ってしまっているのを感じていました。
向こう10年間のキャリアを考えた時に、汎用的なビジネススキルを得られる仕事をしたいなと考えて営業職を軸に転職活動を始めました。

未経験からスタートできる営業職としてキャリアを積めるのは無形商材でベンチャー〜ミドルベンチャー規模の企業が多く、その中でも2社目の人材系企業は自由と責任を大切にしている社風でとても魅力に感じました。
当初は営業職の選考で進んでいたのですが、最後に新しいCS部署を一緒に立ち上げてもらえないか?と打診を頂き、新しいチャレンジに魅力を感じ転職を決めました。

2社目の人材系企業に入社してから初めてカスタマーサクセスの職種に関わり始めたんですね。そこから3社目までにどんな経緯で転職されたんでしょうか。

2社目の人材系企業では医療系職種の人材紹介・派遣に携わり、いかに従業員が自社で長く働いてもらえるか、いかに顧客が長く自社を使い続けてもらえるかという視点で、LTVを意識した、今で言うカスタマーサクセスの考えを基に組織設計を行いました。

そこである程度経験を積んでいくうちに、立ち上げフェーズの会社から組織を作っていきたいと考え、当時第2創業期フェーズだった3社目の人材系企業に転職を決めたという経緯です。
そこでは人事や経理など幅広いバックオフィスの体験ができ、さらにキャリアが拡がりました。

バックオフィスの経験をされたうえで、現在の大手人材系企業に入社されてBizDev側の業務をされているんですね。竹下さんとしては、主にBizDev側の業務をやっていきたいという思いがあったんでしょうか?

正直BizDevかどうかという点にはあまりこだわりはなかったですね。
2社目でも3社目でもバックオフィスの業務をやる中で、人事データの分散化には課題を持っていました。あるHR総合サービスの導入を行った時に非常に進めるのも難しく、かつ分散化している情報をまとめるのにも苦労をしました。
この経験があり、入社前の経験・志向性情報、入社後の実績情報これらが一期通貫で扱えれば自身のキャリア・実績の振り返りができより自律的に活躍できるのでは?という課題感が芽生えました。その課題を解決するためには、人事の入社後課題だけでなく、採用で知見のある現職に入り、採用から入社後のプロセスへアプローチしたいと考え今のプロダクトに関わっています。

【2】 仕事を通して身に付けた強みとチーム運営の難しさ

直近は人事向けのSaaSサービスに携わっていらっしゃったり、副業でコンサルをされていたりとHRに特化して業務をされているんですね。
これまでの経験を通して、竹下さんご自身が自分の強みだったり専門領域だなと思われている部分ってどんなところでしょうか?

私は経験上立ち上げ期にいることが多いので、立ち上げ期は自分の強みといえる領域かなと思ってますね。
例えば顧客接点のアクション定義を決定したり、お客様の体験設計・カスタマージャーニーを作ったうえでオンボーディングではどんな体験をしてもらったらいいんだっけ?など、具体的なアクションをしっかり定義付けしたうえでPDCAを回していってプロダクトを最適化していけるというのは自分の強みだなと思っています。

今のお話を伺うと、今現在竹下さんは責任者という立場でチームを運営していく上での仕組みを作り、それをチームメンバーに定着させていくことも必要なんだろうなと感じました。
チームを運営するにあたって特に苦労している点・こういう点は工夫できているなと思っていることはありますか?

苦労している点でいくと、自分の行動を制御しながら業務を進めていくことは大変だなと思っていますね。
今チームとして自社の社員3名・外部の方1名の計4名で対応しているんですが、自分ひとりだけであれば最短距離で顧客の成功体験に結びつけられることでも、サービスを拡張するという観点を持つと、他の企業に落とし込んでいくための仕組み化をしたうえで顧客価値の最大化まで図っていかないといけないのは難しい部分だなと感じています。

竹下さんの仰る通りご自身の体験を仕組み化したうえで、チームメンバーに落とし込むのはかなり難しそうですね。チームメンバーをまとめるうえでの苦労などはあったりするんでしょうか?

もちろんないとは言えないのですが、サービス組織の特性上そんなにアーリーな人を入れていないので、チームメンバーも自律自走した方々が多いなとは感じています。

ただ全員オンラインでほぼ全員で顔を合わせることがないので、情報の集約であったり目標に向かって確実にやりきっていくための意識醸成等は、今までと違った初めてのスタイルでマネジメントをしなければいけないなと思うことは多いですね。

情報の集約ももちろんですが、立ち上げだとKPI・KGIがなかなか設定しづらいので、先導するマネージャーとしては悩ましい部分もありそうですね。

今サービスがローンチしてから2年半くらい経っているところなんですが、最初の1年半は「これが本当に重要なKPIなんだっけ?」っていう部分は試行錯誤しながら設定していったなと思う部分ですね。当然社内用のツールもないので、全部スプレッドシートで自作しながら管理していく…といった時期もありました。

今もスプレッドシートで対応している部分もあるんですが、この2年半の間に徐々にシステムを入れていきながらアクション定義がやっと定まってきたかなという印象です。

現在、竹下さんはセールスをマネジメントしているんですね。無料のサービスだとLTVの考え方って難しいかなと思うのですが、どうでしょうか?

はい。現在扱っているサービスが少し特殊なんですが、基本は無料サービスのような立ち位置でISからCSまで一貫した設計を作っています。

大手企業が自社でサービスをやる難しさではあるんですが、会社の方針としてプロダクト単体で稼げるようになるべきという風向きの時もあれば、事業に還元すれば問題ないという風向きの時もあります。
なのでLTVはいずれにしても必要なんですが、どのセグメントのLTVが重要になるのか常に変化してきたと考えています。

現状だとプロダクト自体の価値に共感して使い続けて貰えることはもちろん嬉しいですが、どこでお金を稼ぐのかという観点では、後続のソリューションや、採用での効果改善という選択肢もあるので最適な進め方を検証しています。

サービスの拡大と売上の両軸の観点を考えないといけないので、よりKPIの設定は難しそうですね。ただ、こういった経験を通して竹下さん自身、大手企業で新規事業を立ち上げる力を付けてきているという印象なのですが、その点はいかがでしょうか?

そうですね、単純にプロダクトの価値を拡げるだけでなく、「既存事業とのシナジー」という観点がプロダクトが一定の水準に達すると求められるので、このあたりは自分の中でも正解が見つかっておらず試行錯誤の連続ですね。

【3】人対人で選ばれてスタートした副業

一方で竹下さんは副業で人事コンサルをされていると思うのですが、これはどういった経緯でスタートされたんでしょうか?

もともと今ご支援させて頂いている会社は本業の顧客でしたが本業では支援できない課題をお持ちだったので、個人で支援させて頂く形となりました。
管理部全般の支援をしていますが、内容は勤怠システムの導入〜人事制度設計〜採用まで人事領域を中心に多岐にわたっています。

お客様から直接竹下さん個人としてコンサルをして欲しいという要望があったんですね!

そうなんですよ。最初は2021年に1度お声掛け頂いていて、その時は社長に自社サービスを案内していたのですが、人に対する考え方が近いものがあり、個人での仕事のお話も頂きました。ただ、その時は私自身転職して日が浅く、社長も就任されて日が浅く実現しませんでした。ただ、また2022年末頃に再度お声掛け頂き、課題が具体的になり私としても価値発揮できる領域が見えたためご支援をさせて頂く形となりました。

人対人の繋がりでお仕事ができるというのはすごく魅力的ですね。

そうですね、なかなか副業自体がOKという会社も多くないと思うので、現職にも感謝ですね。副業でお客様と会話していると会社の冠を被らずに評価されるので、自身の市場価値がよく分かります。また、100%自分の責任なので、非常にやりがいがありますね。

【4】仕事で大事にしていること・考え方

竹下さんはHR領域での経験が長いと思うのですが、仕事への取り組み方・考え方など、大事にされている点はありますか?

実は2023年9月に第一子が生まれて、そのタイミングで大きく考え方が変わったなと思っています。正直それまでキャリアで明確なものがなくて、任された仕事を中心にいろいろ面を広げていければいいかな程度の考え方だったんです。
ただ子供が生まれ、子育てをしながら仕事をしていると、将来子供が働いてワクワクするような社会を作るためのサービス・仕事に関わっていきたいという思いが強くなりました。

今私が携わっているサービスはオンボーディング支援サービスです。転職が当たり前になる中、入社初期のオンボーディングが上手くいくかどうかは新しい会社での活躍を左右する重要な要素だと考えています。これらは会社の視点でも、従業員の視点でもどちらにとっても非常にハッピーな取り組みだと思うので本当に多くの方に使ってもらいたいと思っています。

カスタマーサクセスの担当者としても自分のサービスを導入してもらうからには「自分の子供を将来入れたくなるような会社になるように」という思いを持って、サービスの導入から活用までご支援させて頂いています。

将来、自分が支援した会社で子供がワクワク働いているのが見れることができると嬉しいですね。笑

【5】今後身に着けていきたいスキル・目指すキャリア観

お子様が生まれてから仕事への意識が変化されたんですね!ありがとうございます。今後、竹下さんが目指していきたいキャリアやビジョンはどんなところなんでしょうか。

本質的なお客様の課題解決ができるといった点でカスタマーサクセスのスキルはこれからも尖らせていきたいですね。新規事業のカスタマーサクセスは良くも悪くも責任範囲が明確ではない中、お客様の課題にグッと入っていくことができます。このような仕事の進め方は自分自身好きなので、新規サービス×カスタマーサクセスというキャリアは合っているんだと思います。

あとは、HR領域です。

結局自分は「人」が好きで、自身の成果よりメンバーの成果と考えるタイプです。オンラインでの仕事がほぼ100%の環境の中で、東京はもちろん大阪・福岡などまで出向いて飲み会をしています。笑

どうやって人のポテンシャルを100%発揮させて、組織として相乗効果を発揮させるかというのは大好きなテーマです。この辺りは今後本業でも副業でも構わないので関わり続けていきたいです。

最後に、影響範囲を拡げることは正直悩んでいます。

冒頭の通り新規サービスが好きですが、新規サービスのままでは子供がワクワクする社会はとても狭いものになってしまいます。

規模を拡げるためにはマネジメント力を高めて影響範囲を拡げる必要がありますが、現場の手作り感がなくなるのはつまらなくなりそうで、このあたりは今後しっかり考えていきたいなと思っています。


竹下さんの今までのお話を通して、お客様の課題解決に繋がるカスタマーサクセスって「いち業者として」ではなく「パートナーとして」選ばれることなのかなと感じたのですが、その点で竹下さんが意識していることや普段やっていることって何かあるんでしょうか。

そうですね。大事なのは顧客と向き合っていくスタンスかなと思っているので、まずは顧客よりも顧客のことを知っていくということを大切にしています。

リサーチはもちろんですが、内部で働いている人に対してのインタビューや、どんな人間が働いているんだっけ、その人たちは何を大切にして働いているんだっけ…など、一次情報をなるべく多く取れるような動き方は常に意識していますね。

情報を積極的に収集することで、人事よりもその会社のことを知っているパートナーとして選ばれるのが理想的ということですね!
竹下さん、本日はいろいろなお話をお伺いさせていただきありがとうございました。

ありがとうございました!


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