夫婦。我が家の場合。~夫婦喧嘩とお産~
結婚して約3年で待望のベビーを授かった私たち。
「親になる」という共通の目標ができて、距離は縮まった。
(と、信じていた)
夫は特に喜び、皿洗いを手伝ってくれて、
機嫌がよく優しくなった。
ケンカもしなくなった。
平和なはずだった・・・
私は、妊娠すると五感が敏感になり、
それまで気にならなかったことが気になってしかたなくなった。
夫はゲーム好きで、当時は初期のプレステを購入して毎晩遊んでいたのだが、
ボタンを連打するカチャカチャ音が耳障りでたまらなかった。
それでも、ゲームに熱中する夫を見ていると何も言えず、
耐える日々。
今思えば、ゲームの音が嫌、というよりも「ゲームをする夫」に嫌悪感を抱いていた。
私が妊娠してからも変わらず毎日パチンコに出かけていたので、
その不満と連動していたに違いない。
毎晩、長時間続くカチャカチャに、
私は不満とストレスを溜め込んでしまった。
そんな状態が、お腹の子に良いはずはないのに。
でも、夫に言うことで、またケンカの種になることを考えると、
やっぱり我慢してしまう。
ケンカのストレスと、
音を我慢するストレスを比べて、
我慢するストレスを選んでしまった。
それが私の行動パターンだとは気付かなかった。
たまったストレスを発散する機会もないまま、
あるとき爆発してしまう。
あと数日で出産予定日という時。
何がきっかけだったかは覚えていないが、
些細なことで、とうとうケンカをしてしまった。
胸が苦しくて、家にいられなくて、
GWでにぎわう街へふらっと出かけて、
長編の映画をひとりで観た。
感動する内容だったけど、
違う意味で泣いていた。
ふと気が付くと、
ずっとお腹の中で元気に動いていたはずなのに、
突然動かなくなってしまった。
最悪の事態が浮かんで、
慌てて助産院の先生に電話して診てもらったら、
心音は聞こえていたので崩れそうになるくらいほっとした。
その助産院では、お産が近づくと胎児への影響を考慮して、エコー検査はしていなかった。
予定日より二日早く産まれてきた息子は、
なんと、へその緒を首に二重にぐるぐると巻きつけて生まれてきたのだ。
急に動かなくなったのは、そのせいだった。
先生によると、
赤ちゃんがお腹の中で自分でへその緒を巻きつけることはよくあるらしい。
夫婦げんかでのストレスがそんなことをさせたのだと思うと、
いたたまれなかった。
息子は危険な状態になりながらも、
私たちに教えてくれようとしたのだ。
助産師の先生は、産まれた息子を見て、
「この子は目の光が強いね」
と仰った。
強い光で我が家を見てきて、
息子は何を思っているのだろう。
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