見出し画像

夫婦。我が家の場合。~プロポーズは突然に~

「結婚を前提におつきあいしてください。」

新入社員だった私にとって、会社の先輩からの「晴天の霹靂」の言葉。

驚いたのは、若かったからとか相手の問題ではない。

辛いことが多い家庭で育ち、
しかも否定され続けて無気力になった私は、
結婚には夢も希望もなかった。

こんな私に結婚なんて縁があるはずがないと信じていた。

「20代のうちは管理栄養士の資格を活かしてバリバリ仕事するか、
ちっちゃい会社でも起こして一人でなにかやって、
30歳を過ぎたら親がうるさいだろうからお見合いでもするか。
今の会社は、2,3年で辞めよう。」

無気力でも、現実逃避が原動力となって、妄想ばかりしていた。

カッコよさげなライフプランなのに、
親の意向がしっかり入っている。

結婚なんてしたくないと思っているのに、
幼いころから刷り込まれた「体裁を気にする」ことは
意識の底にしっかり根付いていた。


話を元に戻すと、
冒頭の言葉を聞いて私の心に浮かんだことは、前回も書いたように、
「これであの家を出られる!」と、

その前に、
「主婦になったら楽できる~!」
だったらしい。

「らしい」というのは、
私は全く覚えていないけれど、霊視ができる人からそう言われたのだ。
オーラにそう書いてあるらしい。

私って何なの。。。

客観的に見ても、こんな女子いやだ。。。

結婚してから、
「こんな人とは思わなかった!詐欺!だまされた!」

とかなんとか心の中で何度もわめいていたけど、
なんのことはない。

似た者同士が引き寄せられただけのこと。

合理性というか、利害を第一に考えて、
人からどう見られるか体裁をなによりも気にする。

思っていること、考えていることは口に出さない。

固い殻の中に閉じこもっている。

人は鏡というけれど、
お互いに自分を映していた。

そのことに気付いたのは、ずっと後のことだった。


余談だけど、
夫も、そして今日用事で会った母も、
私の誕生日のことは全く覚えていない。

私は忘れずに毎年プレゼントを渡してきたけれど。

夫には、プレゼントさえも受け取ってもらえず、
いつまでもダイニングテーブルの上に置かれたままだった時期もあったなぁ。

でも、娘からは幼いころから愛情たっぷりのプレゼントをもらえて、
仲間や先生からはお祝いのメッセージを朝から受け取れて、心から感謝。

もったいないほどの幸せを噛みしめる。

いいなと思ったら応援しよう!