チームワークを高めるKPTについて|クランチタイマーの取り組みと成果
はじめまして、クランチタイマーです。
このたび、これまでお客様にお伝えしきれていなかった私たちの取り組みや想いを知っていただく場として、note公式アカウントを立ち上げました。
アプリ・Webサービスなどの開発を手がけるWebデベロッパーとして、品質向上や業務改善のために行っている取り組みとその成果についてお話してまいります。
本日は、その取り組みの一つとしてKPTをご紹介します。
KPTとは
KPTは、現在の仕事や行動の中で継続すべき点と課題、今後の具体的な行動を明らかにできるフレームワークです。
「keep(継続すべきこと)」「problem(反省、問題点)」を洗い出し分析した上で、具体的な改善策としての「Try(次に取り組むこと)」を検討するという流れで行われます。
導入前の課題
クランチタイマーではKPT導入以前に、下記のような課題がありました。
個々で学んだことや反省が全員で活かせない
プロジェクトが違うと、他のメンバーの開発状況がわからない
もともとその日の作業報告などを行う夕会も実施しており、
各々の反省や改善点について話すタイミングはあるものの、メンバー全員でそれぞれの学びや反省を活かすための共通言語がない状況でした。
またフルリモートワークで、かつ取り組んでいるプロジェクトが違う場合、メンバー間でお互いの開発状況までは把握することができていないという状況もありました。
これらの課題を解決するために、KPTを導入し週に一度全員でミーティングを行うこととしました。
KPT導入後の流れ
まずは週に一度、日頃の業務について振り返りを個々で行います。
良かったことや継続すべきこと、もしくはその反対に発生した問題などをミーティング前までに各自で洗い出しておきます。
ミーティングではそれらを入力したKPTシートをもとに、メンバー全員で話し合いをしていきます。
例えば、
見積もった工数通りに開発が進まない
仕様調整や調査に多く時間がかかっている
といった課題について議論する場合は、原因の深堀りや改善策について全員で意見交換を行い、翌週から実践していく「try(改善策)」を決定します。
また、個人が良かったと感じたものの中で今後チームとしてやっていくべきことがあれば「keep(継続すべきこと)」として定着させるようにしています。
実際にKPTを通して行った改善の一例と成果
・納品スケジュールの厳格化
課題の一つとして、社内の開発期限はしっかりと厳守するように進めていても、お客様の受け入れ(動作チェック・リリース・検収)にかかるスケジュールの見積もりが甘くなるというものがありました。
受注時にお客様と調整した納期を厳守するためには、開発側のタスクだけでなくリリースや検収までを遅延なく開発していくことが大切です。
そこでクランチタイマーでは、開発着手時(発注時)に開発スケジュールを明示するとともに、あらかじめ受け入れスケジュールもご相談・調整することにしています。
これにより、期限内にスムーズな納品をすることができています。
・開発工数見積もりの正確性を向上
クランチタイマーでは、開発工数の見積りの正確性を向上させるため、アジャイルで開発するプロジェクトでは開発時間の実績を計測しています。
さらに開発後には、発注時の工数と実作業の工数を比較し、工数の乖離がないかレビューします。
このように次回の工数見積もりに活かすために必ず振り返りを行うことで、正確性を向上することができています。
・コードレビュー会
各プロジェクトで開発したコードや参考になるコードを持ち寄って、週に一度コードレビュー会を開催しています。
読みやすく、冗長なコードにならないために、情報共有とレビューを繰り返すことでエンジニアスタッフのスキルの底上げを実践しています。
・コーディング規約の読み込みとすり合わせ
新たにチームにジョインしたエンジニアスタッフについては、有識者と一緒にコーディング規約を読み込み認識のすり合わせを行っています。
新たな課題が出た場合は、コーディング規約のアップデートを行うことで、統一感のあるコードを書くように実践しています。
・PR(プルリクエスト)提出前のセルフチェック
PRのレビューで差し戻しがあると、開発者・レビュー者ともに作業効率が落ちるため、PR提出前に各自で作ったセルフチェックリストを活用しています。
これによりコードの凡ミスをなくし、生産性をあげることができています。
メリット
KPTを導入することで、反省を活かした改善案や実践して良かったことを組織全体で共有でき、意識を統一することができるようになりました。
またそれ以外にも、思いがけず多くのメリットがありました。
課題やミスを個人で抱え込むことがなくなり、フォローし合うことができる
打ち合わせでの具体的な進め方など、他のメンバーがやって良かったことが参考になる
KPTミーティング以外でも、発言の回数が増え話し合いが活性化される
個人で日々の良かったこと、反省を振り返ることができる
フルリモートワークでもチームワークが高まる
特に仕事の仕方やマインド面には良い影響があり、他のメンバーから
「こうしたらお客様に喜ばれた!」という実際の出来事を共有をすることで、より自分事として捉えやすくなりました。
今後の課題
経験が浅いメンバーでも発言しやすい環境づくり
定期的に「keep(継続すべきこと)」ができているかのチェック体制
課題にフォーカスしすぎず、メンバーで褒め合いモチベーションを高めていく
今後もより良い形になるようにブラッシュアップしていきながら、KPTを通して日々の業務改善を行っていく所存です。
おわりに
本日は品質向上と業務改善の取り組みの一つとして、KPTをご紹介しました。
今後もお客様に信頼される企業となるべく様々な取り組みを行い、その内容をnoteで発信してまいります。
クライアントの皆様、そして社内での業務改善の取り組みをご検討中の方にぜひご覧いただけると幸いです。
どうぞ、よろしくお願いいたします。