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ここはいずれ、記憶のなかに眠る

行ってきました。

なんてことはない1試合だけど、この試合を随分と楽しみにしていたみたい。
カーディングというよりも、どちらかというとハコという意味で。

前回、カメイアリーナ仙台(仙台市体育館、以下カメイ)を訪れた記憶は、なんと遡ること震災前後。もう10年ほど前のこと。
そのころはまだ、Bリーグではなくbjリーグで、今のB1のような強豪揃いの雰囲気というよりも、どちらかというとJリーグの下部リーグみたいな、少々牧歌的な雰囲気を漂わせていたことを記憶している。

仙台もかつてはカメイがホームだったけども、いつの間にか時代は流れBリーグになり、ゼビオアリーナ仙台(以下ゼビオ)がホームになった。
ホームゲームの人の流れも、富沢駅界隈から長町駅界隈へと移り変わった。
正直、2012年のゼビオのこけら落としのときには考えてもいなかった、Bリーグになってまさに時代がようやく追いついてきたようにも思う。

個人的には、ゼビオのこけら落としのとき、強烈に「商業色」を感じたことを覚えている。
当然のことだけど、当時県内には民間のスポーツ施設というのはほとんどなくて、純民間アリーナを目の前にビックリたまげたのを今も鮮明に記憶している。
今では「夢のアリーナ」なんて、全国各地にノコノコできるみたいだけれども、控えめにいっても地方でこのコンパクトな規模感の純民間アリーナとしてはかなり先駆的な事例だったのだと思う。
振り返ってみると、時代が早すぎたんだろう。

一方のカメイはというと、「ザ・公共施設」であることに偽りなく、「まあ、こんなもんだよね」という最低限の設備のアリーナというイメージだった。
当時は最先端のゼビオと比較すると、やっぱり見劣りしてしまうというか、どことなくリーグ規模のレベルと理想のギャップを突き付けられているような、そんなふうに思えなくもなかった。
それでも、熱いブースターがいて、熱心なボランティアがいて、律儀な選手がいて、懸命にフロントが動いていることはそこそこ知られていて、なんとなくそのコミュニティのなかで関わっていることがうれしくもあったのを覚えている。

ゼビオと比べると、カメイは広がりと奥行きがある印象。

最近ではゼビオに行き慣れていることもあって、あの「商業色」のほうが当たり前になってしまった。
むしろ今となっては、音響や照明の演出はゼビオよりももっと「商業色」の強いアリーナがあるくらいだから、こうやって改めてみると隔世の感すらもある。

ただ、今回はポジティブな意味でノスタルジーを感じた。
カメイってなぜだか、ゼビオよりも「顔」が見えるなあと。
なにって、スタッフやボランティアの方々の顔が見える。もしかしたら、ゼビオは自分で勝手に「商業色」フィルターかかってるだけなのかもだけど。
(ちなみに、「商業色」ってネガティブワーディングではないので、お気を悪くなさらぬよう。これくらい強調するくらい、やっぱり鮮明なんだろう。私はゼビオアリーナ好きなので、あしからず。)

ゼビオと違ってメインエントランスが1階だからなのか、それともアリーナ面が広いからなのか、コート付近を常識の範囲内ではうろうろできるのもまたいい意味でbj時代っぽい

はじめてカメイで観た、あのコートラインの景色って、実は「顔」の見える目線だったんだろう。
サッカー野郎にとっては、あんなに間近で選手を観られるのは衝撃だったし、またあの景色が選手以外の人々の表情を鮮明にしたのだと思う。
私的サッカーの原風景、県サッカー場をも彷彿とする情景。
牧歌的なようで、どこか温かな場。
こんな景色、あったなあ。

試合はそれはそれは、「ザ・バスケット」といったヒリヒリ展開で、シーソーゲームを制したのは昨シーズンからの成長かもなあと。

bj時代からは黄色の発色も青味が強調されて、ジンギスカンダンスも手ぬぐいから推しタオルになったのだよ、2010年代初頭の自分よ…

それともう一つ楽しみにしていた、当日着用した緑ユニ(3rdユニ)のこと。

手前から、オーセンティック、レプリカ、配布版ベースボールシャツ。よく見ると「緑」度が違う

NBAでいう、シティエディション的な立ち位置なんだと思う。よくわからんけど。
実はこれが発表されたとき、最初は残念に思った。
なぜって、これはプライマリーカラーだった黒に代わった形で出てきて、結果的に黒ユニが消えてしまったから。
「今シーズンの黒ユニ、どんなだろう」ってオフシーズンに期待しまくっていたから、言葉を失うレベルで相当ショックだった。
でも、ユニお披露目で現物見たら、杞憂だった。
結構かっこよくて、隠れ緑好きな私はポジティブな衝撃を受けて帰路について、その感情のまま、ファンクラブ特典で届く1stレプリカ以外に自分で買うユニフォームは緑一択になってしまった。

ちなみに細かい話をすると、緑ユニは発色(彩度)が命だと思ってる。
色の専門家ではないけども、光の三原色はごまかしが効いても、ほかの色はごまかしが効かないのかも。
思えば緑のスポーツチームが赤や青と比べて少ないのも、色味のコントロールがブランディング上難しいからなのかもしれない。逆に、それを理解して操っているチームはかっこいいのだけれども。
そんなわけで写真を見れば一目瞭然。それぞれ単体で見ると違和感ないけども、こうやって並べてみるとサプライヤー(トレス)製のものがどれだけ発色を重視してつくられているかがわかる。
今シーズンはデザイナーのMQさんに手掛けてもらっているだけあって、かなりこだわってつくってもらっている。
考えてみれば、同じサプライヤーのB1・京都も、トレスにサプライヤーが変更したのを機にクラブカラーの再定義をしていたし。

このライオンは相変わらずでした。スキップ、スキップ、スキップ~(笑)

このアリーナもいずれ、記憶のなかに眠る。
クラブがBプレミアに行ったら、もうここは過去の場所になるはずだから。
そしてコート上の彼らもまた、記憶のなかに眠る。
2023-24シーズンという、記憶のなかに。

後記

今回は、2023-24シーズンのカメイ開催4試合のうち、唯一足を運んだ試合をピックアップしてまとめてみました。
はじめてカメイでバスケを観たのが2010-11シーズン。
あれからもう10年以上経ちますが、やはり記憶が曖昧だったので、今回は10年先に読んだとき「こんなことあったな」と振り返るために書き残すことにしました。
個人的にはカメイって、今ドキアリーナの立派とか演出すごいとかでは片付けられない、自分との関係性のなかでその存在価値を持つアリーナなので、このタイミングで試合に行けてよかったと思ってます。

そういえば、現在販売している緑ユニのレプリカはトレス製ではないみたいなので、選手着用のオーセンティックとは発色が異なりますのであしからず。
緑ユニの着用試合はいずれもゼビオであと2試合あるみたいなので、モノホン見ていただくか、写真などでチェックしてみてください。ただのモスグリーンといえばそうですが、青みが効いていていい塩梅です。

2月残りはバイウィークで少しお休み。
そういや昨年のこのころから、このチーム観始めたんだった。見逃しで負け試合ばっかりだったけども、なんか惹かれるチームだったなあ。
3月からは怒涛のクライマックスということで、まずは花粉に負けずにがんばろうと思います(笑)

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