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てきとうざっき:雪と言葉

やぁ。くつろぎしのぎです。

前回、小説を書くという夢にチャレンジしたことによって、「私だけの1冊」を作って貰うことができた、ねぇ、できたんだよ!という記事を投稿致しました。

私の夢は大きくあと2つ、

「1曲の音楽を創りたい」
「1枚の油絵を描きたい」

とありますので、ゆっくりをチャレンジについて投稿していけたらと思います!

フォロワーさんも少しずつ増えてきまして、コメントまで頂けたりして、大変嬉しく思っておりますm(__)m
これからも皆さんに読んで頂いて、一瞬ちらっと光るものがあるようにと願いながら、書かせて頂ければと存じます。

よろしくお願いします!

てきとうざっき

メインは夢を追う記事にしようと思うのですが、そんなポンポンと進むわけもなく、あの手この手で進めるも、私事や仕事にも阻まれて、うまく投稿のペースが保てず・・・情けない(>_<)
そして困ったことに、それでも書きたい衝動は止まらない、といった具合で、まぁだったら書いたらいいじゃないかと用意した枠になります。

そんな今日は、仕事の狭間で、言葉があれこれと重なって余計な意味を持ち始めた(?)感覚があり、なんじゃこれはと整理のためにも、あまり考えずに小さな一瞬の物語に何かを乗せて書いてみたいと思うのです。

こう書いている今、たったの一文字も書いていないこともあり、全然違う内容になるかもしれませんが、一種LIVEの感覚で置いてみます。

もしよろしければ読んで頂き、なんぞこいつは(笑)、と思って頂けると幸甚です。

ーー上記の内容は絶対に変えないーー

雪と言葉

ある朝、大粒の雪が窓からの景色を彩っていた。
よく見る光景な気もするし、今日しか有り得ない景色である気もする。

きっと私は、余計に感傷的な朝を迎えただけ、だったはずだ。
だから、変な決め事をしてしまった。

『次に雪が降った日、もし私に'言葉'がなかったら、いっそ』

ーーー

あの大粒の雪が降った日から、2週間が経とうとしていた。
あの日から毎日のように、私は後悔に苛まれていた。

どうして、あんな決め事をしてしまったんだろう。
次降る雪に命運を託すなんて、どうかしている。

でも決めてしまった。

決めた瞬間から、アクセルは踏まれているし、火は灯っているし、
そうそう、時計の針は進んでいる。

ーーー

言葉を探して、よく考えた。
むつかしい本も思い出した。
聞き慣れなかったラジオを思い出した。
幅も必要じゃないかと、街中の喧噪さえ思い出して、言葉を創ろうとした。

それでも、私が欲しい'言葉'は見つからなかった。
ということは、もちろん、口にすることはできなかった。

ーーー

横目でテレビを見て愕然とする。
すぐに、壁にかけてある針時計も見た。
明日の朝まで、12時間とない。

『明日未明から雪が降り出し、朝方6時ごろには一面雪景色。
 続いて、大粒の雪が降るしきる予報です。』

ーーー
視点切替
ーーー

あなたが床に伏せてしまってから、幾分か時が経ってしまったようです。
季節はもう1周して、また冬が訪れています。

少し前、2週間ほど前か、大変に雪が積もりました。
この病院まで来るのが一苦労でした。
そして、今日この朝もまた、雪が積もっている上に、大粒の雪が降っています。

ーーー

病室の扉を開けると、ベッドの上には、あなたの姿はありませんでした。
そう認識するのと同時に、真横から身体全体に衝撃が走って、私は狼狽えました。

事態を把握するまで、あなたが褒めてくれたこの聡明な頭でも、時間がかかりました。

なんと、あなたが立って、私を抱き締めているではありませんか!

すぐ後ろでは、年老いて病床に伏せるあなたが立つためのフォロー役だと思われる看護師さんの姿もありました。
看護師さんの顔には、喜びと悲しみと尊さを混ぜて閉じ込めたような微笑みがありました。

こうして、例え弱々しくとも、あなたに抱き締められたのは何十年ぶりでしょうか。

「どうしたんですか?」

私はなるべく事もなげに、平坦な声を装って言葉を吐き出しました。
震えそうになることを噛み締めたのは、何十年ぶりでしょうか。

「・・・」

あなたは、何も言わず、弱いながらも、ひしと私を抱き締め直しました。
何も言えないのは当然、あなたの喉は、もう。

「・・・」

あなたが手を挙げて合図すると、看護師さんが「はい」と申して、あなたを丁寧に引きはがし、ベッドで横たわるまでを上手にサポートしました。

その一連で、あなたは私を一度も見ずに、上げた体温を隠すような素振りでしたね。
若い頃に何度か見た、かけがいのないあなたの姿をもう一度見れて、私はそれだけでも嬉しかったのです。

ーーー

その後、何故かすぐに部屋を閉め出されてしまいました。

寄ってきた看護師さんが、紙切れを私に手渡してきました。

「ありがとう。」

よれよれの文字でしたが、あなたが書いたことはすぐにわかりました。
何をいまさら、なんて小言に加えて態度まで看護師さんに見せつつ、
私は、ゆっくりとバッグにその言葉をしまいました。

ーーーーーーーーーーーー

てきとうざっきでした。

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