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【ベストセラー編集者対談】ヒット連発の箕輪厚介氏が見つけた、ビジネスにおける「編集」の価値

本が読まれない時代の、編集者の役割とは


クロスメディアグループ株式会社(所在地:東京都渋谷区千駄ヶ谷4-20-3 代表取締役:小早川幸一郎、以下クロスメディアグループ)の動画番組「ビジネス・ブック・アカデミー」に、幻冬舎の編集者・箕輪厚介氏がゲスト出演しました。当社代表で同番組のモデレーターを務める小早川との対談が、YouTubeとPodcastで公開されましたのでお知らせします。

今回の動画は、ビジネス書ベストセラー編集者同士の初の対談として収録されたものです。

主な内容としては、

・編集者が経営者たちから必要とされる理由
・ビジネスにおける「編集」の新しい捉え方
・本の持つ本当のバリュー

など、社会に対して新しい「編集」の価値観を提案しています。

  • 「編集者」の役割を再定義する

本番組のモデレーター・小早川は、編集者として、20代前半から様々なビジネス書ベストセラーを生んできました。現在は、クロスメディア・パブリッシングを含むグループ会社の経営者でもあります。

今回、小早川が対談相手にお呼びしたのは、幻冬舎の編集者である箕輪厚介氏。箕輪氏は時代を先駆ける事業家や社会的影響力を持つ著名人たちと書籍をつくり、自身もスタートアップ経営者のように、社会にさまざまなメッセージを投げかけてきました。

対談の中では、新時代のビジネスにおける編集者の役割が議論されました。「編集」とは、書籍をつくる過程で、著者もまだ気づいていない考えや想いを言語化し、言葉の力で社会に新しい価値を提供する仕事です。著者の魅力を、どう伝えるか。非言語的な考えを、どう言葉にするか。その人の「内部にある答え」を掘り下げることが編集者の役目であり、多くの経営者から、編集者の存在にニーズが集まります。

経営者が出版する意義、書籍の持つバリュー、編集者がビジネスを舞台にどんなことができるのかについて、ベストセラー編集者2人が新たな捉え方を提案しています。


  • 箕輪厚介氏について

見城徹『たった一人の熱狂』、堀江貴文『多動力』、落合陽一『日本再興戦略』、前田裕二『メモの魔力』、ガーシー『死なばもろとも』など、さまざまなジャンルでベストセラーを連発する編集者・箕輪厚介氏。

今年9月、5年ぶりとなる著書を発刊。「人生を変える人とどう出会い、対峙するか」を語る『怪獣人間の手懐け方』(クロスメディア・パブリッシング)と、14万部のベストセラーとなった自著の第2弾『かすり傷も痛かった』(幻冬舎)。業界では非常に異例といえる、別々の出版社からの2冊同時発売です。

箕輪氏は、X(旧・Twitter)をはじめとするSNSで、自身の活動や価値観を積極的に発信し、若年層やビジネス感度の高い多くの人たちから支持されています(Xのフォロワー数:27万人〈2023年10月22日現在〉)。新刊発売時にも、多くのファンから反響の声が寄せられました。


  • 対談の概要

本編(約60分)の中で話されている、主なテーマと内容については下記の通りです。

【箕輪氏のワークスタイル、出版業界について】

「これまでのやり方を続けていても、出版業界は潰れてしまう」(箕輪氏)
「優秀な人は、出版業界ではなくスタートアップに行くようになった」(小早川)

箕輪氏は書籍編集者としての仕事のほかにもさまざまな活動をしており、短時間に集中してアウトプットしています。それは、外部の空気を入れなければ、出版業界は駄目になってしまうという危機感からです。ほかの業界からの刺激を積極的に取り入れるため、常に会社の外に身を置くようにしています。

出版業界が抱える課題をわかりやすく示しているのが、人材不足です。以前、出版業界にはメンタルもフィジカルも強い優秀な人が集まっていました。それがいま、そうした人材はスタートアップを選ぶようになっています。

スタートアップのコミュニティでも活動している箕輪氏は、スタートアップの在り方についての変化も感じています。スタートアップには上場を目指して駆け上がっていく、といったイメージがありますが、最近では、規模は小さいけれど「自分の好きな世界観」を突き詰める場所になっている。そこに、出版業界の成長のヒントも隠されているのかもしれません。

【なぜ、多くの経営者が編集者を求めるのか】


「経営者として、友達が10人いたらそのうち1人は編集者を入れたい」(小早川)

「コンサルタントは外部に、編集者は内部に答えを求める」(箕輪氏)


経営者には、編集者の存在を求めている人が多い。それは、編集者ならではの視点を知りたいからです。


経営者やそれを目指す人たちにとっては、起業や新規事業のための着想が必要です。その種を集めるため、解像度高く世の中を捉えなければいけません。編集者は、常に社会の動きを追い、様々な業界の情報を集めています。リアリティーのある知識やトレンドの「プラットフォーム」になっているのが編集者であり、クリエイターやマーケターと同様に、重要な価値があるのです。


また、箕輪氏は「編集とは大事な部分以外を捨てる作業だ」と言います。本質的ではない部分がそぎ落とされることで、中心にある軸が明確になる。経営者の活動は、目の前の事業に集中するあまり、ときに本質からずれてしまうこともあります。編集者との会話の中で、経営者自身が「自分は何がやりたかったのか?」という軸に立ち戻ることができます。


コンサルタントは外部にある正解を提供するのに対し、編集者は内部の答えを掘り下げていく。そのことによって、本来の自分や大切なことに気付くことができる。経営者はこの「再発見」を求めており、編集者と接する本質的な価値はその点にあるのです。


【デザイナーは他人の頭の中を可視化し、編集者は言語化する】


「編集という概念をデザインのように一般化したい」(小早川)

「編集者もデザイナーも、その能力を抽象化すると似ている」(箕輪氏)


「活字を編集して書籍という形にして世の中に出すのが編集者だが、それだけでは狭過ぎる。編集者は、本来いろいろなことができる能力を持っている」と箕輪氏は話します。


それに対し、小早川は「『編集』を『デザイン』のように一般化したい」と応えました。近年、「デザイン思考」がビジネス界でも一般化されています。デザイナーやクリエイティブディレクターと言われる人たちの考え方を広く活用するものですが、編集のスキルも同様に扱うことができると考えます。


箕輪氏は、「編集者もデザイナーも、その能力を抽象化していくと根本が似ている」と共感しました。デザインは、他人の頭の中をビジュアルで可視化することであり、編集は他人の頭の中を言語化することです。両者は「物事の本質的な価値を分解し、世の中との橋渡しをし、もう一度構築する」という点で、共通しているのです。


【本が担うべき新しい役割】


「本はある種の『思い出装置』になっている」(箕輪氏)

「本の売れる量は減っているけれど、価値は上がっている」(小早川)


箕輪氏は、本は「読み物」ではなくってきていると考えます。たとえば、映画を気に入ったから原作の書籍を買うといった、「思い出装置」のようになっている。編集者は「1冊10万字を読んでもらう」という考え方ではなく、本そのものが持つバリューを捉え直す必要があります。


箕輪氏と小早川は、「出版には数字では測れない価値と影響力がある」という考えで一致しました。書籍には著者をラベリングする力があり、出版によって信用を獲得し、その分野での認知度を上げることができます。


そして、書籍を通して知的好奇心の高い人たちを集めることができます。SNSが一般化している現在、出版社や編集者の持つネットワークの価値は上がっています。たとえば、YouTubeで100万回再生されるより、リテラシーの高い1000人に知られるほうが、ビジネスにとって有益なことが多い。書籍を手にする人たちを集めることは、大きな価値になるのです。


また、箕輪氏は「本はウイスキーのようなものだ」とたとえます。現在は、ウイスキーを飲む人は少なくなっている。ハイボールなどにして飲みやすくすることで、より多くの人に届く。そうして広がったものが、著者や出版社に還元されていくのです。


【著書『怪獣人間の手懐け方』について】


「箕輪さんの活動に共感する書店員の方が増えている」(小早川)

「結局、差が付くのは人間対人間の部分」(箕輪氏)


「編集者」であることが武器であり、これからも自身が編集者であり続けるだろうと話す箕輪氏。YouTube、歌、格闘技など色々な分野で活躍する中で、反響、深さ、広さを総合的に考えたときに、自身が社会に最も影響を与えられる活動は、「本を出すこと」だと考えています。


そんな箕輪氏は、著者として5年ぶりに2冊の著書を発刊した経緯について、「自分のことを深掘りして言語化することができ、そのことによって自分自身を整えて次のステップにいけるような気分になった」と振り返ります。5年間に学んだことを時代に合わせてアップデートさせることで、「脱皮」ができた感覚だと言います。


『怪獣人間の手懐け方』には、人生を変える人とどう出会い、対峙するかについて書かれています。どんな仕事でも、根本にあるのは「人と人」の関係性であり、対人力を上げずにビジネスはうまくできません。


最近は、ChatGPTに代表される生成AIなどが普及しています。もちろん、そのノウハウを学ぶことは有効ですが、かつてのスマホのように、結局はコモディティ化していきます。多くの人の関心がそちらに集まっているからこそ、対人力を磨いていくことでレアな人間になれるのです。


箕輪氏が本書を通じて最も伝えたいことは、「人間を面白がること」の大切さです。人生を豊かにするため、ビジネスに必要なスキルとして学ぶだけではなく、人間の面白さに気づいてほしいと対談を締めくくりました。


  • 動画チャプター

・編集者としてのワークスタイル
・幻冬舎での立ち位置
・「怪獣人間」と仕事をする「怪獣人間」
・優秀な人材が選ぶキャリア
・スタートアップは「自分の世界観をつくる」場所
・「編集者」のバリュー
・「編集者」であり続ける理由
・編集者の仕事は「内部にある答えを掘り下げること」
・5年ぶりに本を書いて感じることは?
・「編集」=捨てる作業
・「編集者」であることが武器
・本は読むものではなくなった
・出版業界が持つ「数字で測れない」影響力
・著書『怪獣人間の手懐け方』について
・本を通じて伝えたいことは「人間のおもしろさ」


  • 登壇者プロフィール

箕輪厚介(みのわ・こうすけ)

幻冬舎 編集者

大学卒業後、双葉社に入社。「ネオヒルズ・ジャパン」を創刊し完売。『たった一人の熱狂』見城徹、『逆転の仕事論』堀江貴文などの編集を手がける。

幻冬舎に入社後は、新たな書籍レーベル「NewsPicks Book」を立ち上げ、編集長に就任。

『多動力』堀江貴文、『日本再興戦略』落合陽一、2019年一番売れているビジネス書、『メモの魔力』前田裕二など次々とベストセラーに。

自著『死ぬこと以外かすり傷』は14万部を突破。雑誌「サウナランド」は2021年のSaunner of the Yearを受賞。

2022年『死なばもろとも』ガーシーを出版。


小早川幸一郎(こばやかわ・こういちろう)
クロスメディアグループ(株)代表取締役
出版社でのビジネス書編集者を経て、2005年に(株)クロスメディア・パブリッシングを設立。以後、編集力を武器に「メディアを通じて人と企業の成長に寄与する事業を行い、社会に新しい価値を提供する」というビジョンのもと、クロスメディアグループ(株)を設立。出版事業、マーケティング支援事業、メディア事業、アクティブヘルス事業を展開中。

『怪獣人間の手懐け方』について

本書は、見城徹『たった一人の熱狂』、堀江貴文『多動力』、落合陽一『日本再興戦略』、前田裕二『メモの魔力』、ガーシー『死なばもろとも』などさまざまなジャンルでベストセラーを連発する編集者・箕輪厚介氏が、「人生を変える人とどう出会い、対峙し、仕事にするか」を語り尽くした待望の一冊です。

「怪獣人間」とは、狂ったように目的だけを見て、成果を上げていく人たちのこと。こうした人たちと出会い、対峙することで、仕事は、人生は、大きく変わります。


本書では、この「怪獣人間」との付き合い方について、著者の箕輪厚介氏が自身の体験を基に、さまざまな角度で斬り込みます。「怪獣人間との出会いが僕の人生を変えた」と語り、ひと癖もふた癖もある怪獣人間の思考、想い、生きざまを作品に昇華させてきた箕輪氏が「僕の編集論のすべて」と振り返る骨太の一冊です。


「怪獣人間」は、「人間くさいところ」を凝縮したような極端な存在ながら、そこに生まれる人間関係は、一般的なそれと大きくは変わりません。ページをめくるたびに登場する「アク強め」な事例や、著者が投げかける本質的な問いを通して、読者の方々に新しい景色を見せてくれるはずです。

8月28日(月)午前0時にウェブ書店での予約が始まった後、ぐんぐんと順位が上昇。Amazon.co.jpでは、28日から翌29日にかけて、書籍ランキングの総合1位をキープしました。また本書と同日発売の『かすり傷も痛かった』(後述)も2位にランクインし、箕輪厚介氏の著書2冊がAmazonランキング上で「ワンツーフィニッシュ」を飾りました。


この人気の沸騰を受けて、リアル書店からも注文が相次ぎ、当初に予定していた初版部数を大きく上回りました。そのため、発売前にもかかわらず計2回の重版を決定。すでに第3刷、2万5000部を突破するベストセラーになっています。


<書籍情報>
体裁:四六判/304ページ
発行:株式会社クロスメディア・パブリッシング(クロスメディアグループ株式会社)
定価:1,738円(本体1,580円+税)
ISBN:978-4-295-40879-6
発売日:2023年9月15日

◆関連URL

ビジネス書著者が登場する番組「ビジネス・ブック・アカデミー」について
ビジネス書の著者をゲストに招き、著書について深掘りしながら、クロスメディアグループ代表の小早川との対談形式で「いまビジネスパーソンに一番伝えたいこと」をお届けする番組。YouTubeとPodcastで配信中。
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