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#97 伊勢商人と東京

前回、前々回と
『伊勢講』『おかげ犬』
についてのお話をさせてもらいましたが

当時の人たちが
伊勢に行く人たちへの
気遣いや施行には
心温まるものがありますね。

最後の方に
伊勢街道にいた
『小津家』のお話を少しだけしました。

非常に神宮への信仰心が強いので
たくさんの人に
食べ物や宿、お風呂を大盤振る舞いしていたと
記録が残されています。

私と同じ姓なのに親族ではないことが
誠に残念です。

この小津家は
いわゆる豪商でして
伊勢商人の代表的な1人でもあります。

伊勢商人は安土桃山時代の16世紀後半から
江戸に進出しました。
都を今の東京に作るとなったのですから
各地から選りすぐりの商人を呼ぶ必要があったわけですな。

伊勢商人は江戸時代の
三大商人の一つとして数えられるくらい
有名で伊勢商人以外に
大坂商人
近江商人
などがありました。

この伊勢商人は
今の三重県でいうところの松阪市から
進出した商人が多くいました。

代表する伊勢商人として

  • 三井高利

  • 小津屋清左衛門

  • 国学者本居宣長

などの商人が江戸を盛り上げました。

前々回や前半の話で出た
『小津家』とは
小津屋清左衛門さんのことですね。

この伊勢商人はなかなかすごくてですね。

三井高利さんは江戸時代
『越後屋』という呉服屋を開業し
様々な商才を発揮しました。
それは三井財閥となり
現在は三井グループとして様々な事業を行っています。

店舗としては銀座にある
『三越』が『越後屋』から発展したものであり
『三井越後屋』から『三越』になったのです。



小津屋清左衛門さんは紙問屋を
行っておりました。
江戸時代では紙は何をするにも
必要なものですからね。

現在も日本橋で『小津和紙』という屋号で商売をしています。
小津和紙さんは『小津史資料館』という施設も
管理していただいているので
全国の小津さん
小津和紙さんの資料館に行けば
自分のルーツを遡れるかもしれませんよ笑


  • 国学者 本居宣長

本居宣長 みなさん聞いたことありますでしょうか?
多分、社会の歴史の時間に杉田玄白と一緒に覚えた人物だと思います。
この方も松阪出身の方で
何をしたかと言いますと、

江戸時代の国学者・文献学者・医師で
当時、既に解読不能に陥っていた
『古事記』の解読に成功し、
『古事記伝』という書物を著しました。

古事記のキーとなってくる
天照大神は伊勢神宮の神様ですからね
調査もしやすかったのかなと思います。

伊勢参りに関する資料は
本居宣長さんが結構書き残していたとも
言われており

まあ何を隠そう
本居宣長さんも元々姓は
『小津』だったそうで

多分
小津和紙さんと本居宣長さんが
当時の伊勢参りの資料をほとんど書き残していたのでは?
と思っております。


こう見ると
伊勢と江戸は結構
繋がりの深い関係だったのだと感じますよね。

案外、東京文化のルーツは
伊勢だったりするかもしれませんね。

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