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#93 江戸時代のウーバーイーツ

コロナもあって
東京でも『配達文化』が発展しましたね。

正直、伊勢では家族分の注文数で頼めば
意外と無料で配達してくれる店が多いので
東京に来て、配達してくれない店があることに
驚きましたね。

最近のウーバーイーツは
食品だけでなく
日用品なんかも買えますし
YouTuberの人たちは一歩も家から
出なくても暮らせるんじゃないかと
動画で話していました。

『ああ、便利な世の中になったなぁ』
と思いますが
実は一歩も家から出なくても
生活ができた時代があったんですよね。
それも大昔に

タイトルに書いた通り
実は江戸時代は
超デリバリー発展文化でした。

開国をして
外国人が江戸にいた頃
『一歩も家を出ずとも、食品も日用品も全部揃った…』
と驚いている日記が残っているそうです。

デリバリー
江戸でいうところの『出前』は
起源はまだ明らかになっていませんが、
一説には、吉原の遊女たちに料理を運んだのが
出前の発祥だと言われています。
吉原の遊女たちは特別な日以外、
遊郭から出ることを禁止されていましたからね。
そのため、出前が許された一部の高級遊女は、
蕎麦やうなぎを頼んでいたようです。

そこから桶を天秤で担ぎながら売る商人
『棒手振り』が生まれます。
庶民が都市で簡単に営むことができる商いであり、
販売許可証が必要だったのですが、
江戸だけで約5900人もいたそうです。
但し許可証には課税されたので、
無許可の闇営業も多かったみたいですな笑

当時、長屋では
親子三人が一か月一両あればひもじい思いをしないで暮らせました。
棒手振りでも一日四、五百文の稼ぎがありましたから、
一両を六千文として計算すると
約十〜十五日間働けばひと月分の生活費がまかなえることになります。

江戸研究科である杉浦日向子さんの
著書『1日江戸人』によると

1ヶ月の生活費(親子3人とする)
・家賃 400文 6,000円
・米代 1日8合として36kg 19,440円
(これは1日3食として、夫3杯、妻2杯、子供1杯と考えたとする)
・湯銭 1回3人20文(毎日入って) 9,000円
・光熱費 300文 4,500円
・おかず代 1日40文として 18,000円
(24文もあればマグロの切り身が大人3人で食べきれないほど買えた、小蛤が一升20文、納豆が丼に山盛りで8文だった。)
・床屋 1回24文4回行くとして 1,440円

支出計 58,380円
収入  80,000円
残りを交際費、雑費に回す

このように、
一食三杯、
おかずに特大切身を添え、
毎日銭湯へ入り、
週に一度は床屋へ行き、
少々の寝酒だって飲める、
なんとも羨ましい生活ができましたた。

親子三人でコウですから、
独身者なら、月に六、七日も働けばよいのですが、
実際は長屋の中で空きっ腹を抱えて
ゴロゴロしているナマケ者が多かったようです。

いや〜 江戸時代は楽しそうで羨ましい…

もっと江戸の庶民の暮らしについて
知りたい方は
少し紹介した江戸研究科である杉浦日向子さんの
『1日江戸人』をお正月に読む本の
候補にしてみてはいかがでしょう?


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