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No.23 権藤有作さん -島根県隠岐島前や世界一周への想い-

【はじめに】

学生団体CRENECTIONの吉田です。今回は、BackpackFESTA2023でDREAMプレゼンターとして登壇していた権藤有作さんに取材させて頂きました。

【話し手】
権藤有作さん
【聞き手】
吉田光香(学生団体CRENECTION)
城田空(学生団体CRENECTION)

権藤有作さんの自己紹介
・兵庫県宝塚市出身
・中学まで地元の中学校に在籍し、高校から島根県の海士町にある離島の隠岐島前高校に島留学
・現在は東京の大学に行っている
・2023年5月8日から世界一周に挑戦
・将来は隠岐島前に携わる予定


【活動のきっかけ】

 そもそも、小さな離島にある隠岐島前高校を選び進学した理由は、家族旅行で隠岐島前に何度か訪れ、高校の名前を知ったことがきっかけだった。さらに、権藤さんのお兄さんがインターンで島の民宿に住み込みのお手伝いに行った時の話を聞いたことで、権藤さん自身が「敷かれたレールに乗っかる人生は歩むのではなく、他の人とは異なる生き方をしてみたい」と決心し島留学という形で隠岐島前高校に入学した。
高校時代は、主に2つのことに取り組んだ。1つ目は、地域活動である。休日に島の漁師さんたちのお手伝いや農家さんのお手伝いなどを通して地域の人々と交流した。その過程で、島の人たちの温かさに触れていく機会が多くなり、だんだん島を好きになっていった。これが、権藤さんが隠岐島前を好きになったきっかけになる。2つ目は、高校の寮の寮長としての寮の運営である。寮生が日々快適に過ごすことができるように寮の生活ルールを考えていた。ある日、寮生の頼れるお兄さん的な存在であるハウスマスターさんと北海道に住んでいる寮の卒業生に会いに行った際に、世界一周してみないかという話があった。権藤さんのお兄さんが高校時代世界一周を経験したこともあり、権藤さん自身に使命感のようなものがあり、世界一周に挑戦することを決めた。その後、高校や中学の卒業生を誘って、ハウスマスターと北海道に住む卒業生の5人で世界一周することに決めた。権藤さんが世界一周を決めた理由には、隠岐島前を好きになり、そこで出会った人たちの存在があったからだった。

 私は、人と人との出会いが人生を大きく変えるきっかけになることを、取材を通して思い知らされました。いつどんな出会いが私たちの人生にどう影響するかなんて分かりません。一期一会の精神をもって、行動していくべきだと学ばせて頂きました。権藤さんとの出会いも、私の人生に影響をもたらした一つの出会いになりました。また、友人との何気ない会話やちょっとした行動を権藤さんのように大きな挑戦へと変換できる判断力に、私自身にはないものだったので感銘を受けると同時に私に足りないものを知るきっかけにもなりました。私からすると世界一周は限られた人にしかできないことだと思っていたので、権藤さんに取材をさせていただき夢は憧れで終わらせるのではなく、現実にしてこそ意味があるのだと考えました。


【島根県への想い】

 現状の隠岐島前について権藤さんは、

「少し前は若者が足りないことや財政難で、島の存続が危機的状況であった。しかし、町長が何年か前に役場の方々の給料をカットして、島の外から人集めようとした結果、存続には成功している」と話している。成功事例としては、高校生の島留学もその一つで、今では大人の島留学という制度も作られた。これによって島外からの若者は増加傾向にある。人口減少という問題は、隠岐島前だけでなく日本の各地で起こっていて日本の大きな社会問題になっています。少子高齢化による過疎化は進むばかりで、明確な解決策は未だ分かりません。私は、過疎化が進む隠岐島前に住み島を存続させようと第一線で頑張っている権藤さんにこの問題についてどう思っているのか率直な気持ちを聞きました。権藤さんは、「全国47都道府県を巡った際に、他の地域に比べて隠岐島前がとても恵まれていると感じた。隠岐島前では、役場の方々のやる気が他に比べて全く違い、自分が廻った他の地域では、住んでいる人が過疎化などをあまり問題視していないように感じた。一番大事なのは、住んでいる人たち当人が自分たちの町の問題を自覚することだと考えている。また、他の場所から来た人たちをよそ者扱いしないことも大切であり、田舎の良さに気付いてないことももったいない」
と答えていました。私は現場で活動されている方々の意見にこそ意味があり、これらはペーパー上では知ることのできない貴重な意見で、島への想いとしての重みを感じました。

 権藤さんがバックパックフェスタに参加したきっかけは、ハウスマスターさんや一緒に世界一周するチームの人たちからの助言であった。本来の目的は、島の現状や存在を多くの人に知ってもらうことだったが、権藤さんの人生の中でも良い経験になり、本来の目標は達成できて権藤さん自身としてはとても良いイベントになった。権藤さんは、バックパックフェスタでは、DREAMのプレゼンターとして参加した。プレゼンに向けて発表練習をする時は場所に困り、時には埼玉県の山奥で練習することもあったそうだ。


【今後の展望】

 今後の隠岐島前について権藤さんは、

「現在は、今の島の状態を存続させることを目標としている。リゾート地にしてただ人口を増やしたいのではなく、今の島に魅力を感じているため、今の状態を続けるために力になりたいという気持ちが強い」と話していた。権藤さんのような隠岐島前を好きで、島を通じて集まった5人が世界一周に挑戦するので、世界一周のコンセプトは島に還元できることを探す学びの旅にすることとなっている。ただただ観光名所を巡るのではなく、島に似た地域や世界の離島、田舎に行くことで、何に幸せを感じ日々生きているのかを学び、将来的に島の存続に繋げたいと考えている。

現在のまちづくりにおいて注目されているのは、DX(デジタル・トランスフォーメーション)を推進し、かつビックデータやAIなどの先進的なテクノロジー技術を活用したスマートシティ化です。いかに情報技術を活かして人々が快適で安心・安全な生活空間を形成できるかにフォーカスされている中、権藤さんのように今の町の魅力を継続させるという考え方は、私の中で革新的でした。まちづくりについて第一線の立場にいるからこそできる考え方で、私には思いつかない発想でした。今後、地域活性化やまちづくりについて考える際に価値観や存在意義を変えてもらえるきっかけになりました。

【最後に】

 最後に、バックパックフェスタへの参加や世界一周への挑戦など活発的に活動していくうえで、どのようにモチベーションを維持しているのか聞きました。権藤さんは、「基本的に利他主義で他人の幸せが自分の幸せに感じるので、人に尽くすことがモチベーションになっている。自分の好きな人や大切な人のために活動することが多くなっている」と答えていて、私はこれらの言葉に権藤さん自身の魅力が隠されていると感じました。現在に至るまで、様々な科学技術が発達してきたことでまちづくりに対する考え方は変化していったが、私はまちづくりの最終目標となるのはエンドユーザーとなる国民の皆さまが過ごしやすい生活空間を提供できることだと考えます。国民の立場に立って考えられることが大切で、私はまちづくりにとって一番大切な考え方である、人に尽くせるという点を権藤さんは持っていると感じました。

権藤さんへの取材を通して、私自身まちづくりや地域活性化についての考え方を改めるきっかけになりました。また、同じまちづくりに携わる立場として非常に刺激的な経験をさせて頂きました。権藤さんから学んだことをCRENECTIONの活動に活かし、今後も権藤さんのようなまちづくりや地域活性化に携わる若者をフューチャーして魅力を全力で発信し続けたいと考えています。

権藤さんが世界一周から帰ってきた際に、「自分の価値観などがどういった風に変わっているのかが自分自身楽しみになっている」と話していました。権藤さんを取材させて頂いた側の私も非常に楽しみでならないです。CRENECTIONと一緒に権藤有作さんの今後の活動にも注目して頂ければ幸いです。

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