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ブエノスアイレスの春、夏。

本日は公開練習でした。

ピアソラ作曲の、ブエノスアイレスの春、夏に取り組みました。

ブエノスアイレスの春で狂喜乱舞する

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クレモナとして初めて「ブエノスアイレスの四季」に取り組んだ第1曲目がこのブエノスアイレスの春だったのですが、冒頭からのフーガは取り組むたびに新しい発見があります。

一番最初に楽譜を見たときは、ピアソラの「Fugata」というわたしたちの持ち曲のようで、十六分音符の少なさから、フガータよりは簡易に演奏できるのではと思っていました。

しかし、取り組むにつれて、このパズルのような構造がしっかりとあてはまらないと、フーガが美しく成り立たないように感じました。しかもこの構造が見た目より複雑なんですね。

学び進めるにつれて、テンポはどんどん上がっていきます。ずっと明瞭で明確でありつづけるのは、非常に難しい。

アンサンブルというのはパズルを全員であてはめる作業であると思います。特にわたしたちのように、作りこんだ楽譜を演奏するなら尚更そうです。楽譜通りに演奏するのがいかに難しいか。ピアソラがクラシック音楽の作曲家だとわたしたちが考える理由はここにあります。彼が作った楽譜の構造、進行がとても綿密かつ大胆。計算されたアートが譜面上にあるからです。その上でさらにカデンツァの要素があるなんて…
クレモナはそこから自分たちの楽譜を生み出し、演奏するのですが、オリジナルの素晴らしさとわたしたちの技術を掛け算してさらに発展させていく作業はとても充実しています。そして、頭を使います。

ブエノスアイレスの春、はアンサンブルの原点を見つめ直す大切なレパートリーです。フーガの作りこみ、アゴーギグの取り方。一音に対する重軽を即座に判断すること。

シンプルでいて、複雑。その上でドライブ感をもってアクセルを踏んでいく。非常にスリリングですが、頭は常にクールに。
まるで自分たちが楽譜に踊らされているように錯覚することがありますが、それくらいエネルギーを持続させて演奏し続けないと、この曲を取り組んだとは言えない気がします。

ブエノスアイレスの夏の難しさ

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ブエノスアイレスの夏、に関していうと、やはり冒頭のフーガが難しい。クレモナはフーガをとても大切にしていますが、この八分休符から始まるフーガというのは難しすぎます。ぼんやりしていては演奏できない。タイム感が悪いと絶対に振り落とされる楽曲になっています。

ピアソラもこの楽曲はいくつかバージョンがありますが、クレモナはクラシック音楽をベースにアレンジしました。まさかこれが管楽器4人だけで演奏されているとは、誰も思えないのではないかと思います。

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CDアルバム制作中です

今このブエノスアイレスの四季をメインに取り組んだCDを作っています。音源は完成していますが、そのブックレットの中身を今作っています。今月中に入稿できれば…完成したらこちらでも販売したいと思っています。

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