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【クレモナ】が【ピアソラ】を選ぶ理由、ほか。


明日の本番(2021年1月3日・兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホール)で司会のお姉さんの質問に答える台本を作りました。普段は自分でしゃべくり全開のMCをするので、こう人に聞かれることに慣れていないわけです。そのため、前日準備として答える内容を作っておきました。でもこれって、多くの皆さんが思っていることだと思うし、わかりやすくていい感じなのでここに書き留めておきます。(明日の本番前のカンペにします。)

「ピアソラの作品を専門にされていると伺いましたが、そのきっかけ、また魅力を教えてください。」 

わたしたちはこれまでクラシック音楽を勉強してきて、バッハの時代から現代にいたるまで様々な楽譜を学んできました。 

ドビュッシーが「牧神の午後への前奏曲」で和声を崩壊させ、ストラヴィンスキーが「春の祭典」でリズムを崩壊させたことを学びました。
それ以降のクラシックの作曲家たちは、というと、どんどんと「音楽」という、聴衆がいてこそ成立する芸術分野から離れて、聴衆の側でなく、あくまでも自己表現の側で創作活動や表現を行うようになっていったように感じます。 

そんな中でわたしたちが出会った「ピアソラ」という作曲家は、旋律・和声・リズムという音楽に必要な、音楽を「聴いていただくために」必要な三要素をきちんと内包したまま、新しい時代の「クラシック音楽」を生み出そうとしているように感じました。

そうだ、やりたい音楽はこれだ。

と思った瞬間でした。 

ピアソラは、創作や演奏を通して自分も他人も見えていない、自分自身、人間の『孤独』をあくまでも冷静な目で見つめようとし、表現しようとしていたように思います。

しかもこれがまた人間臭くて温かい。

だからこうしてこのコロナの時代に改めて楽譜に触れ、演奏をすることで、わたしたちはピアソラの音楽的遺伝子を受け継ぐクラシック音楽の演奏家として、次の時代をもっとクリエイトしていきたいと強く思いました。 

「9月のワンコインコンサートに向けての意気込みを教えてください。」

 ピアソラ=リベルタンゴだと思っている方が大半だと思いますが、ピアソラの音楽の中でもリベルタンゴはどちらかというとピアソラらしくない部類に入るとわたしたちは考えています。もしかしたら本人の作曲じゃなかったのかもしれないって思うくらいです。

今年は生誕100周年の年。アニバーサリーイヤーです。200周年の時には、いや150周年の時にもわたしたちはこの場に全員揃うことはないかもしれません。だからこそ今年はたくさんピアソラの音楽を聴いていただきたいなと思います。

へえ、ピアソラってこんな作曲家なんだわ、と思っていただいたときに、わたしたち「クレモナ」の演奏を聴いていただくと、「なるほど、これが21世紀の若者が前進させようとしている音楽なのか」と思っていただけるのではないかと思うんですね。

 わたしたちについては、ぜひ各種SNSで「クレモナ・モダンタンゴ」で検索していただけましたらさいわいです。それぞれに「いいね!」なんかもらえたらとても励みになります。

先月に「リベルタンゴ」の新しいミュージックビデオをYouTubeにアップしました。

さっきみたら再生回数が928回くらいだったのですが、ここにいる温かい皆さんのおかげで明日には再生回数が1000回を超えているんじゃないかな、なんて期待をしています。

 そして何よりも、今日出演がかなわなかったソプラノサックスの上野、そしてわたくし久保田もピアノから本業のファゴットに持ち替えての四人での演奏を、この記念すべき年に、この大舞台で、皆様に聴いていただけることが何よりもの楽しみです。

あと8か月、全力で練習し、またここに戻ってくることをお約束しますので、皆さん全員とこの場所でまた再会できます事をお約束くださいね。

明日の本番はこんな感じ

20210103新春・顔見世(チラシ最終データ)-1

20210103新春・顔見世(チラシ最終データ)-2

#創作にドラマあり

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