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ピアソラ最後の期待の若手「パブロ・シーグレル」の言葉


「たくさんの若いピアニストが、どうしたらピアソラの音楽をうまく弾けるのかって聞いてくるけど、クラシックのキホンから練習するしかないんだよ」

ピアソラは色んな楽器編成に挑戦し、色んなミュージシャンとバンドを組んで、「ピアソラ」の楽曲に取り組んだが、最終的には『キンテート』というバンドネオン・ピアノ・ヴァイオリン・ウッドベース・エレキギターの五重奏に落ち着いた。

その一番成熟した、「ピアソラの音楽」が確立された最後のキンテートでのピアニストがこの「パブロ・シーグレル」という人で、実はまだ生きていて、なんならインスタとかも開設しちゃっている。(結構意欲的にIGTVとか上げてる)

シーグレルがインスタで投稿していたのがこの言葉である。

おそらくたくさんの若い演奏家が彼から「ピアソラ」を学ぼうとするのだろう。そりゃあそうだ。そのピアソラの隣でずっと演奏をして、ピアソラの言葉を聴いて、ピアソラのステージを一番肌で感じていた人なのだから!


しかし、彼はさすが最後のキンテートのピアニストである。ピアソラが如何にクラシック音楽をベースに、クラシック音楽から発展させて「モダン・タンゴ」を創っていたのかをその身をもって体験しているのである。


実際、いまだにピアソラのことを「タンゴの革命児」だとか「破壊者」という表現を使う人が大多数で、私たちクレモナはそれを見る度に嘆息するのだが、ピアソラにとってのタンゴはあくまでも手段でしかなかったのである。
新しい言葉をつくるときにそう表現せざるを得なかった、と言えばいいのか、もちろん自分の生い立ちはタンゴと共にあるのだが、それに革命を起こしたかったわけではない。それを破壊したかったわけではない。そう楽譜に書いてあるのに。ベートーヴェンを勉強したり、モーツァルトやリストを勉強したりするときは楽譜から読み取ろうとする演奏者や評論家たちは、ピアソラの楽譜をきちんと読み取ろうとしていない。


言い換えると、クラシックのキホンを応用すると、ピアソラの音楽の「らしさ」や「こう弾くべき」というのは答えが出せる。


わたしたちはあくまでもクラシックを学ぶ応用、実用として、ピアソラの音楽に向き合っているのである。



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