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鎌倉に行ってケバブを食べた話

高徳院のお膝元、陽気で明るいご主人が経営する「Kebab Kamakura」に来店しました。


今年、75歳を迎えるご主人が「Kebab Kamakura」を開いたのは10年前。前職の社長職を辞し、「好きなことをやる」というご主人の想いを叶えたかたちだ。

ケバブへのこだわり

ご主人のケバブにかける想いは熱い。ケバブはこだわりのフレッシュケバブ。毎朝、肉を仕入れ、スパイスで味付ける。
「肉を仕込むのは疲れる、日本人はやりたがらない。でも私はこれが好き。」
とご主人の一言。
唯一無二の味付けで、同じ味など、どこにもない。ご主人こだわりの逸品である。

ご主人のケバブへのこだわりは味付けだけにはとどまらない。提供一つとっても、ご主人の矜持が感じとれる。「ケバブはサラダじゃない」という想いから、お肉はたっぷり。
お肉をふんだんに提供することが「Kebab Kamakura」のコンセプトであり、魅力だとのこと。

「合わせる」

「Kebab Kamakura」でのインタビューの中で、ご主人の想いがひと際、伝わってくる場面があった。それは、ご主人がケバブ丼、ケバブ弁当、ケバブドックについて語ったときである。
「ケバブをただ提供するのは違う。それは文化の押し付けで、日本人には響かない。大切なのは日本に合わせること。」
この想いを受けて、ご主人はケバブ丼、ケバブ弁当を考案したらしい。

日本人の好きな米とケバブを合わせることで生まれた、ケバブ丼、ケバブ弁当は大当たり。実際に地元の方が、これらのご飯ものを求めて、日々買いにやってくるのだそうだ。

ケバブドックは300円。地元の子供たちが朝早くに買いに来るために、早々に売り切れてしまうとか。
「ケバブサンドは子供たちには少し多すぎるからね。」とご主人。
子供たちへの気遣いから生まれたケバブドックもまた、ご主人の「合わせる」という考え方をあらわしているように思われる。

紙幣に込められた想い

最後に、店内に張り巡らされた海外紙幣について伺った。

「チップは受け取らないの」というご主人。
詳しく伺ったところ、海外から来たお客様が店内の壁にチップを飾っていた結果、今の形になったとのことだ。

軽く眺めてみるだけでも面白い。マレーシア、ベトナム、インドネシア、中国といった様々な国の紙幣・貨幣が所狭しと並んでいる。一枚のメキシコ紙幣から始まった展覧会は、お客様から、どれだけ「Kebab Kamakura」が愛されているのかということを物語る。

多くの方に愛される「Kebab Kamakura」も、今はコロナの影響で、時短営業を強いられている。高徳院が門を閉じると、長谷の街から人手は遠のく。それに伴い、店じまい。コロナ以前は毎日営業していたお店も、今は月・火お休みに。

2021年3月に、「Kebab Kamakura」は10周年を迎える。ご主人の「ありがと~」という優しい声に、子供たちも「また来るね。ばいばい。」と元気に答える。そんな人との繋がりに溢れた「Kebab Kamakura」へ、ちょっと足を運んでみる休日はいかがだろうか。

*マスクを着用し、密を避けた状態で取材を行っております。


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