小説~否定に着地する二重否定~【1】
ビールは何色なのか?もちろん、わたしの視覚はビールのその色というものを認識しているし、おそらく金色または黄金色とわたしは言おうとしている。しかし、果たして本当にそうなのだろうか?世論調査なるものを取れば、おそらくわたしが宣言した色が首位の座に座るであろう。しかし、なにかピンとこない。右下の奥歯にはさまってしまったたこ焼きのタコ部分みたいに。正解がどうでもよさそうなこの問いを頭の中に浮遊させながら、わたしはホワイトベルグをのどに運んでいる。フルーティーな香りと缶には刻まれている