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葛藤から逃げる習慣が依存症をつくる

今日は、様々な依存症の根底にある課題。
葛藤する力について考えてみましょう。

これから私は依存症に関する記事も投稿していく予定なのですが、導入としてまず知っておいてもらいたいポイントとして、葛藤する力に関する知識はとても大切なんです。

私は独立前の5年8ヶ月の間、専属契約をしてお仕事させていただいていたカウンセリングオフィスにて、ギャンブル依存症をはじめとした様々な依存症のカウンセリングを数多く担当していました。
依存対象の問題行動を生活から切り離していくサポートを何百回としてきましたが、この葛藤の苦手さというのが、多くのご相談者様に共通する課題だったのです。

ストレスがあるところには葛藤があります。
現状に対して抗う何らか。現状への理解の反面、持っている本音。
そういった、体や心に生まれる摩擦。それが葛藤です。

私たちの生活のなかには、気温の変化のような身体的ストレスもあれば、ストレスと聞いて皆さんが真っ先に想像するような精神的ストレスもあります。
悩み、ストレス。これを解決するために私たちは、解決に繋がる葛藤をすることで折り合いの付け方を模索し、見つけ出した手段で対処をとることができるのです。

ですから、上手に葛藤する力が培われている人とそうでない人とでは、ストレスに影響を受ける度合いに違いがあります。
そしてそれは、ストレスを受けたときにとる行動にも差ができるということを意味します。


では、葛藤するスキルが身についている人たちはストレスをものともしないのか?というと、もちろんそういうわけではありません。
やっぱり、嫌なこと、つらいこと、耐えがたいことは人生に起こるものです。
ただ、不快な気分にはなっても、目の前に起きている問題に対して適切に向き合えるから、ストレスに私生活や精神状態を極端に崩されることは減ります。

ストレスと向き合うときには悩んだり考えたりといった葛藤が起きますが、依存症になりやすい人たちは、葛藤を抱え続けた状態で過ごすことが非常に苦手。そのため、解決に向けた本質的な対処をとらないまま、他の事へ逃避してしまうことが多いです。
そして、悩むこと、しっかり考え込むということが億劫なため、深く物事を考えるということをせずに表面上だけを取り繕い「なんとかなった」と終わらせてしまう傾向があります。

本来、葛藤を持ち続けられない彼らはストレスを感じやすいはずなのですが、そうやってストレスと向き合わずに葛藤から逃げることを習慣にしているうちに、自分自身のストレスへの自覚が乏しくなっていくのです。
カウンセリングに来た当初、「あまりストレスを感じないほうです。」「ストレス発散は上手な方だと思います。」と仰っていた方が、カウンセリングを続けて自己洞察を図っていくうちに自分の抱えているストレスの存在に気がついたという方がよくいらっしゃいます。


一時的な開放感を味わえる場所・モノへの逃避を繰り返すことで、本質的な対処をせず未解決のままのストレスをずっと抱えているので、さらに逃避を続けてないと居られないわけですね。
どういうことで気持ちを紛らわせているのかは、ひとりひとり異なると思います。パチンコであったり買い物であったりするかもしれません。
繰り返せば繰り返すほど、依存症へと進んでしまうリスクがあります。


面倒なことを見て見ぬフリをする一時的なアプローチが癖にならないように。
解決のために折り合いや手段を考える「葛藤する力」というのは、人生で本当に重要なのです。

ご自身または周囲の方に、今回の記事のような傾向があると気付かれている方は、今が現状について向き合うタイミングかもしれません。



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