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変化への対応 “経済学”として考える

ご所属や普段の活動等自己紹介
コロナ禍における取組紹介

地域デザイン科学部コミュニティデザイン学科の教員として、経済学を担当しています、塚本 純です。専門は、「マクロ経済学」、「経済政策論」です。副学長・地域創生推進機構長・センター長として、学内の一組織の責任者でもあります。

コロナ禍への対応については、全学の方針の下動いていて、一組織として直接判断することは少ないのですが、宇都宮大学の危機管理を目の当たりにする機会が多くあります。学長はじめ、執行部の方々、そこに参加するスタッフの方々の日々のご苦労はとても大きい様子で、本当に頭が下がります。組織的危機管理の難しさを、実感するこの頃です。



新型コロナウイルスの影響により大きく変わったこと

良くない変化

運動の量が減少していること。週に一度、一汗かきにスポーツクラブに行くのですが、マスクをしながらの有酸素運動は、さすがに息苦しく感じます

他には、“飲”はともかくとして、外での“食”が制限されていること。実家の様子を見るための帰郷ができなくなったこと
様々な形のコミュニケーション不足を、もどかしく感じています。ものごとを決めるためにはリモート会議で十分ですが、新たな発想を生み出すとりとめもない懇談の相手が限られてきていることは、今後影響が出てくるのではないかと危惧しています。

良い変化

料理を作る機会が増えたこと。オンライン授業の対応で、教材の開発・整理が進んだこと。これらは、アウトプットの向上ですが、アウトカムの向上に繋げたいと考えています。



宇都宮大学や地域デザインセンターと
一緒に取組んでみたいこと

一般的には、コロナ禍で、「医療活動の維持」と、「経済活動の活性化」は対置される概念として捉えられています。感染予防のための様々な自粛要請は、経済活動の停止を意味し、そこで働く人々の所得がなくなる点で自明のことかもしれません。
しかし、「経済”学”」は、限りある資源をどのように有効に利用していくかを解明する学問です。コロナと戦っていく「医療の現場」に、どれだけの人員とどれだけの資材を投入すべきなのか、それら投入のあり方を解決する基礎理論ともなり得るはずです。医療は専門性の高い分野で、すぐに医療従事者を養成するわけにも行きませんし、マスクのほか、本当に当たり前と思われるような備品の不足すら起きたようです。過去に起きた感染症の経験から、当初検査態勢も十分ではなかったとも伝えられてもいます。

試行錯誤のように見える状況変化の中で、まだまだ大変な状況下で半年が過ぎました。

片や、新型コロナの影響を受けた既存の産業において失業が発生し、新しい産業すなわち新しい雇用を生み出すことも必要です。これらへの対応は、瞬時に達成できることではなく、不断の変革の中から時間をかけて実現するものです。その結果も、不連続的に結実します。結果がすぐに出るとは限らないところに難しさがありますが、今こそ、社会全体が、変化への対応を強く求められていることは間違いがありません。

市場機構に大きく依存するようになった現在の日本経済において、個々の選択を尊重しながら、社会がシステムとして柔軟に変化していく姿について考えていきたいと思います。



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