貧困・格差の問題に取り組むために、絶対に変えないといけない2つのもの
これまでのnoteでも、貧困・格差については、少しだけ触れさせていただいてきました。
・すべての男の子の青春映画を観て、格差について考える
・自分の"常識"を変えていくことは、未来の社会を創り出すこと
この、貧困・格差という問題、何か1つの特効薬の様な解決策があるわけではありません。
ただ、絶対にこれだけは変えないと解決しないというものがあります。
それは、”政治”と”空気”です。
本日は、一冊の本をもとに、貧困・格差についての”政治”と”空気”をお話しできればと思います。
一日本人としての私のねがい(松下幸之助)
この本は、松下電器産業(現パナソニック)の創業者である、松下幸之助氏が世の中に対する思想を語ったものです。
時代は、いわゆる高度経済成長時代ですので、現在と違って「売上が上がらなくて倒産する」とは真逆で、売上は上がる一方、しかし「人手が足らなくて倒産する」という現象が起きている。
現在とは違う意味での混迷の時代にまとめられた本です。
しかし、そんな時代から現在も変わらぬ(それ以上に悪化している)、日本人の政治への無関心。松下幸之助は次のように述べています。
今日の国民は、政府を見ることむかしのお上を見るがごとき一面をもっているようで、政府に対して真の主権者としての要望をするというようなことがありません。
私も、誰に教えられたのでもないのですが、どうしても「政治は偉い人がやるもの。我々はそれに従うもの」という考えになってしまっています。
しかし、”国民主権”なのであって、我々1人ひとりが主権者なのですよね。
ただ、総務省のホームページによると、投票率は下がる一方です。
投票率が下がると、政治家は国民をないがしろにします。
だって、その国民が投票していないのであれば、親切にしても政治家に返ってくるものがないですからね。
かくいう私も選挙にだけは行ってますが、じゃあその投票した人が、何を主張してきたのか・そして当選したとしたらその後に何を成し遂げたのか。
そういったことに、全く無関心でした。
次からは、誰に投票するにしても、しっかりと自分の思いとあった人を選びたいものです。
一方で、政治に頼るだけでは、貧困・格差は解決しません。
というよりも、政治でもっと真剣に取り組ませるためにも、変えないといけないもの。それが、”空気”です。
実は、この本では貧困・格差としては、全く受け入れるべきではない思想が入っていることも、記しておかなければなりません。
生活保護などの、公的な支援について次のように述べられています。
なにもしなくても十分に給付されるというようになりますと、今度は、もう働かなくてもいいではないか、とくになにかあって大きな仕事をするとか、あるいは人一倍贅沢をしたいとかいうことであれば別であるけれども、普通に食べていくのであれば、あえて働かなくてもよいではないかということになるかもしれないと思うのです。
そこにはやはり福祉というものの限界があるのではないかという気がします。やはり人間は、健全で、健康であれば、そういうものの厄介にならずして、自分の働きをもって収入を得る努力をしなくてはならないし、またそうでなければ許されないと思うのです。
勿論、高度経済成長時代のことですので、今とは違った常識で動いています。しかし、この考え方は、松下幸之助が言っていたからではないでしょうが、未だに多くの日本人にとっては、共感ができる内容だと思います。
私もそうでした。今も、完全に否定できない自分がいます。
多くの日本人が、生活保護などの公的な支援に頼ることを、”恥”として生きているように思います。
勿論、一時期話題になった、不正受給などは”恥を知れ”と言いたくなりますが、決して生活保護などに頼ることは恥ではありません。
貧困・格差問題で言われる社会政策の考え方に、”救貧”と”防貧”という2つがあります。
”救貧”は、貧困に陥ってしまい、今日食べるのに苦しい人を救うこと。
一方の”防貧”は、何らかの事情で、このままでいくと貧困になってしまうかもという人を、事前に防ぐこと。
今の、生活保護は、救貧も救貧です。限界ギリギリまで行ってから、なんとか救おうとする。
しかし、1度落ちるところまで落ちてしまうと、そこから再度就職するとかって、大変なのは想像に難くないですよね。
そうではなく、そこに陥る前に防ぐ。
それで少し落ち着くことができたら、また復業して稼いで、しっかりと税金を納めてもらう。
そのために、必要となる支援をもっと厚くしていくべきではないでしょうか。
この、変えていかないといけない、”政治”と”空気”。
もしかしたら、新型コロナの影響で、一気に変化が加速するのではないでしょうか。
なぜなら、トップの政治家が国民を守ることに圧倒的に無関心であることが白日の下に晒されてしまったから。
そして、多くの国民が、”自分も貧困になるかも”という危機感を抱いたから。
最後に、京都大学大学院 藤井先生の力強い主張をお聞きして、まとめとしたいと思います。
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