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もう一度「山」を再生する為に生まれたブナの灯り「TANZAKU Lamp」

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かつて灯りや燃料として使われていた里山のブナ材が、現代に求められる癒しの灯りをともすスタイリッシュな充電式ランプになりました。

反りや縮みが出にくい最小単位としての「短冊状にカットしたブナ材」をデザインの起点とし、ストーリオ独自の曲げ技術で、使用シーンにより3つの形状に仕立てています。

今回はものづくりを通して里山再生に取り組む「TANZAKU Lamp」のストーリーをご紹介します。


株式会社ストーリオ代表の木村です。弊社は、15年前に私が家電メーカーから転身して立ち上げました。

当時はインターネットの普及と、多品種小ロット生産の技術が進んだ頃で、各々の家に合わせたオーダー家具がDIYできるキットを製造販売する事業からはじめました。

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ストーリオ代表:木村 和久


造作家具に比べると価格が抑えられるので人気を集めましたが、大手同業者が同様のサービスを始めると売上が減少してしまい、模倣可能な「仕組み」ではなく、真似出来ない「技術」の必要性を強く感じました。


オリジナルの強みを持つ。独自の技術確立に向けて

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独自の技術を確立しようと、どんな技術・アイテムに特化しようかと考えたときに、大型の椅子やテーブルは合板を曲げる成形技術の向上によって進化してきたのに対し、小型アイテムの曲げ技術はまだあまり進化していないと気が付きました。

曲げ加工機_6433

曲げわっぱは昔からありますが、例えば名刺入れのような日常的なアイテムにも応用する余地はある、と思ったのが商品開発に至ったきっかけです。

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そこから、雑貨サイズの物でも強度を保ったまま小さく曲げ加工出来る基礎研究と、産業化する機械設備の開発に取り組んできました。

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曲げた後は、一点づつ手で仕上げます


木材を探す中で出会った “スノービーチプロジェクト”

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雪国新潟、魚沼市大白川のブナ(ビーチ)を活かした付加価値の高い製品をつくり、里山の魅力を発信、地域の活性化につなげていこうというものです。

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昔は薪や木炭のためにブナの木を植えていましたが、今は電気・ガスを使用するようになったため、次第に需要は減っています。

私も近くの小千谷市生まれで山に恵まれて育った為、目に見えて山が荒れていくのを感じていたので、この取り組みに共感し、ぜひ山をもう一度再生する為にブナ材を活用したいなと。

ブナを選ぶ

新潟大学名誉教授 紙谷智彦博士(スノービーチプロジェクト代表)
百年後の里山の形態を考え、厳選されたブナ材

切り出されたブナは、スノービーチプロジェクトの仲間で分けあいます。

ブナを分け合う

スノービーチプロジェクトを通じ、自ら山に入って木の選定から関わることが出来たおかげで、品質の安定も実現することが出来ました。

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サスティナブルな灯りを

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昔は、囲炉裏で薪を燃やしてあかりをとっていたという背景があり、エネルギーの主軸が電気に変わった今でも、やっぱりそういうルーツは大事にしたい。そこにこそ、私たちが大白川のブナを使う意義があるかなと思っています。

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製品を使っていただくことが里山の保全へと無理なく繋がる循環を目指しています。

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TANZAKU Lampという商品名は、帯状のものという由来のほかに、短冊に願い事を書くという意味合いも込めています。

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ランプをはじめとし私たちの製品を通して、生まれ育った地域、そして森を100年、200年先も元気な状態にできるよう今後は他のインテリア商品にも挑戦していきたいと考えています。


柔らかい光を持ち運ぶ曲げ木のライト

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天然の無垢材を使い、手仕上げで制作しておりますので、木目や色、曲がり具合は一点づつ違います。

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・商品名:TANZAKU Lamp
・種類:ツイスト型・コの字型・アーチ型
・本体:ブナ材、LEDライト
・台座:金属、リチウムポリマー電池(USB充電式)
・LEDライト: 3段階調光可能
・操作方式:タッチスイッチ式

TANZAKU Lampは、今年度のJIDA(公益社団法人日本インダストリアルデザイナー協会)のデザインミュージアムセレクションVol.21の選定商品に選ばれました 。

※JIDAでは、工業製品を貴重な文化財と捉え、後世に伝えるべき歴史的、文化的意義ある製品を毎年選定し、企業とデザイナーに「JIDAセレクション」賞を授与する事業を行っています。

TANZAKU LampはMakuakeにて2020年3月10日まで先行発売を実施中。リターンのお届けは2020年4月末を予定しております。





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