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OEDO[3-9] 地球防衛隊「法案」

第3部の「反論のための反論」編もこの章で終わりになります。最後の最後に卑怯な最後っ屁をかまして終わることにいたします。とは言ってもそれは冒頭から張っていた伏線──というと難がありますね。周到に投じていた布石──も語弊があるかな。とにかく最初からお断りはしていた反論になります。

もし仮に「地球防衛隊」法案が可決され、自衛隊が改編されて世界中の地雷撤去や災害救助に取り組むようになり、国際的な評価を得たとしても、本当に国が守れるのかというと、100%の保証はできません。攻め込まれる確率は、武装するよりはかなり減るはずですが、その責任までは負えません。

しかし、だからこその「法案」なのです。地球防衛隊は「立案」するだけでも、その効力を発揮し始めるのです。内閣立法は無理でしょうから、どこか賛同いただけるところからの議員立法として、国会審議にかける。それだけでも世界は反応を示し始め、敵・味方含め、その出方を伺う事ができます。

好戦的で、血の気の多い改憲派は、どうもせっかちでいけません。何を語るにも近視的で短絡的なパースペクティブをしか持ち合わせていないようです。戦争についても「敵基地攻撃能力」などと短期的な戦略ばかりに夢中になって、戦争が2年3年と長期化し、泥沼化していく可能性は想像できないようです。

武力が拮抗していなくても、近年の戦争は長期化の傾向にあります。同様に、これだけ大きな法案となれば、その審議にも多くの時間を費やすことになります。ということは、日本が即座に丸はだかになって、非武装になることはないということです。逆に「ゆっくり暫時的に」と提案してきたくらいです。

岸田内閣の「43兆円の防衛費倍増案」や「安保3文書」も、発表と同時に「遺憾砲」の一斉射撃を周辺諸国から受けました。中国「非常に危険」「断固として反対」、ロシア「抑制のきかない軍事化」「決して正当化されず、容認できない」北朝鮮「抗議を実際の行動で示す」などなど──。

まったくどの口が言う──と眉を顰めたくなりますが、親日路線の尹大統領は「文句は言えない」と容認、一定の理解を示しました。バイデン大統領はもちろん大歓迎。「平和への貢献を歓迎する」「歴史的な一歩を踏み出した」と大絶賛。しかし国民からは米・韓どちらの国でも「反対」の声が上がっています。

単純すぎる構図です。自分たちは軍拡も軍事演習、ミサイル演習もやりたい放題で、こちらがちょっと軍拡の素振りを見せると、それを棚上げにして非難。一方の同盟国*は負担軽減や軍需産業上の利もあって肯定。まったく現金なヤツらです。ここらで地球防衛隊「法案」をぶちかましたくなりませんか。

(*日本に真の同盟国は存在しません。安全保障"条約"を結んだ準同盟国だけです。)

日本が平和へと大きく舵を切ったら、「お、おぅ」と口籠るだけでは済まされません。周囲の独裁者は、自らの理不尽な独裁に向かう国民の不満を外に逸らすことで、その地位をかろうじて維持しているのです。その矛先を失いながらも賛辞を贈らざるを得ないプーチン、近平、正恩を想像してみてください。

アメリカはもっと複雑です。正義のミカタを自認して、各地の紛争にちょっかいを出してきた「世界の警察」なんですから。日本が武装を捨てて真の平和国家を標榜しても「反対声明」など出せません。武器を売りつけられなくなって困り果てながらも、満面の笑顔で受け入れざるを得なくなります。

さらに日米安保と基地問題がどうなるのかは一層面白いところ。地球防衛隊「法案」に関わる大問題であるのに、敢えてここまで触れてこなかった話題です。相手があることですからね。向こうが出すべき答えです。というよりあちらさんがどういう出方をするか。これも楽しみではありませんか。

日本を守るフリをしながら、極東戦略の要衝として利用しているだけなのか。それとも真のトモダチとして身を挺して守ってくれるのか。識者の間でも意見の分かれるアメリカの真意を探ることができます。繰り返しますが「法案」ですから、ちょっと審議にかけてみるだけで良いのです。

「国会にかけるだけでも大金がかかるんだぞ!」と反対の声が聞こえてきそうですが、桜の下でもり蕎麦を食べるか、かけ蕎麦を食べるか──あれだけ無駄に浪費した時間を考えれば、こちらの方が建設的で有益でしょう。なんたって、各政府の出方が分かるだけでなく、世界中からの評価も爆上がりしますから。

国際世論やメディアは大絶賛。大物アーティストやセレブからも賛辞や支援が集まります。「TIME」マガジンも表紙から大々的に特集し、Prime Minister Fumio Kishida wants to abandon military power and make his country a true pacifist nation. と書いてくれます。

なんなら審議が通ったって、自衛隊を改編するのに期限はないのです。いきなり非武装にするのが恐ければ、10年、20年、100年がかりでゆっくり進めれば良いのです。様子を見ながら途中で辞めても良いですし、辞める理由も敵国のせいに出来ます。なんたって「法案」です。フリだけでも良いのです。

そうこうしているウチに、後追いする国も出てくるでしょう。カナダやオーストラリアあたりに追い越される可能性もあります。それでも良いのです。それでも地球防衛隊のオリジナリティーは日本にあります。彼らをスケープゴートにして、僕が主張してきた効果や効用、「本当に非武装は最強の国防足り得るのか?」という命題の確認まで出来ます。

卑怯なようですが、これは戦争です。この法案は立派な国家戦略なのです。正直今、日本の未来に明るい兆しはありません。いくらニュースを見ても、新聞に目を通しても、我が国に希望の抱ける要素は何もありません。皆さんもそうでしょう。社会、経済、生活、技術──何かありますか。

地球防衛隊なら、世界中の耳目を集め、日本のプレゼンスを高められます。各国が追随し、21世紀の世界全体まで変えられるかもしれません。そのためには「法案」だけでも良いのです。この僕のほんの小さなアイディアを、この拙論を、どうか皆さんのお力で、国会まで持っていって頂けませんか。

その最初の段階としてまずは書籍化。身の程知らずな夢ですが、この長文を単行本とは言わずとも、新書でも良いので刊行したい。本というカタチにすることで、定式化したいのです。

これまでも何度か触れた通り、自衛隊のサンダーバード化を思いつく方は一定数いらっしゃいました。僕オリジナルの発想ではありません。しかしあまりにも非現実的で幼稚な夢だとして、真剣に論議され、深堀りされることはなかったと思うのです。僕のこの法案だって、十分ではありません。

幸い「note」というプラットフォームはタイトル横の𝕏(旧twitter)ボタンで簡単にポストできる仕様になっています。章をお読みになるたびに拡散頂けると嬉しいですし、厳しいご批判を頂ければ拙論をブラッシュアップできます。そして出版関係、作家、学者さんのお知り合いがいらっしゃる方には、不躾ですが働きかけをお願いしたく存じます。

拙論がカタチになり、世に定式化されれば、9条改憲に対抗する護憲派の憑座として機能するはずです。防戦一方だった平和主義者の強力な盾となります。否、盾といわず、改憲派に切り込む武器ともなるはずです。指揮者のお知恵を借りて「法案化」されれば──。

国会発議に必要な議席数は50議席。バラバラな野党も、この法案なら結束を果たせるかもしれません。立民、共産、社民、れいわ、無所属の皆さんが力を合わせれば、日本の平和主義も復権できるはずです。なんなら公明も──本来なら平和がモットーの政党でしょう。一緒にこの戦いに参加しませんか。

もちろん一般の方も拡散、署名、投票などで参加できます。敬愛してやまない藤子・F・不二雄先生は「どっちも自分が正しいと思ってるよ。戦争なんてそんなもんだよ。」との言葉を遺していらっしゃいますが、この戦いだけは、地球防衛隊法案に正義があると信じて、疑うことができません。

※最後までお読み頂きありがとうございます。この「地球防衛隊」全体の構想は最初の投稿「OEDO[0-0]地球防衛隊法案──概論」にまとめています。それ以降の章は、この章も含めて、その詳細を小分けして説明する内容になっております。

第一部[1-1]〜[1-9]では「戦争観のアップデート」について。第二部[2-1]〜[2-9]では「地球防衛隊の活動と効用」について。第三部[3-1]〜[3-9]では「予想される反論への返答」について。第四部[4-1]〜[4-9]では「地球防衛隊に至る思想的背景」についてを綴って行く予定です。

敢えて辛辣に、挑発的に書いている箇所もありますが、真剣に日本の未来を危惧し、明るいものに変えたいとの願いで執筆に励んでいます。「スキ♡」「フォロー」や拡散のほど、お願いいたします。批判、反論のコメントも大歓迎です。

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