見出し画像

法人設立・届出ツール・どう使う?!

 法人を設立すると役所へ多くの申請や届出が必要になります。その申請や届出には同じような内容を記載したり、同じような添付書類が必要だったり煩わしいと思うこともしばしば。
今回は、そんな煩わしさを少しでも解決してくれるツールのお話です。


こんにちは。こんばんは。
公認会計士・税理士のキドトシアキです。
自分が経験したことや会計・税務・経営について、発信しています。
ちなみに前回は、会社のルール|定款の作成について紹介しました。
もしよかったら、こちらもどうぞ。

会社設立時の煩わしさ

 会社設立時に煩雑だと感じるのは、会社を設立した後の各種届出を作成・提出するときです。設立登記を行うまでは、公証人役場や法務局へ行けば手続きは終わりますが、設立後は、設立の申請・届出をするために3〜6箇所の役所を回る必要があります。また、届出には同じような内容を記載し、同じような書類を添付したり、不備があれば再提出を求められたりと煩わしいと思う点がいくつも出てきます。
そんなときにその煩わしさを少しでも解決してくれるツールが、デジタル庁が公表している法人設立ワンストップサービス(法人設立OSS)です。

法人設立ワンストップサービスってなに?

 法人設立ワンストップサービスは、デジタル庁が公開している法人設立の行政手続きを一括して行えるWebサービスです。会社設立に関する質問に回答すれば、必要な手続きをリストアップ、電子申請を行なってくれるサービスです。
 法人設立ワンストップサービスを利用するためには、マイナンバーカードとマイナンバーカードを読み取るスマホまたはICカードリーダーが必要になります。
 利用の流れは、各種手続きに関する質問への回答、リストアップされた申請・手続きを確認し、マイナンバーカードを利用してシステムログイン。申請・届出の手続きに必要な事項を入力、添付書類を添付し、電子申請を行うという感じです。

出典:法人設立ワンストップサービスHP (https://app.e-oss.myna.go.jp/Application/ecOssTop/)

39種類の手続きで利用可能

 法人設立ワンストップサービスで利用可能な手続きは39種類あります。ただ、手続きの中には、重複するものが含まれているので実際に申請する手続きは7〜27種類程度になります。
 多くの手続きをすることが可能なサービスですが、設立に必要な手続きを洗い出すために、会社設立に関する質問に回答する必要があります。質問の内容は、手続きについてわかるように書かれていますが、初見では難しいと感じるかもしれません。また、定款認証を含めて法人設立ワンストップサービスを利用する場合には、事前に公証人役場に定款認証の面談予約や定款認証日に法人設立ワンストップサービスの申請を行う必要があります。

設立登記のハードル<電子署名>

 法人設立ワンストップサービスについて、会社設立の経験がない方が利用するには、会社設立に関する質問に回答する以外にもう一つハードルがあります。それは、設立登記の申請に関する添付書類には電子署名が必要になる点です。
 電子署名は、紙面で申請書を作成するときの実印に代わるものです。電子申請する場合、添付書類のPDFへ電子署名することになるのですが、この電子署名をするためには、ICカードリーダーというものが必要です。もし、設立登記申請の手続きをするなら、ICカードリーダーは3,000円程度で購入できるので、この点、注意が必要です。

利用方法を考えてみた

 法人設立ワンストップサービスは、利用することができれば会社設立の手続きの煩わしさを軽減できる良いサービスと個人的には感じているところです。ただし、設立に関する質問への回答や電子署名のハードルがあるので、その点考慮に入れて、会社設立でのツールの利用方法を考えてみました。


■会社設立に関する質問へ回答ができる場合

▷ICカードリーダーで電子署名が可能

 まず、freee、MoneyForwardや弥生会計の会社設立サービスを利用して、定款作成します。定款認証までfreeeなどのサービスを利用して手続きを終わらせてから、法人設立ワンストップサービスを利用して、設立登記及び各種届出を作成・提出します。
 または、ご自身で定款を作成し、公証人役場へ定款の事前確認と面接予約を終わらせます。その後、法人設立ワンストップサービスを利用して、定款認証〜各種届出を作成提出します。

▷ICカードリーダーで電子署名が不可能

 まず、freee、MoneyForwardや弥生会計の会社設立サービスを利用して、定款作成します。会社設立までfreeeなどのサービスを利用して手続きを終わらせ、各種手続きを法人設立ワンストップサービスを利用、またはご自身で手続きを行います。
 または、すべての手続きをご自身または専門家へ依頼して行うパターンです。

■会社設立に関する質問へ回答ができない場合

すべての手続きを専門家へ依頼しましょう。


以上、法人設立ワンストップサービスについてのお話でした。

この記事が、皆さんのビジネスにとって、より良い方向に導くヒントになれば幸いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?