反面教師よりも重要なこと

「何を目標にすればよいのかわからない」
「なんとなくながらも頑張ってはいるんだけど結果が出せない」
そんな若い人がいるとしたら、私はどうしても伝えたい事があります。

若い時期には、自分が模範としたい生き方をしている人の存在が必要ではないかと強く思います。
特に、まだ若い人（具体的には３０代くらいまで）にとっては、

・「この人のようになりたい」と思える存在
・メンターの存在

などが、自分の実力を早く引き上げてくれる助けになるのではないかと思っています。
私の知る中で、実際に30代～40代のうちに成功している人の中には、上記の人の存在が大きかったと公言している人もいました。
若い人達にとって、反面教師ではなく、そういった人がなるべく早い時期に見つかる事を、切に願わずにいられません。

ところで、私には反面教師が少なくとも二人いました。
なお、私にはメンター等は居ませんでした。
反面教師の二人とは、父親と働いていた会社の人です。（どちらも故人）
二人とも私には全く理解できず、かつ尊敬は出来ない存在でした。
そして、部分的に尊敬する人はいますが、「この人のようになりたい」
とまで思える人には、今まで一度も会えていません。

父親は、全く意味不明な事で怒鳴り散らしたり、すぐに暴力を振るう人間でした。
昭和の親ならありふれた存在と思いますが、私はとても嫌でした。
そして、自分より弱いと思って喧嘩を売るくせに、相手が強気に出ると途端に弱気になってしまうタイプでした。
それを見るにつけて、情けない気持ちで一杯になった事を良く憶えています。
強いて良い点を挙げると、体調不良で仕事を休むことは有っても、定年までは（だましだましではあったが）勤め上げた事でしょうか。。。
私と弟は、中学生の頃には父よりも暴力で上回る事が可能だったので、父が暴力を振るいそうになると（良くない事は承知ではあったが）獣を躾けるように脅かしておとなしくさせるのが日常となってしまいました。

働いていた会社の人の中で最も反面教師だった人は、最終的には東証一部上場企業の役員まで上り詰めた人間でした。
その人がまだそれ程の地位ではなかった頃、私は事ある毎にその人から品の無い悪口を言われていました。
自分の年齢や地位に対して非常に小さい事ばかり言って、小学生みたいなイジメ方をしてくる、人としての器がとても小さい輩だと感じていました。
なぜそうなったかと心当たりを思うに、割と早い時期にその人の言った事に対して納得出来ず、反抗的な態度を一度見せたのが主要因だったのでしょうか。
彼は元々技術者であったはずなのに、技術者としての実績は全く無く、社内政治で地位を築き上げたとしか思えないのも、尊敬できない理由でした。
技術者としての実績が全く無いので、技術的な話をされても浅くてつまらなかった事も憶えています。
私は日を追う毎に彼を嫌いになっていき、いつしか顔を見るだけで気持ち悪くなるようになりました。

とはいえ、自分の人生です。
反面教師を見てそうならないようにしようと努力するだけでは、圧倒的に努力が不足している事に、随分経ってから思い知ることになりました。

時間を戻すことは当然出来ません。

なるべく早く自分の為に何をすべきか考える時間を少しでも作って、より良い人生を送れるようにいろいろな手段を講じて、自分の明るい未来を思い描きながら努力するべきなのです。

反面教師など、失敗した時にだけ活用すればよい存在です。
こんな簡単な事に気付けなかったのは痛恨の極みであると同時に、どうかこの私のような馬鹿な人間が一人でも減ってほしいです。
さらに、せっかくの能力を永年無駄遣いする事にもなりかねないので、社会的損失ですらあります。
能力は、少しでも多く社会に還元すべきであると思います。

頑張っている人がより良い未来を過ごせるようまっすぐに努力していけるよう、ちっぽけな存在ながら私は願わずにはいられません。