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「もう、死にたい」と思ったあの日の自分に言いたいこと②
①はこちら
※センシティブな内容を含みます。(希死念慮の強い方は閲覧をお控えください。)
バイトの時間が憂鬱で、バイトがない日も憂鬱で、Aのこと、そしてうまくやれない自分のことがただただ憎かった。
こいつを殺すか
私が死ぬか
諸事情からその時の私にニートに戻るという選択肢はなくてそんな2択が出てくるほどに追い詰められていた。どんどんと視野が狭くなっていったしその自覚すらもなかった。
有線のイヤホンを付けたまま寝た。
歩道橋から車道を見下ろした。
駅のホームのすれすれを歩いた。
ベランダから身を乗り出した。
このときはまだはっきりと「死にたい」と思っていたわけではなくて、なんとなく苦しみから逃れる妄想をすることで精神の平穏を保っていた。
空想の中で何百、何千回と自分のことを殺した。
苦しみから解放されたときのことを考えるのがただただ快感だったし、包み込まれるような安心感を覚えた。
そして死のうと思ったあの日ー。
その日はバイトの前日の夜だった。
度重なる嫌がらせと八つ当たりに疲弊しきっていた私は物事を深く考えることができなくなっていた。
今のバイト先が現代社会の縮図。
社会の大人たち誰もが私に危害を加えてきて、どう足掻いても私ごときが抜け出せるわけがない。
そう信じて疑わなかった。
だから死のうと思った。
そばに放ってあった延長コードが私に迫ってくるような錯覚に陥った。
期待と恐怖の狭間、ひどく動悸がした。
延長コードを手に取った。
涙が止まらなかった。
死にたいはずなのに涙が止まらなかった。
本当に死にたいなら両手を上げて喜んだって良いはずなのにー。
「本当にいいのか? 」
自問自答する。
死んで幽霊になってから「生きたかった。」って嘆いたって遅いんだぞ。
私の中の死にかけた理性にそう言われ、私はしばらく迷っていた。
1時間くらい葛藤していたと思う。
死ぬことはいつでもできる。
とりあえず今のバイトを辞めて新しいバイト先で働いてそれでダメだったら死のう。
そう結論づけ、翌日、店長に辞めることを伝えた。
快く承諾・・・、とはいかずなかなか辞めさせてもられず、その間もいろいろあったがなんとかそこを辞め、心機一転新しいバイト先で働きはじめた。
そしたらどうだろう。
それまでとはまったく違ったルールがあり、まるっきり違う人間がいる。
当然っちゃ当然なんだけれど、当時の私はその事実にとても驚いた。
新しいバイト先はみんな優しかった。
聞かなくても親切に教えてくれたし、困った時は助けてくれた。
以前のバイト先のAもここにはいないー。
もちろん苦手な人、嫌な人もいたけれどほとんどは良い人だったからそんなことは気にならなかった。
人間は精神的に参ってくると、全部自分が悪いと思い込む。
今の環境が全てだと錯覚する。
新しい環境へ行く勇気とエネルギー、それから自信を無くす。
何が辛いのか分からなくなる。
そして死ぬことしか考えられなくなる。
だから私は
死のうと思ったあの日の自分に言ってやりたい。
「今の環境が全てじゃない。だから逃げて良いんだよ。どこへ逃げたらいいかわからなかったら地の果てまでだって逃げればいい。」
そして誰にも認めてもらえなかった私の辛い気持ちを受け止めてやりたい。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
この話しを元に書いたショートショートです。
覗いていってもらえたら嬉しいな。
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