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本を読んでの2000字

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本を読んで2000字を書くという修行の痕跡
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2021年3月の記事一覧

舌の根も乾かぬうちにkindle本に手を出した話ー「私の息子が異世界転生したっぽい」を読んでくれー

舌の根も乾かぬうちにkindle本に手を出した話ー「私の息子が異世界転生したっぽい」を読んでくれー

この人がつぶやく本は面白い。あなたにとってそんな人はいないだろうか。
私は、いる。この人が面白いと言った本は、私にとって例外なく面白い。幾度もの実証例を経て、私には100%信頼している面白本アカウントがいる。

そんな彼が「名作」と言っていたのだ。しかもkindleで読めてかなりお安い金額だと。

なにっ?!! と食指が動いた。彼に名作と言わせる作品。しかも金額めっちゃ安い?!

1clickで買

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『キズにぬるシオ』実験7分の1ー小説の神様を読んで血を流すー

『キズにぬるシオ』実験7分の1ー小説の神様を読んで血を流すー

223ページ。
読んでいる最中に鼻の奥から液体が落ちる気配がした。思ったよりも粘度がなくティッシュが間に合わない。あ、やべっ! と思ったものの、本に直撃はしなかった。良かった。いや、赤い。鼻血?!ちょっとびっくりするも、読み進める手を止めたくなくて、雑にくしゃっとさせたティッシュを鼻に詰め込んだ。いま誰かに部屋に入ってこられたら…困る。頭の片隅でそう考えつつも目は文字を追っていた。困る気持ちよりも

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あくまでも私が泣いたものだから君や万人に刺さるとは限らないかも。

あくまでも私が泣いたものだから君や万人に刺さるとは限らないかも。

事の発端は友達からきた突然のラインだった。

「この映画を見たら必ず泣くってのある?映画でなくても小説や漫画も可!」

鼻で笑ってしまった。
正直にいう。反射的に思い浮かんだのは、必ず? なんで君に答えなきゃいけないのかな? だった。
彼とは普通の友達だった。誘われて休みが合えば遊びに出かけ飲んだり喋ったりするくらいの仲。親友とは呼べない普通の友達。嫌いではない。嫌いではないのにそんなことを思って

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《私の狂愛本》ストーリー・セラーを読んで叫んだ夜の話[ネタバレ有]

《私の狂愛本》ストーリー・セラーを読んで叫んだ夜の話[ネタバレ有]

ストーリー・セラー

これはとある本の名前です。皆さんは何を思いつきましたか?

「あのリボンのかかった表紙の本でしょ」っていうそこのあなた! ハグさせていただいていいですか。
「あの作品に出てくる作家と旦那、最高じゃない?」あら、あなた気が合いますね。こちらのお席を用意いたしましたのでちょっとお茶でもいかがですか。
わからないという方、是非1度調べてみてください。気になって読んでみたくなった?

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メモ:猫の秘密を知った日に読むー「猫をおくる」を読んでー

メモ:猫の秘密を知った日に読むー「猫をおくる」を読んでー

拝啓、猫さま

あなたは今幸せでしょうか。
うちの子で良かったですか。
妹が猫を飼うという決断をした時は、なんてことを!! 無理無理無理!!! と目くじらを立てたことを、改めて謝罪させてください。
一緒に暮らして十数年。あなたの可愛さにやられ、あなたのことを思い、姿が見えないと心配する。そんな幸せな日々を送れるとはあの時は夢にも思っていなかったのです。
動物が苦手だった私を変えてくれたのは紛れもな

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