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先生!勉強が好きになれない!!

 昨年01月26日から
小中学生への学習支援で得た知見を基に
色々書き始めて88回目です。

 学習支援の場では「勉強が好きになれない」から始まって、
「勉強なんて大嫌い!!」と言い切ってしまう生徒までが集まってきます。

 たいてい
「だって、勉強なんてしなくったって生きてける!」とか
「学校で習ってることって、生活に何の役にも立たない!」
「そもそもが、何やってるんだかわかんない」
「ゲームの方がずっと楽しい!」なんて言葉が出てきます。

「じゃあ、何で勉強があるの?」と聞くと、
「わかんない」
「いじめ!」
「考えたことない」となります。

 そこで、
先日学習会で「勉強はあまり好きじゃない」と話してくれた生徒に対し、
なんで勉強するのかの話をしたときの内容を、ご紹介しましょう。

 小学校と中学校の勉強で何をしているのかというと、
人間が今まで得て来た「知識」を復習しているんです。
 そうして「知識」を自分の中に取り込み、
生きてゆくうえで役立つ「知恵」を見つけるために「勉強」があります。
 けれど、
学校では「国語・数学・理科・社会・英語」と言ったように、
「知識」をいろいろな面から学んでいます。

 言ってみれば、「知識」を色々な面から切り取り、
バラバラな教科にしているので、
ますます面白くないと思います。

 そして、学習上は「知識」が断片として見えているから余計です。

 例えば、皆さんは太陽の光をプリズムを通して見たことはありませんか?
どんな色が見えましたか?
光は見えません。
だけど、理科の実験で「プリズム」を通すと
いろいろな色が見えてきますね。
これは光という自然現象を取り扱う自然科学の分野ですね。

 モノの色が見えるというのは、
モノの表面で、その色が強く反射して目に入ってくるからです。
 同じように、ある色だけを強く反射する材料を紙に描くと、
色のついた絵が描けます。これは図画の学習ですね。

 更に、色には性格と形があります。
と言っても、多くの人に聞いたところ、共通している感覚があり、
それを、色の性格とか形と考えているんです。
これは「色彩心理学」という、心の科学です。

 ここで紹介したように「色彩」を材料にしても
多くの学問分野の「知識」に渡っており、
その一つ一つは独立した「学問」ですが
「色彩」全体を知るためには
一度、バラバラになっている「学問」を勉強した上で
自分の中で、もう一度組み合わせなおす必要があり、
そこで初めて「色彩の知恵」が理解できるようになります。
 つまり、「勉強」をもう少し頑張ると、
自分のものの見方という「知恵」が手に入るということで、
特に「義務教育」では
「勉強の仕方」や「モノの見方・考え方」という
「学習」に必要な態度のようなものを含めて
「基礎教育」を受けています。

 でも学校の先生は、
こうした、「どうして勉強をするのか?」とか
「なぜ、こんなことを習わなければいけないのか?」とか
「勉強をすると、どうなるのか?」
なんてことを話してくれないでしょう。

 だから、
「授業を聞いていると解らない」
「解らないから、つまらない」
「つまらないから、眠くなる」
「寝ちゃうと、もっと解らなくなる」
「そのうち、何が解らないのかが、解らなくなってしまう」
「ああ!勉強なんてつまらない」
「つまらないから、嫌いだ!」
となってしまいます。

 そこで提案です。
好きな事は何ですか?
その好きな事を、しっかりと自分のものとして開花させてみませんか。
 そのために、
焦らず、自分のペースで一つ一つ学んでいきましょうよ。

子どもたちの学習に関与している方々へ

 大半の生徒は、
自分がなぜ「勉強」しなければいけないのか理解していません。
そして、「勉強が嫌い」と言い出した生徒は、
疑問を持ちつつ、解決点が見当たらない場合が多いようです。
 そこで、「学習「を通して「知恵」を手に入れている皆さんの出番です。
学校「学習」で得た「知識」を応用し「知恵」を熟成させることの意義や
面白さ・楽しさを伝えてあげてください。

 少しややこしくて、面倒かもしれませんが
根気よく、丁寧に、生徒の疑問に対応してあげてください。
但し、答えは一つではないので、ご注意くださいネ。

 皆さんが、
善き手本として、また善き話し相手として
近くで寄り添ってくださることを願っております。

30.NOV.2022.ARAI