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先生!言葉が出ない!!


 昨年01月26日から
小中学生への学習支援で得た知見を基に
色々書き始めて84回目です。

 私立高校では、来年度の推薦入試が始まる時期です。
推薦入試では、出身中学からの推薦状や内申書と共に、
作文や面接が実施されているようですが、
さて、その場で自分を紹介する言葉が出てこない生徒が、
目につくようになってきました。

 生徒を取り巻く言語環境は、痛々しいほど悪化しています。
新聞を取る家庭が減っており、自宅に書籍が無い場合もあります。
生徒が必ず文字に触れる機会の教科書は学校に置きっぱなし、
ニュースに触れるのはネット、興味はゲームとなると、
文字に触れる機会がどんどん少なくなってきています。

 こうした状況の中で、
文字で何かを表現することに不慣れになりつつあります。
 そのため、
文章や会話の中身をどうすればいいのかが考え得られなくなり、
結果として、
自分の言葉を失う現象として表出しているようです。

 見ようによっては、国語力の衰退でしょうが、
それ以上に、考える力やまとめる力といった、
全学習を通して得られる知識力と応用力の問題とも言えそうです。

 それが、
受験の場で作文なり面接での口頭試問なりで、
自分を表現できない生徒を作ってしまっているようで、
普段の学習支援への警鐘にも思えている日々です。

子どもたちの学習に関与している方々へ

 子どもたちは自分たちを取り囲む社会の動きには敏感です。
その場で使われる言葉や表現は
意味や用法の理解なしに取り込みがちです。
 もちろん言語活動は日々変化しますが
問題は、それ以前の「何をどう考え、表現するか」
という原理や原則を誰も教えてくれないことのようです。

 「言霊」と、その効果をよくご存じなのは、
生徒に一番近い存在としての皆さんです。
 少しややこしくて、面倒かもしれませんが
根気よく、丁寧に、生徒に対応してあげてください。

皆さんが、
善き手本として、また善き話し相手として
近くで寄り添ってくださることを願っております。

02.NOV.2022.ARAI