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読書『フロイト「精神分析入門」』

【大学の課題】
 読書リストから選び読んで感想文を書け。1000文字以下。

女性は何かが欠如している、という感覚は私にも根付いているように思う。フロイトはその何かが『陰茎』であると唱えた。
確かに乳房が成長してない幼児期には、男にはある、女には「ない」というように思える。それが欠如と刻み込まれるというのは納得する。
私の心の中にも「男になりたい」という思いは強くある。それは、 LGBTQ+ 的な話ではなく、女性として生きていくことが辛く、男性であることをうらやましく思う気持ちが強くあるからだ。
この男性のほうが優位である、という思いは、家庭内での母親の立場が低いことと陰茎の欠如が結び付けられて考えられてしまうからではないか。
また、この機会にこの本を選んだ理由として「フロイトは父娘の近親姦を認めなかった」と知ったからだったのだが、本書でもフロイトは「父親に誘惑されたことがあると語るがこれは事実ではない」と述べて いる。そして、この訴えは父親に対する典型的なエディプスコンプレックスの症状だという。
けれど、その後の近親姦研究の論文などによるとフロイトは位の高い男性がそんなことをするわけがない、と蓋をしたようだ。そのためにエディプスコンプレックスを利用したのではないか。
今よりも男尊女卑が酷かったころなら尚更だったのだろう。しかし、今の日本でも強姦被害者に対し「妄想では?誘ってたのでは?」と加害者を擁護する判決が出ることは少なくない。これは現代社会でもフロイトの影響が色濃く残り、フロイトと同じように思い込みたい 人が多いのだということの表れだろう。
こういった事実こそが、女性は欠如していると思わされることにつながるのではないか。「陰茎」の有無による去勢コンプレックスは、男女間の中に優劣があるところから来るのだと考える。 (736文字)

(徒然)
高校の図書館にあった『父-娘-近親姦―「家族」の闇を照らす-』というジュディス・L-ハーマンの学術書がとても面白かったんです。もともとレイプ事件などで罪が軽すぎるということに憤りを感じており、なんでそんなにも男性に甘いんだろうな??と怒ってたんでこれを読むことで、なるほど、改めて地獄だな?となりました。ぜひ読んで見てほしいです。難しいし長いけれど、実に勉強になる1冊です。
久しぶりに読みたいなぁ……。

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