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強みアセスメント「VIA-IS」のご紹介 ー開発背景と受検方法までー

こんにちは。紀藤です。本記事にお越しいただき、ありがとうございます。さて、この記事では強みのアセスメントで代表的な『VIA-IS』のご紹介をいたします。
多くの強みに関する研究論文で用いられており、科学的な妥当性も証明されている強みのアセスメントです。日本ではストレングス・ファインダーが有名ですが、この『VIA』は無料で受検が可能です。

以下、本アセスメントの特徴、受検方法などをお伝えします。


VIAとは何か

正式名称は『VIA-IS(Value in Action Inventory of Strength)』
2004年、ペンシルバニア大学の、セリグマンとピーターソンの2名の研究者を中心とした合計55名の著名な科学者により開発された「性格的な強み」の分類のことです。

VIAの開発は「人間が持つ強みや美徳は何か?」という問いに対して、以下のステップで調査し、作成されました。

  1. 中国、南アジア、西洋の哲学的、宗教的、心理学的なさまざまな文献を調査した(キリストの聖書や孔子の著作など)

  2. それぞれの著書から人の「善となる価値観(美徳)」とされていることをリストアップした

  3. その共通点を分析し、「性格的な強み(Character Strength)」として分類した

とのこと。強みのアセスメントは複数ありますが、研究によりその信頼性が証明されています。

VIAの強み分類

では、具体的にどのようなものなのでしょうか。VIAでは、「6つの美徳」とそれに紐づく「24の特性(=性格的強み)」が分類されています。以下、紹介します。

【知恵と知識(Wisdom)の美徳】
・創造性(Creativity)
・好奇心(Curiosity)
・知的柔軟性(Judgement / Critical Thinking)
・向学心(Love of Learning)
・大局観(Perspective)

【勇気(Courage)の美徳】
・勇敢さ(Bravery)
・忍耐力(Perseverance)
・誠実さ(Honesty)
・熱意(Zest)

【人間性(Humanity)の美徳】
・愛情(Love)
・親切心(Kindness)
・社会的知性(Social Intelligence)

【正義(Justice)の美徳】
・チームワーク(Teamwork)
・公平さ(Fairness)
・リーダーシップ(Leadership)

【節度(Temperance)の美徳】
・寛容さ(Forgiveness)
・慎み深さ(Humility)
・思慮深さ(Prudence)
・自律心(Self-Regulation)

【超越性(Transcendence)の美徳】
・審美眼(Appreciation of Beauty & Excellence)
・感謝(Gratitude)
・希望(Hope)
・ユーモア(Humor)
・スピリチュアリティ(Spirituality)

VIAの信頼性

さて、このVIAですが、研究者によって作成されたものですので、心理尺度としてどの程度信頼があるのか?についても調査がされています。いくつかご紹介します。

  • クロンバックのアルファ推定値は.75から.90の範囲であった
    (信頼性を有している)

  • 世界190カ国500万人以上に人に利用され、科学的に信頼できる心理テストとして信頼性と妥当性がある、と評されている

とのこと。また

  • 54の国や日米比較のデータから文化的、民族的、宗教的、経済的な差異にもかかわらず、自己評価で高いものと低いものの特性が共通している(Shimai et al., 2006)

  • 他者に対する特性(感謝、希望、愛情など)が高いと、人生満足度と高い相関を示す

など、VIAを用いた各種研究データもあり、強みのアセスメントの中では高い信頼性を持っていると言えます。


VIAの受検方法

次に、VIAの受検方法についてご説明いたします。

以下サイトにログインいただき、名前とメールアドレスを入力の上、言語で「日本語」を選択すれば、テストも診断結果も日本語で受け取ることができます。質問数は240問。所要時間は約30分となっています。
ちなみに、受検費は「無料」です。

テスト結果のイメージ

またテスト結果は、このようなレポートが表示されます。
スコアが高い順に並びますが、グラデーションのように「自分らしいもの」から「自分らしくないもの」へと推移をしていきます。
そして上位3~7つをシグニチャー・ストレングスと呼び、その人の象徴的な強みとみなすそうです。


私の例です

以上、VIAの概要、受検方法についてお伝えしました。
自分のことを知る上で、こうしたアセスメントも役に立ちますので、気になる方は是非試していただくと、新しい発見があるかと思います。

また、組織や家族などで受けても、それぞれの違いがわかって、お互いの理解や尊重が生まれるかと思います。よろしければぜひ。

VIAのより詳しい研究の背景、強みの定義の仕方の論拠、各性格的な強みの説明などは、以下論文から詳細を確認することができます。
今日の内容は、本論文を短くまとめてみました。

『性格的な強みと美徳:ハンドブックと分類』
Peterson, Christopher, Martin E. P. Seligman, and Fox Leadership Professor of Psychology Martin E P Seligman. (2004). Character Strengths and Virtues: A Handbook and Classification. American Psychological Association.

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