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コラボレーションプラットフォーム"march on"を立ち上げました


 noteではご無沙汰しております。タキハラです。
 気が付けば1年も投稿が無いまま月日が経ってしまいました。
 この1年、(皆さんもきっとそうでしょうが...)色々なことがありました。

 個人的にはこのnoteでも公開しているような工場見学を色々なところでさせて頂き、製造業についてもっともっと知見を深めようとしていたのですが、このパンデミックによってそれも中々難しい状況となってしまいました。

 ぼくが活動拠点とする大田区も、大企業やメーカーからの下請け工場が多いため、昨年は特に自動車や航空機の減産の影響を大きく受け、稼働時間の短縮や廃業を余儀なくされる会社さんが多くあったとのことです。

 しかしながら、このCOVID-19の状況下で再認識させられたポジティブな点の一つは、アートやプロダクトといった、ものづくり(クリエイティビティ)がぼくたちの生活を支え、豊かにしていることだと思います。


 大田区の企業でも前向きに製品開発を行うことにより、社会貢献や新たな活路を見出だそうとする例が多く見られました。

 しかしながら、「人手不足」と常に叫ばれてきている工場が、0から着想し、図面を引き、製作し、テストし、試行錯誤し、品質のチェックをし、展示会にも出て、販路を得て、販売し、顧客対応する... などなど。

 それらを一挙に行うことができる工場というのは、皆ポテンシャルがあるにしろ、稀有な存在だと思います。

 そこで、デザイナーさんやマーケティングの専門家と協働して、町工場単独でできないところをコラボレーションによって行おうとする流れが製造業界全体で盛り上がってきていると思います。

 ぼくも何かできないだろうかと思い、実際に"Punch Hole Project"という鈑金アクセサリーを現代美術作家の田添かおりさんとの協働で開発し、継続的にポップアップストアでの販売を行って頂いています。
(このお話についてはまた後日...)

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ものづくりのスムーズなコラボレーションを目指すWEBメディア"march on"

 ぼくは幸運にもこの1年間でPunch Hole Projectのように、クリエイターの方とのコラボレーションにいくつか携わる機会を得ることができました。
 工場のことに関しても、アートやデザイン、電子工作といったクリエイティブのことに関しても、じぶんはまだまだ経験も知識も浅いことは自覚しています。しかしながら、こういった近いようで遠い、似ているようで違う、けれども、お互い手を携えていけたら無限の可能性を持っている広域の「ものづくり」のことを、(良くも悪くも中途半端に)両方の知見を持ってる者としてできる限り橋渡ししていきたいと思いました。

 そこで考えたのがものづくりのコラボレーションプラットフォームWEBメディア"march on"です。


march onとは?

 ページでも書いていることを再度書かせて頂きますと、

 "march on"(マーチオン)は、クリエイターと工場が円滑なコミュニケーションに基づいたコラボレーションを行うための有益な情報を提供するメディアプラットフォームです。
 "march on"という言葉には、「仲間とものをつくり続ける」という意味を込めました。色んな人と協力し合ってものをつくることを「行進=パレード」という明るく楽しいものとして発信し続けたいと思います。

 「工場に何か製作を頼みたい」「クリエイターと何か商品開発をしたい」という願望はあるものの、コミュニケーションに苦労したり、費用感や出会い方が分からなかったりする経験は無いですか?
march onでは、異業種のプレイヤーとものづくりを協働する「コラボレーション」のプロセスを分かりやすく発信します。
march onは工場の集積地、東京都大田区を拠点に、多くのコラボレーションプロジェクトの立ち上げやサポートに携わってきました。
 その経験や知見を、「何か新しいもの づくりに挑戦したい」皆様へ共有したいと考え、march onを立ち上げました。

 要するに、まだまだ少ないですが、ぼくたちのコラボレーションに携わってきた経験をオープンリソースとして、ものづくりに携わる人へ(これから携わろうと思っている人、なにかをつくりたい!と思う人、大歓迎です)、このWEBメディアから情報提供をしていきたいと思っております。

 既に多くの先進的な町工場さんは自社のHPで発注をしたいと思っている方へ意欲的に加工技術や加工事例などを情報提供してくれていたりもします。
 しかしながら、工場についてまだ知識や経験の浅い方にとっては「ステンレス 鉄 違い」や「切削加工」、「鏡面仕上げ 研磨」など、具体的な検索ワードを定義してインターネットの海の中から適切な情報をサルベージすることはとても難易度の高いことだと思います。
 何かのワードで検索してみたとしても、「○○製作所」「△△鉄工」「□□工業」などの検索結果の羅列を目の当たりにするだけで、足がすくむような感覚に陥るのではないかと思いさえします。

 march onではまずそのような「製造情報の大海への飛び込み方」を示してあげられるようなキュレーションメディアを目指していきたいと思います。


march onではどんなコンテンツを発信するのか?

 それでは、具体的にどんな情報コンテンツを発信していくかといいますと、

・コラボレーション事例記事
・クリエイター/工場とどんなコミュニケーションの取り方があるか。
 (フレームワーク)
・工場や製造方法についての基礎知識

実際に世に出ているプロダクトや作品を「コラボレーション事例」として、その製作(制作)過程を当事者の方々にインタビューをしていくことで、読者の方々が今後自分でコラボレーションを進める上での具体的な参考としてもらいたいというのが一つ。
 また二つ目が、それらの事例たちの中から共通して見えてくるようなコミュニケーションやプロトタイピングの方法を「フレームワーク」として抽象化し、イラストなどを交えてわかりやすくプロセスごとにコンテンツ化します。
 最後に、先程も触れたように、様々工場や製造・加工方法についての発信をされている方は既にいらっしゃいます。これについてはmarch onが持っている以上の知識と経験を基に発信されているものばかりだと思いますので、ぼくたちはクリエイターや工場ビギナーの立場に立って情報への誘導を行っていけたらなと思っています。

これらの情報コンテンツを自分たちのものづくりのヒントとして活かしてもらえれば、日本のものづくり全体をボトムアップすることができると信じています。

 また、デザイナーやアーティストといったクリエイターの方にはそのアイデアを具現化する工場を紹介し、異業種の方々とのコミュニケーションの取り方などに困っている工場の方々には私たちがプロジェクトに伴走したり、相性の良さそうなクリエイターをマッチングします。

 これは私たちのビジョンなのですが、目指すところは日本の製造業やクリエイティブへの寄与です。町工場の跡取りとして、今大きな「ものづくり」のポジティブな流れを生み出すことができないかと模索しています。
 「工場とクリエイターとのコラボレーション」とうたっていますが、これはある意味「クリエイター」という部分は「工場と何か生み出したい大手メーカー」であっても「大学」成立するのではないかと思います。
 クリエイティブを志向する上で、ものを現実のカタチにするための現場感覚を養うことというのは、大切なアイデアを「机上の空論」にしないためにも重要なのではないでしょうか。

 まだまだサイトも立ち上げたばかりなのと、コロナ状況下のため思うような動きが取れず、コンテンツも無い状態での公開ですが、まだまだヒヨコな"march on"を応援して頂けると幸いです!!!


"FABRICATE"というシリーズイベントについて

 最後に、FabCafe Tokyoさんとの共同企画についても御紹介させて下さい!

 「工場のことをもっと知りたい!」「クリエイターのことをもっと知りたい!」両者の立場の違いを乗り越えて、良いコラボレーションを行うためにはどうしたら良いかを考え発信し続けるイベントを2回行わせて頂きました!
 march onで行っている(行いたい)活動を更に色々な方と共有するため、理念に共感して頂いたFabCafeさんと今後も活動を継続していきます。
 イベントレポートも公開されていますので、是非是非ご覧くださいませ!

 FABRICATEについてはまた改めて御紹介したいと思います!

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Kay Takihara (タキハラ ケイ)
拙稿を笑覧頂き御礼申し上げます。 何かありましたら → tkay0917@gmail.com まで宜しくお願い致します。 皆様からサポート頂きましたお気持ちやお金は、見学先の工場さんへの手土産に換わります。