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パニック障害の“心”のしくみ

職業柄、様々な方の気持ちや考えていることをじっくりと聴かせていただくことが多いのですが、そうすると色々なことが見えてきます。

うつには、うつ病の方の共通点。
パニック障害には、パニック障害の方の共通点。
摂食障害には、摂食障害の方の共通点。

今回はそんなカウンセラー視点からのお話です。
お付き合いいただけると嬉しいです。


◆パニック障害の方に多い傾向や共通点

ドリップコーヒー

・人に迷惑をかけることを恐れている
・人におかしい人と思われたり嫌われたりするのが怖い
・人当たりが良く表面的にはコミュニケーション上手
・本当は面倒くさがり屋さん
・寂しがり屋
・素直で優しい
・感受性が豊か (イメージ力が優れている)

うつを併発していると また少し変わってきてしまう部分もあるのですが、パニック障害の方には以上のような傾向があります。

そしてこの中でも
・人に迷惑をかけることを恐れている
【人に迷惑をかける=相手におかしい人・迷惑な人だと思われて嫌われてしまう】
これがパニック障害の方の、一番の心の特徴かもしれません。


迷惑をかけて周りから嫌われてしまうと、疎外感を感じてしまいます。
疎外感を感じると孤独感を感じてしまいます。
孤独感を感じると、一人になってしまうのではないかという不安が出てきてしまうのです。


◆パニック発作時の“心”のしくみ

子供の頃から人に悪く思われないように、嫌われないように振る舞うことが習慣付いている方が多いため、人当たりもよく受け答えなどもしっかりしている、表面的にコミュニケーションが上手な方が多いです。
ですが、よくよくお話を伺うと「人付き合いは得意じゃない」「気を遣いすぎて疲れる」という方がとても多いのです。

ということは人間関係においての、「本当はこうしたい自分」と「こうしなきゃいけない自分」の差異が大きく開いているということです。



もし自分が電車で気分が悪くなり倒れてしまったら
「うわぁ、あの人倒れてる」
「電車止まっちゃったよ、急いでいるのに迷惑だな~。」
と思われてしまうのではないか、というように

“周りの人達にそう思われるのではないか” “おかしい人だと思われたり迷惑をかけてしまうのではないか”という恐怖感が、特定のシチュエーションで極端な緊張を生んでしまうのです。

ちょっとイメージしてみて下さい。

・もし電車が新幹線のように全て前向きの座席だったら?
・もし一番後ろの車両に自分一人しか乗っていなかったら?
・もし電車が自分一人で貸し切りだったら?

電車に乗るハードルが少し下がる、もしくは「それなら乗れるかも」という気がしませんか?

自分と一緒にいる家族、恋人、友人、近所の人、職場の人、お店の人、街中の人。
【人目=迷惑をかけてしまうかもしれない相手】だという価値観は、「ここでパニックを起こしたらどうしよう」という不安を作り出してしまうのです。


この “人に迷惑をかけてはいけない”  という固まってしまった信念や価値観を少しづつほぐしていく事は、パニック障害の改善において大切な要素の一つです。自分の身体の真ん中にズドーン!と立ってしまった大きなこの柱を、少しづつ壊していく。
人に迷惑をかけてしまった自分を許すことが、必ずこの信念や価値観を少しづつ変化させてくれます。

有名な言葉ですが、インドにはこんな教えがあります。
『あなたは人に迷惑をかけて生きてるのだから、人のことも許してあげなさい』

生きるって人に迷惑をかけていくこと。だからこそ人の迷惑に寛容になろう、ということですね。日本人の心には刺さる素敵な教えです。

陽のあたるカフェ

その一方で、優しくて気遣いができる、人当たりが良い方が多いことが特徴でもあります。
優しくて細かいところに気付きやすいですが、時にその気遣いで自分自身が疲れてしまうこともあります。
寂しい・不安だから人と一緒に居たい気持ちと、一人になって気楽になりたい気持ちが共存しているような状態が近いのかもしれません。
皆さんはいかがでしょうか?


最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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