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世界に先駆けて「音のXR」を実現!「西新宿5G Sounding Cityプロジェクト」とは?

 2022年11月、西新宿で開催された「スマートシティフェスタ2022」で、最先端の通信技術やXR技術の体験展示会が行われました。この記事では、世界に先駆けて「音のXR」を実現し、新たなビジネスチャンスを創出する株式会社cotonの「西新宿5G Sounding Cityプロジェクト」をご紹介します。

「音」で快適な空間を創り出す soundtope

 視覚に関するデザインは広く行われていますが、空間の「音」をデザインする視点はあまり見当たりません。宣伝ソングを大音量で流すトレーラーや、氾濫するBGMに取り囲まれ、わたしたちの耳は気づかないうちに疲弊しています。鼓膜は小さな筋肉なので、聴覚が酷使されると筋疲労が溜まっていくのです。

 宣伝効果を狙ったり、良かれと思ってBGMを流すことが、お客様のストレス源となり、マイナスの効果を与える可能性があります。

 逆に、不自然な静寂も人間にとってはストレス。エアコンの音だけが空虚に響く会議室では、コミュニケーションや積極的な発言が抑制されてしまう懸念があります。物音を立てることが憚られる静かな場所で、知らず緊張していた経験は、誰にもあるのではないでしょうか。

 このように、空間の音、とりわけ公共空間の音が、人の活力やエンゲージメントに与える影響は小さくありません。しかし、お客様にとって最適な音量はどのくらいか、どんな音が店舗のイメージとマッチするかを、現場に即して対応できる「音のデザイナー」はこれまで存在していませんでした。

 そこで、cotonは時と場合に応じ、空間の音を自動でデザインしてくれるシステムを開発しました。それがsoundtope(サウンドトープ)です。

 soundtopeは天気や人数、騒音など、人の心理に影響するさまざまなパラメータを検出し、それに基づいて、自然音や、控えめな楽器音をリアルタイムに組み合わせた音響効果を発揮します。

 たとえば、飲食店では周囲のお客様の喋り声が気になりづらくなる「マスキング効果」を狙って有線放送を流すのが一般的ですが、soundtopeなら喋り声の大きさ、その日の天候などを加味し、最適にデザインされた音を、その時々に応じて流すことができるのです。ゆったりと滞留してほしいショップ、回転率が求められるフードコートなど、商業的ニーズに応じてデザインされた音を提供可能です。

 そのアルゴリズムは、一流のサウンドアーティストの感性と高度な音楽理論・音響理論に基づいており、アート作品としての魅力と強度を持ったサウンドが、自動で生成され続けます。

 例えるなら、バーでお客様の様子を見ながら、即興で演奏するジャズピアニスト。あるいはリクエストに応じた歌を奏でる吟遊詩人。デザインされた音の効用と、美しい音楽の心地よさが共に得られる、かつてない音体験となります。

 アートとテクノロジーの力で、街に集う人と人、街と人の心地よい関係を作り出す、それが西新宿5G Sounding Projectです。

街中で手軽にXR体験 Sounding Building


 スマホのカメラで西新宿に立ち並ぶビルを映すと、即座にビルの名前が表示され、まるでビルが歌い出したかのように音楽が流れ出します。カメラを隣のビルに向ければ音楽も変わり、ぐるりと周りを見渡せばオーケストラのような大合奏が始まります。これが、西新宿5G Sounding Projectのために新しく開発されたSounding Buildingです。

 Sounding Buildingの最大の特徴は、Webアプリとして実装されていること。ダウンロードやインストールの煩雑な手続きはいらず、QRコードを読み取るだけで瞬時に動作させることができます。お客様に新しい体験を提供する際、ストアからアプリをダウンロード、インストール、会員登録…といった手間をかけさせることは大きな参入障壁となります。Sounding Buildingはお年寄りからお子様まで簡単に、その場で、すぐに体験いただくことができます。

 今回は西新宿を舞台とし、ビルを認識させる形をとっていますが、GPSと方位を組み合わせたオブジェクト検出の手法は、観光名所、街中案内など、さまざまなシチュエーションに対応が可能です。

 景勝地においては、ポスターやのぼりを多用することで景観を損ねてしまう課題が想定されます。Sounding Builidingを応用すれば、QRコード1つで場所や物の情報を伝えることが可能です。

 次はSounding Castle、あるいはSounding Mountain?課題やアイディアをお持ちの方は、ぜひcotonまでご連絡ください。

Sounding Buildingを実際にご体験いただけます
(西新宿の街中で、スマートフォンからアクセスしてください)

ポスターやサイネージを過去にする「音」の掲示 Sound Garden



 Sound Gardenは全く新しい「音」の掲示物です。あらかじめ空間座標上に「音」を配置。ユーザーはイヤフォンを装着し、QRコードからWebアプリを起動して歩けば、まるで見えないスピーカーが設置してあるかのように、指定のポイントから音が聞こえてきます。もちろん、ユーザーの向きに応じて音の向きも変わるため、360度、音に取り囲まれた3D音響が体験できます。

 スマートシティフェスタでは、西新宿の公園を舞台とした音のアート作品を体験展示いたしました。新宿中央公園は海の景色となり、公園奥の鯨のオブジェからは鯨の歌が聞こえてきます。見慣れた西新宿の景色が全く違うものに見えるという、今回の展示の中で最もファンタジックな表現となっていますが、その最大の強みは、視覚的なリソースを消費せずに情報を提示できる点にあります。

 現代社会は視覚による情報伝達が優位になりすぎ、ありとあらゆる場所に文字や色が氾濫しています。人の手が入っていないことが望ましい自然の景観も、ポスターやサイネージに侵犯されつつあるようです。冒頭、わたしたちはデザインされていない音に晒されて消耗しているーーと書きましたが、視覚においても同様の事態が起きており、もはや街の中で、情報が掲示されていない場所を探す方が困難になりつつあります。cotonは、未来社会をデザインする上で、視覚だけに頼らず、聴覚を適切に活用すべきと考えています。

 さらにSound Gardenは、絵や図など、視覚では伝達が困難な内容も伝えられます。たとえばターミナル駅の位置案内。二次元の地図で表示することがほとんど困難なほど、入り組んでいます。Sound Gardenであれば、QRコードひとつで、行きたい方向を音でナビゲートすることが可能です。

言葉でなくメロディや音によるナビゲートは、言語を超えたグローバルな活用も期待されます。

Sound Gardenを実際にご体験いただけます
(西新宿の街中で、スマートフォンからアクセスしてください)

聴覚は5G社会で活用できる、大きなリソース


 近年、ポッドキャストや音楽ストリーミング配信の隆盛に伴い、音声ビジネスに注目が集まっています。有名人を起用したラジオ番組や、著名コンテンツのオーディオブック化などが着目されがちですが、コンテンツ重視の従来の音声ビジネスとは一線を画し、音とテクノロジー、そしてアートを掛け合わせ、これまでの社会になかった「音の新しい活用法」を見出すこと。来たる5G情報社会において、聴覚という未活用の大きなリソースを適切に使えるようにすること。

それが私たち、株式会社cotonのミッションです。

(お問い合わせはこちら

株式会社coton 会社概要
https://coton.tech/

会社名:株式会社coton(カブシキガイシャコトン)
所在地:東京都港区六本木5丁目17番6-201号
設立:2019年7月1日
役員:代表取締役 松尾謙二郎
資本金:400万円
事業内容:
音とテクノロジーに関するソリューションの提供
音・音楽の活用に関する調査・開発
新しいニーズに応じた技術開発・サービスの提供

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