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「かわいい」の根拠とは。

海外に住む息子は、土曜日に日本語補修校に通っている。

ある日、中1の課題として「美術鑑賞文」の宿題がでた。

「好きな絵を1枚選んで、その絵から感じたことを、その根拠も踏まえて400字〜800字でまとめなさい」

彼は困った。「自分の感情の根拠って何?

彼が通っているフランス系の学校では、この種の課題は「美術」の授業範囲で、徹底した美術史と、作家のバイオグラフィー、時代背景とを絡めて学んだ上で、構図の解説などを行い、「Critical writing」としてレポート提出のなるはずだ。

事実に基づいて、自分の意見を構築していけばよい。客観的な情報なので、説得力もある。10歳くらいから、各教科毎レポート提出があるので、慣れれば(やる気の問題は別として)筆は止まらずに書ける。

なのに、今回は「感じたこと」。感情は主観的なもので、そこに客観性はないから、どうやって論を展開していいかわからない

ということで、混乱したらしい。…確かに。
こっちでは、あまりそういうフリーライティングはないからなぁ。。。

はじめは言語の特性かと思ったのだけど、指導要領をみたらこの学習の目的は「語彙を増やして、表現を豊かにする」ことや「簡潔に述べる」ことらしく…まさに、というか当然ながら「国語」の学習なわけで、まったく見当違いな指導をするところだった…。

つまり、「子犬のかわいらしさを言葉で表現する」というような課題でした。しかも「かわいいと感じる根拠を述べろ」と。「かわいい」に万人共通の根拠はないだろ!って話なんですが、それは置いておいて。

超主観的な話なのに、客観を装って論じようとするから歪むし、

日本語は形容詞が少ない
ので、文章表現力をつけるのはとても大変なんだけど、そこの学習は自己責任ですっとばすんだよなぁ。。。とか、

そもそも担任は学習目標を理解した上で課題をだしたんだろうか、

とか、色々疑問な出来事でありました。おわり。

***

さて、以下のサイトにのっているPDFが大変有益だったのでご紹介。「感想文」「鑑賞文」「批判文」についてもここで理解。批判文から習うほうが、楽に文章力あがるだろうな、とちょっと思ったりする。教科書ってよくできてるんだけど、使いこなすのは大変そう。


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