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でもあなた、自分の生き方を信じているんでしょう?

2024年8月22日、Yahoo!エキスパートニュースをさらにひとつ公開しました。

怒りを鎮める話しかけ<その2>:相談員のひと言「あなた、やってるじゃない」でネガからポジへ転換

渾身の内容です。というのも、あたしの実体験だからです。Yahoo!の記事をお読みいただければ、相談員との電話の会話で、やる気を注入されたストーリーがおわかりいただけます。ただし記事では、諸般の理由から、内容には踏み込めませんでした。

そこでこのブログでは、実際にどんな会話であったのか再現してみましょう。電話をしたのは政府の援助で運営している「マイノリティの困りごと相談」のような24時間ダイヤルです。電話にでた相談員はー

「いかがされました?」

私は事情を説明しました。私は1日の半分の時間でパートして、半日は執筆業を続けたい。そこで1日数時間のパートを探しています。しかし、未経験とスキルの無さ、最大の理由はトランスジェンダーであるためうまくいきません。求職活動を国の機関の仕事でも郵便局でも市の仕事でも、もちろん民間でも(接客業は絶対にムリ)していますが、書類選考で落ち、面接で落ち続けて、なんて世の中は冷たい、おかしいのかと話しました。

説明員はときおり「そうですか」「そうなんですか」といったフレーズを入れて聞き役に徹してくれました。私は心の底に溜まっている怒りのマグマをすくっては語り、すくっては語りました。そのうちに私のマグマは減り、冷えていきました。

「よくわかりました」

相談員の声は低いトーンで思いやりが感じられました。その低音のボイスでも冷やされたのだと思います。相談員はトランスジェンダーさんでした。落ち着いてくると、自分が吐き出した怒りと悩みが恥ずかしくなってきました。そこで、自分が生きづらさを抱えたカンレキからのトランスジェンダーであり、執筆業でもトランスのせいで仕事を減らしたいきさつを話しました。すると相談員は言いました。

「あなた説明が上手いわ」

相談員は相槌を打つだけでなく、「褒めことば」も入れてきました。ますます落ち着いてきた私は、自分が悪いんだけどと、自分の非を認めていったのです。すると相談員が言いました。

「でもあなた、自分の生き方を信じているんでしょう?」

私は見えない相談相手に強くうなずき、私は間違ってはいない、ただフィットしないだけですと答えました。これで問題は明確になりました。問題とは「社会にフィットするにはどうすればいいのか?」でした。

このあと、相談員から他のトランスジェンダーの就業先例をひとつふたつ提案がありました。仕事探し先でも地元の情報誌の紹介もありました。さらに私の地元の千葉でもホルモン療法をするクリニックがあるといいます。私はわざわざ東京を横断して通院しています。一緒に解決策を決める〝連帯〟が生まれてきました。相談員は明るい声でこう言いました。

「あなたはもうやっているじゃない。それをもっとやればいいのよ」

と、エールを送ってくれたのです。怒りと嘆きでネガティブに満たされていた私は、その瞬間、「やってみよう」とポジティブに変われたのです。

以上、このような対話があったのです。このままでは負けてしまう。勝ちたいのです。Yahoo!の記事をいっぱい書いているのもそのひとつの挑戦。明日もアップします。

この旧弊で窮屈な社会で、トランスジェンダーが生きやすくなるための動画配信の構想もあります。書きたいことがあるのです。「話しかけで社会を生きやすくする」本も出したい。たくさんやりたいんです。もっとやりたいのです。やらしてほしいのです。


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