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ぶっつけ本番の育児を解決するには?

私たちは子育てに関する課題を考えると言いながら、子育ての課題を一言で表現することができず、いろんな事象を使って課題は説明できるのですが、みんなが課題と認識するにはちょっとズレる感じがしていました。子育てをしている環境、家庭、家族、子どもなどでも異なるため、個々の事象を取り上げていくときりがなく、多くの人たちを巻き込んで考える社会課題になりづらくなる感じです。

いろいろ自分たちで考えを整理した結果、現在の出産、育児に関する課題を一言で言うと、「ぶっつけ本番」が全ての課題だと考えています。またそれは重圧の中で行われていることも課題だと考えています。

女性も男性も同時に親になり、出産後、突然育児がスタートしますと、はじめの出産で妊娠中にこれを聞いてもその意味が理解できません。これから起こることが想像できないし、周りの人たちはみんなできているように見えるし、自分もできるだろうと言う気持ちがあるから、ダイレクトにこれから起こる現実を想像することができないのです。

実際は、出産後に直面する現実とその時の課題はなんとかみんなクリアしているだけで、その大変さを外部に発信していないから、情報がないだけだと思います。この産後の大変さは女性の視点から「ふたりは同時に親になる」(狩野さやか著)と言う本に書かれているので、現実を知りたい方はぜひ読んで頂きたいところです。その時の対応を間違うとどんな結末が待っているかを知りたい男性にも読んで頂きたいです。

ふたり同時に親になると言うことは、育児経験がない夫婦が親になると言うことです。育児は、本能的に女性だから母性で育児ができるようになるものではなく、何らかの方法で知識やスキルを身につけながら、育児ができるようになるものであると言うことを知らない人が多いのです。これは京都大学の総長、山際先生、ゴリラの研究で有名な先生が動物園のサルで、周りのサルが子育てをしているのを見たことがないサルが出産した後、うまく子育てができない事例で紹介されていました。それはヒトも同じことが言えます。現代の日本では、自分が核家族の家庭に育ち、周りで子育てをしている人たちの様子をほとんど見ることなく、我が子が始めてと言うケースが多くなっているため、動物園のサルの子育てと同じ状況になっています。

現実だけを解説していても課題は解決しないので、どうすれば解決できるのかを考えていくため、1つ例を挙げながら解決方法を考えていきたいと思います。

「大人になったから車、運転できるでしょ」と言って、「さあ車あるから運転して!事故なく、ぶつけることなく、安全に運転してね」と言われたらどうしますか?

車を運転するために、教習所へ通い、敷地内で車の動かし方を学び、仮免許を取得した後、公道で教官を乗せて車の運転を練習した後に、交通ルールを学び、試験に合格したら免許がもらえます。免許を取得したからと言って、最初の頃、公道を一人で運転した時、すごく緊張しませんでしたか?それと同じようなことが子育てで起きています。

だから、子育てを始めるために、教習所で知識や必要最低限のスキルを学び、赤ちゃんが生まれたら、最初は(優しい、頼りになる)教官に教えてもらいながら、育児のスキルを習得しつつ、だんだん慣れてきたところで自分たちでもできるような仕組みが必要だと思います。

今でも知識やスキルのところは両親学級や母親学級で学ぶことができるようになっていますが、教えてもらいながら育児を始めると言うところが実は今なかったりするので、この仕組みを考えていく必要があると考えています。晩婚、高齢出産、核家族であるため、親も高齢化しているため、実母から育児を学ぶことが難しくなっているため、本当にわずかな予備知識だけで育児がスタートし、ぶっつけ本番になっています。

これを解決するスペシャリストは、「助産師」だと考えています。
しかし多くの妊婦は助産師の存在、シゴトや係り方を知らないため、産後すぐに助産師と関わって、ぶっつけ本番の育児を助産師に教えてもらいながら始めると言う発想がありません。

このあたりのことを今後掘り下げて考えていきたいと思います。


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