「神社がデザインした『 御朱印 』への箔押し加工」
コスモテックの青木です。
今回は神社で使用する 『 御朱印 』 の箔押し加工をお手伝いさせていただきました。 広島県因島最古の神社であり、耳の神様( 耳明神社 )・自転車の神様( 自転車神社 )としても有名な大山神社さまから直接コスモテックへご相談いただき、『 御朱印 』 への箔押し加工を実現することができました。
最初にお問い合わせをいただいた時から、大山神社さまの 『 御朱印 』 に対する並々ならぬ熱意を感じることができ、感激いたしました。
今回の箔押し 『 御朱印 』 は、スタートからゴールまで大山神社さまとコスモテックが一体となって形づくったと言っても過言ではないほど、細やかなやりとりを経て生み出されております。
◉ 紙の準備とデザイン
『 御朱印 』 で使用している和紙は大山神社さまが準備し・ご支給くださったものに箔押し加工しています。ご支給いただいた和紙と箔押しの相性に関しては、本番加工前に校正(テスト)をして入念に検証しています。
和紙と箔の相性をコスモテックの現場で検証
そして、気になる 『 御朱印 』 のデザインについて。
「 大山神社の 『 御朱印 』 の意味をデザインに託すのは、大山神社がしなければ! 」 との熱い思いから、なんとデザインは大山神社さまご自身が手がけていらっしゃいます!
これは 『 御朱印 』 を集めていらっしゃる方には、とてもうれしいことなのではないでしょうか。
大山神社 デザインによる 『 御朱印 』
図案はシアンとマゼンタの2色で表現
アートディレクターやデザイナーにご依頼するわけでもなく、神社そのものが思いを伝えたいという気持ちからデザインするという姿勢には驚きと感動をおぼえ、より一層 「 箔押しでより良い形に落とし込みたい! 」 という思いが僕の中にも湧いてきました。
◉ 2色の箔押しでみせるデザイン
デザインデータ上、シアンとマゼンタの2色で表されているように、今回制作する大山神社の箔押し 『 御朱印 』 は2色の箔押し加工によるデザインです。 神社に関するモチーフがデザインに落とし込まれているため親しみがわき、馴染みやすいようなデザインが素敵です。
一つ一つのモチーフやテクスチャーの意味や、六角形に関することなど、作り手である大山神社さまの思いが分かると 『 御朱印 』 そのものの見え方も変わってくるような気がしました。
デザインが完成し、大山神社さまよりデザインを拝見した際、自転車・耳のモチーフなどを発見した時は特にびっくりしました。 『 御朱印 』 の中のテクスチャーの一部として成り立っているので、一見すると和柄のようにも見えます。大きな主張をするわけでもなく、さり気なくレイアウトされていてとてもおしゃれです。
箔押し加工で使用する金属版
よく見ると自転車や耳のテクスチャーがわかる
◉ お任せ!2色箔の組み合わせ
デザインデータが完成した時、大山神社さまからは「 箔色は図版に合わせて、マッチするものでお任せします。 」 とおっしゃっていただきました。
これはなかなかのプレッシャーですが、ご厚意に感謝すると共に、大変光栄なことです! 2色の箔で表現する大山神社 『 御朱印 』 の箔色のさまざまな組み合わせを考え、最終的には6パターンの組み合わせまで絞り、この6パターンで校正(テスト)出しをさせていただきました。
校正(テスト)時、大山神社さまに提案させていただいた
6パターンの箔押し 『 御朱印 』
箔色を選定する際に気をつけたことは、あまりに奇抜なものにならないように、そして神社の厳かな雰囲気に寄せつつ、大山神社さまのデザインと思いである 「 受ける方に楽しんでもらえるような 『 御朱印 』 」 を特に意識して箔の色選びを行いました。
写真は 『 御朱印 』 の箔押し時の金箔の箔抜け殻
また、『 御朱印 』 を受けられる方々の気持ちになって、 「 お! 箔押しされている! 」 という要素が伝わり易いのは、金箔もしくは銀箔と考え、6パターンの校正(テスト)の中のすべてに金箔か銀箔のいずれかを必ず入れた組み合わせで箔色を選んでおります。
◉ ご採用いただいたのは3パターン
校正(テスト)を大山神社さまに提出後、悩みに悩んでくださり、最終的になんと! 3パターンもの箔の組み合わせをご採用いただきました。
今回量産時に使用する箔の部材
よく見ると、金箔はつやありで、若干色味の異なる2色を使用
金箔と銀箔を組み合わせたもの、金箔と黒箔、金箔と朱色のような顔料箔の組み合わせの3パターンで今回本番の箔押し加工をすることになりました。 『 御朱印 』 を受ける方がお好みで選ぶことができるように、という大山神社さまの思いです。
3パターン、図版は同じですが、箔色が異なることで与える印象も変わってきます。
金箔と朱色の組み合わせ 朱色の部分は顔料箔を使用
印刷とは異なり、手で撫でると少し凹んでいるのがわかる
神々しい印象だったり、硬派で王道な雰囲気だったり、神社の雰囲気が漂うものだったり、きっと 『 御朱印 』 を受ける方お一人お一人が箔押し 『 御朱印 』 3パターンに感じるイメージは様々かと思います。
箔押し加工は、大山神社さまよりご支給いただいた薄い和紙一枚一枚に、コスモテックの職人が丁寧に慎重に手作業で箔押し加工しています。
コスモテックの箔押しの現場で一枚一枚
職人の手仕事でご支給いただいた和紙へ箔押し加工
◉ 一丸となってつくる喜び
「 『 御朱印 』 を受ける皆さまが、どのようなものを喜んでくださるのだろうか? 」「 ぜひご満足いただきたい 」 という大山神社さまの思いや願いは、 『 御朱印 』 のデザインからもきっと伝わることでしょう。
広島( 大山神社 )と東京( コスモテック )間で、物理的な距離はあっても、制作にかける思いはグッと近くにあったような気がしてなりません。大山神社さまが自らデザインされたこと、和紙をご準備くださったことなど、 『 御朱印 』 を受ける方への思いがギュッと込められているのを感じ、コスモテックも箔の色選びや箔押し加工でその思いを少しでもサポートすることができて、うれしく思います。
丁寧な作り込みや、気持ちが入ったものづくりに触れると、加工現場サイドとしても 「 こういうの、いいなぁ。ご一緒させていただき光栄だ。 」 と、その思いに精一杯応えたくなります。 ご一緒に制作する中で勉強させていただくことも多く、とても感謝しております。
大山神社さまの現在(いま)の情報はツイッターをご覧ください!
神社のこと、地域のことなど、非常に盛りだくさんです( 下記 )
【 連絡先 】
ようこそ!行列のできる『箔押し印刷工房』へ
➡ http://blog.livedoor.jp/cosmotech_no1/
有限会社コスモテック 青木政憲
〒174-0041 東京都板橋区舟渡2-3-9
TEL:03-5916-8360 / FAX:03-5916-8362
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?