煙草のけむり
僕はたばこを吸わないけれど
たばこのけむりが静かに立ち上る様は
こどもの頃から美しいと思っている
微かに、いや、幽かに気流をつかまえて
揺れながら、昇り、漂い
淡く、はかなく、そして、消えて逝く
静かな時間の流れの中にこそ
描かれ、その作品は生まれ
そこに人の物語が透けて見える
たばこはきらいでも
その物語は読んでみたい
そう思える人の指先は艶美しい
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写真:Artpx © Emil Agaev
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