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細い月

西の空に消えかかりそうな
細い月を残して
日が沈んだ

いつもと同じような1日が暮れる
日が沈んだけれど
いつもとは少しだけ違う

緋い光の層が
稜線に沿って広がる様が
今日は違う

同じように時計は進んだか
同じように呼吸をしたか
同じように起きて食べて笑ったか

次第に降りてくる蒼い夜は
色をだんだんに濃くする
そこに細い月が輝きを強くする

細くても主張する月は
いつもと同じと嘆くぼくを
鋭く刺してなお美しい


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