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星めぐりの夏

「星めぐりの歌」をご存知だろう。
宮沢賢治の作詞作曲の歌だ。

 ♪あかいめだまの さそり
  ひろげたわしの つばさ
  あをいめだまの こいぬ
  ひかりのへびの とぐろ
  ・・・♪

この詞の「めだま」は眼のことではなく
星座のα星のこと。
だから、一行目は、
  紅いα星(アンタレス)のさそり座
を意味し、三行目は、
  青いα星(プロキオン)のこいぬ座
を意味している。
ただ、三行目はおおいぬ座のシリウスという
説もある。天文的にはこちらの方が合う。

さそり座は夏の星座、
こいぬ座は冬の星座。
一行と三行は夏と冬の代表的な星座を
うまく対比させて星空の広がりを詠っている。

他の部分ももちろん好きなのだが、
歌のこの出だしがとても好きなのだ。
星を見るたびに、なんとなく思い浮かぶ。

つい先ほど、夜空を見上げると、
《あかいめだまの さそり》が東の空から
登ってきたのが見えた。
夏の星座が呼んでいる。


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