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英語の発信力を伸ばす3つのルールとは? その2(全5回)

自分の考えはたった5 行で表せる!
『AERA English2022』にて、たった5行の英文を書くだけで自分の言いたいことが整理され、わかりやすく伝わるという目からうろこの指南書として『ハーバード式5行エッセイ英語学習帳』(著・青野仲達、刊・コスモピア)をご紹介いただきました。誰でも今日から始められる、5行エッセイのための3つのルールを公開します。今回深堀りするのは1つ目のルール「最初に結論を言い切る」です。

前回の記事はコチラ

最初に結論を言い切る!【基礎編】

5 行エッセイの最初の行は結論です。結論は端的に言い切ります。

 I like coffee. コーヒーが好きだ。

 この文はこれ以上ないくらいにシンプルな結論です。シンプル過ぎて不安
になるかもしれませんが、まったく問題ありません。逆に「難しいことを言
おうと気負わない」ことが大切です。

 結論の要点は、自分が「強く思っていることを端的に言う」ことです。パッと浮かばなければ「自分が好きなもの」でOK です。好きな飲みもの、好きな場所、好きなスポーツなど、材料はいくらでもあります。それを「I like ○○.」と言えば、それが結論になります。

 結論を述べるもうひとつのパターンは「A is B.(A はB だ)」です。冒頭
の結論は Coffee is an excellent drink. もしくは Coffee is wonderful.
どと言うこともできます。あるいは「~すべきだ」という言い方も可能です。例えば We should drink coffee.I like coffee. とほぼ同じ意味です。 

 一方、単純に事実や現象を描写した文は結論にはなりません。

I drank coffee. 私はコーヒーを飲んだ。 
Coffee is a plant. コーヒーは植物だ。 
This coffee is hot. このコーヒーは熱い。

 これらの文は自分が「強く思っていること」ではないので、結論としては
不適当です。単なる事実や現象ではなく、自分が本当に言いたいことをシン
プルに言い切る
。それが結論です。

最初に結論を言い切る!【応用編】

 5 行エッセイの各文は、関連する情報を補足して、内容をふくらませるこ
とができます。1 行目の結論にいくつかの文を加えると、紙1 枚でエッセイ
を書く際の「序盤=導入部」になります。序盤の作り方には、特に決まった
規則があるわけではありません。ひとつの型を紹介しましょう。

① We all have our own favorite drinks.
② There are various drinks to choose from.
③ Among them, I like coffee best.
④ There are three reasons.
① 人はそれぞれに好みの飲みものがあります。
② 飲みものの選択肢は様々です。
③ その中で、私はコーヒーが一番好きです。
④ 理由は3 つあります。

 ここでは、日本でもおなじみの起承転結を使っています。まず、最初に結
論にまつわる一般論を述べます(①=起)。いわば話題の提起です。次は、それを受けてのフォローアップです(②=承)。ここから一転して、個人の見解である結論を述べます(③=転)。最後に、理由の数を添えて結びます(④=結)。これで序盤の完成です。

 このようにして作った序盤は、エッセイを書くときはもちろん、会話やス
ピーチでも使うこともできます。結論の文と同様に、序盤で使うほかの文も
シンプルに書く」ことを心がけてください。そうしておけば、口に出すことも容易です。

 次回はルールの2つ目、「理由を3 つ挙げる」について詳しく解説します。

青野仲達(あおの・ちゅうたつ)
愛知県名古屋市生まれ。ビジネス・ブレークスルー大学経営学部教授。ハーバード大学経営大学院で MBA を取得。2004 年に株式会社 GABA(Gaba マンツーマン英会話)を設立し、代表取締役社長として 2006年に東証マザーズに上場。著書に『グローバル時代を生き抜くためのハーバード式英語学習法』、『欧米人を論理的に説得するための ハーバード式ロジカル英語』(秀和システム)、『プロフェッショナル イングリッシュ(BBT 大学シリーズ)』(共著、東洋経済新報社)などがある。



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