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英語の発信力を伸ばす3つのルールとは? その1(全5回)

自分の考えはたった5 行で表せる!
『AERA English2022』にて、たった5行の英文を書くだけで自分の言いたいことが整理され、わかりやすく伝わるという目からうろこの指南書として『ハーバード式5行エッセイ英語学習帳』(著・青野仲達、刊・コスモピア)をご紹介いただきました。誰でも今日から始められる、5行エッセイのための3つのルールを公開します。

5行エッセイとは?

5 行エッセイとは、英文エッセイの本質を5 行(5 つ)の文に凝縮したものです。

5 行エッセイを使って会話の準備をすることで、日常会話だけではなく、海
外の学校や仕事の場面でも役に立つ、実践的な英会話の能力を習得すること
ができます。

自分の考えはたった5 行で表せる!

外国人の友達や同僚と、日本語で話すのと同じように英語で話をしてみた
い。しかし、そう考えたとき、多くの人が「何をどう話せばいいのかわからない」ことに気づきます。英会話もある程度できるし、発音の練習もやった。でも、肝心の話し方がわからない。

 そんなとき、どうすればいいのでしょうか。

 ヒントは「書けない英語は話せない」という英語習得の鉄則です。エッセ
イと聞くと「書くのは苦手」と敬遠してしまう人がいるかもしれません。心
配は無用です。英語のエッセイは、誰にでもわかりやすく「自分の考えを伝
える」ための道具です。そして、その本質は「たった5 行(5 つ)の英文」
で表現することができます。

 それを私は「5 行エッセイ」と呼んでいます。

 A4 の紙1枚分のエッセイを書いた場合、単語数は300 程度です。5 行エッ
セイはこの紙1枚のエッセイの骨格となります。逆に考えると、5 行エッセ
イを書くことができれば、その骨格に肉付けをすることで、紙1枚の立派な
エッセイに発展させることも可能です。

 さらに、5 行エッセイはそのまま会話に応用することができます。紙1枚
分のエッセイは(スピーチの原稿にはなりますが)そのまま普段の会話に使
うことは困難です。

 しかし、5 行であれば簡単です。しかも、その5 行は「あいさつ」や「決まり文句」ではなく、「自分の考え」を凝縮したものです。 

 5 行エッセイによって、私たちは「自分の考えを整理する」ことができます。それを会話に活用しない手はありません。その方法を見てみましょう。

5行エッセイの3つのルール

 5 行エッセイには3 つの基本ルールがあります。

1. 最初に結論を述べる。
2. 理由を3 つ挙げる。
3. 最後に結論をくり返す。

この基本ルールに従って文を作ってみましょう。

① I like coffee. コーヒーが好きだ。 結論(頭出し)
② It’s delicious. おいしい。 理由❶
③ It’s refreshing. スッキリする。 理由❷
④ It’s healthy. 健康に良い。 理由❸
⑤ I love coffee. コーヒーが大好きだ。 結論(くり返し)

 このように、たった5 行(5 つ)の英文で自分の考えを端的に表現することができます。これが5 行エッセイです。

 冒頭の1 行目は結論です。結論は「自分が言いたいこと」です。「何が言
いたいの?」と思われる前に、最初に結論を伝えてしまいましょう。

 続く2 ~ 4 行目は3 つの理由です。理由は結論を支えます。最初に結論を
聞いた相手は「なぜ?」と思います。そして、理由があれば(それなりに)
納得します。理由が複数あれば、さらに説得力が増します。

 最後の5 行目は結論のくり返しです。1 行目の結論と同じことを「念のため」もう一度言います。

 これで5 行エッセイの完成です。「思ったよりも簡単」だったのではない
でしょうか。

 次回は1つ目のルール「最初に結論を述べる」について詳しく解説します。

青野仲達(あおの・ちゅうたつ)
愛知県名古屋市生まれ。ビジネス・ブレークスルー大学経営学部教授。
ハーバード大学経営大学院で MBA を取得。2004 年に株式会社 GABA
(Gaba マンツーマン英会話)を設立し、代表取締役社長として 2006
年に東証マザーズに上場。著書に『グローバル時代を生き抜くための
ハーバード式英語学習法』、『欧米人を論理的に説得するための ハーバー
ド式ロジカル英語』(秀和システム)、『プロフェッショナル イングリッ
シュ(BBT 大学シリーズ)』(共著、東洋経済新報社)などがある。


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