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英語の発信力を伸ばす3つのルールとは? その3(全5回)

自分の考えはたった5 行で表せる!
『AERA English2022』にて、たった5行の英文を書くだけで自分の言いたいことが整理され、わかりやすく伝わるという目からうろこの指南書として『ハーバード式5行エッセイ英語学習帳』(著・青野仲達、刊・コスモピア)をご紹介いただきました。誰でも今日から始められる、5行エッセイのための3つのルールを公開します。今回深堀りするのは2つ目のルール「理由を3つ挙げる」です。

前回の記事はコチラ。

理由を3つ挙げる!【基礎編】

最初に結論を述べた後は理由を挙げます。誰かの結論を聞いたとき、人は
「なぜ?」と思います。すぐに理由を挙げることで、相手はあなたの考えをすばやく理解することができます。

理由❶ It’s delicious. おいしい。 ⇒ 味覚面
理由❷ It’s refreshing. スッキリする。 ⇒ 精神面
理由❸ It’s healthy. 健康に良い。 ⇒ 身体面

 理由の数は3 つくらいが適当です。ひとつふたつだと相手は「それだけ?」と感じますし、4 つ5 つだと「もういい」と思います。つまり、3 つは過不足なく「ちょうどいい」数字です。テーブルは脚が3 本あれば安定しますし、矢は3 本束ねると折れにくくなります。

 理由を3 つ作る際のコツは、それぞれを「別の視点で考える」ということ
です。理由は結論を支える柱です。3 つの異なる視点から支えることで、結
論はしっかりと安定します。

 また、理由を考える際は、手始めに候補となる理由を(3 つと限定せずに)なるべく多く列挙してみましょう。その中から最も効果的と思われるものを厳選してください。例えば、ここでは以下のような理由も考えられます。

 It’s relaxing. くつろげる。
 It helps me give good ideas. 良いアイデアが浮かぶ。
 I can enjoy it hot or cold. ホットでもアイスでも楽しめる。
 There are various ways to brew it. さまざまな淹れ方がある。
 There are many coffee shops in town. 町中にコーヒー店がある。

理由を3つ挙げる!【応用編】

 理由を挙げる際、文頭に順番を示すキーワードを添えることもできます。

理由❶ First, it’s delicious.  第一に、おいしい。
理由❷ Second, it’s refreshing.  第二に、スッキリする。
理由❸ Third, it’s healthy.  第三に、健康に良い。

 次に、応用編として「理由を補足する」練習をしてみましょう。

理由❶ It’s delicious. おいしい。
補足① It tastes great. 味が良い。
補足② It smells wonderful. 香りが良い。
⇒「おいしい」の内訳は、①味と②香り

理由❷ It’s refreshing. スッキリする。
補足① It wakes me up. 目が覚める。
補足② It helps me focus on my work. 仕事に集中できる。
⇒「スッキリ」の意味は、①覚醒と②集中

理由❸ It’s healthy. 健康に良い。
補足① It helps burn fat. 脂肪を燃やす効果がある。
補足② It contains various vitamins. ビタミンを豊富に含む。
⇒「健康」の具体例は、①脂肪燃焼と②ビタミン含有

理由の補足では「何か関連すること」を言います。理由を裏付ける「証拠
やデータ」でも「具体例」でも「理由の理由」でもOK です。あまり深く考
えず、ちょっと「情報を補足」してみてください。ここでも、シンプルな文
を使うことで会話への応用が楽になります。

 3 つの理由は5 行エッセイの「中盤=本論」を構成します。自分の結論で
相手を説得できるかどうか。それは理由の選択と編成で決まります。

次回は3つ目のルール「最後に結論をくり返す」について解説します。

青野仲達(あおの・ちゅうたつ)
愛知県名古屋市生まれ。ビジネス・ブレークスルー大学経営学部教授。ハーバード大学経営大学院で MBA を取得。2004 年に株式会社 GABA(Gaba マンツーマン英会話)を設立し、代表取締役社長として 2006年に東証マザーズに上場。著書に『グローバル時代を生き抜くためのハーバード式英語学習法』、『欧米人を論理的に説得するための ハーバード式ロジカル英語』(秀和システム)、『プロフェッショナル イングリッシュ(BBT 大学シリーズ)』(共著、東洋経済新報社)などがある。


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