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「気楽に読める短編集 NHK Simple English Readers」~英語多読のための読書ガイド [多読用リーダー]~

英語学習誌『多聴多読マガジン』連載記事「多読のための読書ガイド」からのスピンアウト! 多読のプロたちによるおすすめの良書(英語の本)を紹介するコーナーです。


GR/LR編 ~2024年04月号~

執筆:古川昭夫(SEG英語多読教室主宰)

GR = Graded Readers: 外国人の英語学習者向けに語彙制限されたリーダー
LR = Leveled Readers: 英語圏に住むネイティブの子ども向け学習リーダー

気楽に読める短編集 NHK Simple English Readers

NHK Simple English Readers は、NHKラジオの英語語学番組『Enjoy Simple English』で放送されたテキストを元に構成された多読シリーズです。

1回5分のラジオドラマが元なので、5分程度で読める1編500語程度のストーリーが収録された短編集となっており、非常に読みやすい学習用リーダーです。

難易度も中学卒業レベルの英語で、YLですと1.6に相当します。

また、NHKのラジオ放送が元になっているので、複数の声優が話す、豪華な朗読音声となっています。

音声は、付属のCDあるいは、NHK出版のサイトからダウンロード可能です。

2024年2月現在23タイトルが発行されています。

日本各地を旅するコンビの小話「Japan without a Map」シリーズをはじめ、日本の昔話、落語、『枕草子』など、日本に関するリーダーが多いのも特徴です。

ここでは、Why Do Parrots Copy Our Words? という科学ものと、落語を集めたTanuki Money の2冊を紹介します。

(1)『Why Do Parrots Copy Our Words?: 18 Science Questions』(Enjoy Simple English Readers)

YL 1.6 
監修 Daniel Stewart
出版社 NHK 出版
総語数 9,200 語

このシリーズ初の科学もの。

「オウムはなぜ人間の言葉をマネするの?」
「電子レンジに金属のカップを入れてはいけないのはなぜ?」
「ホコリはどこからやってくるの?」
「殺虫剤はゴキブリを強くするの?」
など、マリーという小学生の女の子の素朴な質問に、専門家を含む大人たちが答えるという形式となっています。

NHKラジオ『子ども科学電話相談』の協力も得ているそうです。


(2)『Tanuki Money: Funny and Scary Rakugo Stories』(Enjoy Simple English Readers)

YL 1.6 
監修 Daniel Stewart
出版社 NHK 出版
総語数 9,200 語

古典落語を中3レベルの英語で楽しめます。

18編の落語を収録。

表題作の「たぬきの札(さつ)」では、人間に助けてもらったたぬきが恩返しのために一万円札に化けます。

その他、「釜盗人」、「花見酒」、「ぞろぞろ」、「厩火事」、「さぎとり」、「王子の狐」、「本膳」、「天狗裁き」などの滑稽な話や怪談話を易しい英語に訳しています。

元の話を日本語で知らなくても、英語で十分に楽しめます。


『多聴多読マガジン4月号』明日、発売!

4月号の特集1は「アクティブ英語多読のすすめ」です! 
本をどんどん読んでいくことで広がる世界がある。高校生から83歳を過ぎて多読を始めた人まで、本とともにたくましく世界を拓いてきている人たちから多読の力とその可能性をみていく。

特集2は「生成AIを活用して実現!3つの英語学習法」
2023年に旋風を巻き起こしたChatGPTを代表とする「生成AI」を利用し
たツールたち。みなさんは使いこなせているでしょうか?
2024年2月現在ではさらに強力かつ使い勝手の良いツールへと成長しています。特に音声認識や音声応答に対応したことで、より一層英語学習に役立つようになっています。
ぜひこの機会に生成AIを英語学習に活用してみてください。

英語スピーチはエド・シーラン、映画スターインタビューは『哀れなるものたち』主演のエマ・ストーン。

試し読みはこちらからできます


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