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英語の発信力を伸ばす3つのルールとは? その4(全5回)

自分の考えはたった5 行で表せる!
『AERA English2022』にて、たった5行の英文を書くだけで自分の言いたいことが整理され、わかりやすく伝わるという目からうろこの指南書として『ハーバード式5行エッセイ英語学習帳』(著・青野仲達、刊・コスモピア)をご紹介いただきました。誰でも今日から始められる、5行エッセイのための3つのルールを公開します。今回深堀りするのは3つ目のルール「最後に結論をくり返す」です。

前回の記事はコチラ。

最後に結論をくり返す!【基礎編】

 5 行エッセイでは、最後に結論をくり返します。あえて「同じことを言う」ことによって、自分の考えを確実に相手に伝えましょう。

 結論をくり返す方法はふたつあります。ひとつは「反復」です。この場合は、最初の結論とまったく同じことを言います。奇をてらったり、工夫をする必要はありません。

 もうひとつの方法は「換言」です。この場合は、最初の結論を主旨を変え
ずに言い換えます。冒頭( p.7)の5 行エッセイでは like を love に換えてい
ます。ほかにも、いろいろな換言が考えられます。

I’m very fond of coffee. コーヒーがとても好きだ。 
Coffee is my favorite drink. コーヒーは大好きな飲みものだ。 
I can’t live without coffee. コーヒーなしでは生きていけない。

 5 行エッセイの最後はくり返すこと自体が大切です。方法は反復でも換言
でも構いません。ただし、換言には文章や会話が単調になることを防ぐ効果
もあります。慣れるまでは反復、慣れてきたら換言というのもいいでしょう。

 結論をくり返すことがなぜ重要なのか。それは、途中で話が横道にそれて
しまう恐れがあるからです。自分ではちゃんと伝えているつもりでも、相手
には伝わっていないことがよくあります。日本語でも誤解はつきものですの
で、英語であればなおさらです。

 このことは会話でも同じです。話すときは、書くときよりも予想外のこと
が起きます。結論をくり返す習慣をつけておけば、途中で脱線しても軌道修
正が可能です。

最後に結論をくり返す!【応用編】

 結論を繰り返す際、文頭で「Overall」(そういうわけで)などのキーワードを使うと、それが最後の結論であることが明確になります。これらのキーワードはエッセイでも、会話やスピーチでも使えます。ほかにも「In conclusion」(結論として)や「To sum up」(要するに)、もっと簡単に「So」(だから)でもOK です。

 Overall, I love coffee. そういうわけで、コーヒーが大好きです。

 さて、応用編として、結論にいくつかの文を添えてみましょう。1 行目の
結論を軸にして、エッセイの序盤を作ることができました。これと同じように、5 行目の結論をふくらませて「終盤=帰結部」を作り、余韻を残すことができます。例を見てみましょう。

結論  Overall, I love coffee.
補足① It’s delicious, refreshing, and healthy.
補足② Drink coffee and be happy!

結論 そういうわけで、コーヒーが大好きです。
補足① おいしくて、スッキリして、健康に良いですからね。
補足② コーヒーを飲んで楽しくやりましょう。

 補足①は「理由のおさらい」です。5 行エッセイの2 ~ 4 行目で理由を3
つ挙げていますので、それらを簡潔にまとめます。

 補足②は「将来の抱負」です。抱負と言っても、必ずしも壮大な夢である
必要はありません。トピックに合わせて、柔軟にカスタマイズしましょう。
自分も相手も元気になるような「ちょっとした一言」を心がけてください。

最終回となる次回は、これまでのまとめとなります。

青野仲達(あおの・ちゅうたつ)
愛知県名古屋市生まれ。ビジネス・ブレークスルー大学経営学部教授。ハーバード大学経営大学院で MBA を取得。2004 年に株式会社 GABA(Gaba マンツーマン英会話)を設立し、代表取締役社長として 2006年に東証マザーズに上場。著書に『グローバル時代を生き抜くためのハーバード式英語学習法』、『欧米人を論理的に説得するための ハーバード式ロジカル英語』(秀和システム)、『プロフェッショナル イングリッシュ(BBT 大学シリーズ)』(共著、東洋経済新報社)などがある。


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