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普段の階段の斜め昇降、ちょっと気に留めて!

最初に結論

今日は、ふとある方の配信できっかけを得て、階段の斜め昇降について書いてみようと思います。

結論から言うと、
〇見た目からわかりにくい障碍を持った人には、斜め昇降されると非常に恐怖な人もたくさんいるので、いつでも相手が避けることができると思わないで!(斜め昇降できるくらい能力高いなら自分でちゃんと避けて!)

〇体幹障害や平衡感覚障害・運動失調・足の障碍・視機能の障碍などを持った人と一緒に移動する時は、階段は縁に直角真っ直ぐの向きで付き合って!

の2点についてです。

階段の斜め昇降、そんなに簡単にできる人多いの?

私、実は信じられないのです。そんなにできる人多いのかな…って思うのですが、でも実際多いですね。
駅の階段など普通に斜め移動している人も、更に走ってそれをしている人もいますし、誰かと一緒に歩く時も(例え家族でさえ)、階段を斜めに入られることが多い…非常に多いです。

一緒にいる私にそれが難しいことはすぐに予想がつくであろう人と一緒ですら、普段の動きの中でつい抜けてしまうくらい、恐らく多くの人には簡単にできることなのでしょうね。

非常に困ることのひとつです…

この器は、今では傍から見たら何に支障があるのかわからないくらい、日常生活に適応して生きています。

しかし、階段の斜め昇降や、階段を走って昇降する、階段の途中で横に移動するなどのことが、簡単にはできません。
ついでにつまりは、階段の途中では勢い良く来る人や前をちゃんと見ずに正面から来る人を避けたりすることもできません。

階段昇降の時に必要な能力・技術

実はこの内容のきっかけは、とある視覚に障碍を持った方の配信でした。
手引きしてもらう際に、
階段の前で危ないと思っていきなり止まられたりする
(※丁寧な手引きはありがたいのだけど階段の直前で突然止まられると、そもそも止まられた=何事かと驚いてしまったり、今まで歩いていたリズムや距離感が掴めなくなり逆に危険)
ことや
階段に斜めから突入される
ことが多い、という話。

非常に共感したのです。視覚に障碍がある人だけじゃないよ、これ。

人間、階段の昇降をする時は、まず
①目で階段の縁と面(の向き)を確かめます。
そして、
片足立ちになり、
身体のバランスを取りながら、身体中の筋肉の力加減を制御してバランスを取りながら、
上げた片足を一段上に乗せます。ちなみにこの時もちろん目視で足の着地地点が見えている&筋肉をちゃんとコントロールできているから、狙ったところにミスなく着地できます。
⑤そして今度は一段上がったところに乗せた足に体重をかけ(重心移動)
次の段の縁や面の向き・高さなどを目で測って確認し次の着地地点を見定め、
⑦③と同じですね、身体のバランスを取りながら、身体中の筋肉の力加減を制御してバランスを取りながら、片足立ちになり、
⑧上げた片足を見定めた次の段に着地させる。

いや、細かく難しく考えすぎだろ!と思われるかもしれませんが、
人間、階段1段上るのに実際この作業をしているんです!
これだけのことがスムースにどこにも問題なくできる人でなければ、全てをちゃんと連動させられる人でなければ、階段昇降はなかなか難易度の高いことなのです。

これだけ難易度の高い階段昇降、困難な人達は多い

そして、これらの動作に必要な能力・技術が困難な人達というのは、結構いるのだということを、知って欲しい。

歩くという動作だけでも、身体バランスの維持・制御全身の筋肉のバランスをうまく操る必要がある上、一歩ごとに必ず片足立ちになるのですよ。

私(この器)は、片足立ちができません
いや、今現在に至っては集中して短時間はできます。が、これははっきり言って、心身障碍を持った人も多く通っていた高校にて、無理やりダンス部に入り、鍛えたからです。その後もヨガなどやっていますしね。
それだけ訓練しても、非常に苦手だし日によって全くできない日もある上、調子が良くても保てるのは本当に短時間なのです。

歩くのが苦手、というとただの好き嫌いとか横着のように捉えられますが(実際今までいろいろな人に話したことがありますが、大抵そのように捉えられてきました)、
移動(歩行)が苦手な理由、これだけでもおわかりいただけるかと思います。

つまり、身体のバランスがとれない身体の微妙な筋力の使い方のバランスコントロールができない人達…
つまりは脳性麻痺や筋肉の障碍などで運動失調平衡機能筋力が弱い人達、

階段の縁を目視で認識したり着地地点を予測したり判断したりすることが困難な人達…
つまりは視覚障碍を始め視力のコントロールが難しい人達や、脳機能の障碍や神経の障碍によって、動きながらそのスピードにおいて見ているものを認識することが追い付かない人達や着地地点の予測ができない空間認知に支障のある人達、

いわずもがなですが足に障碍がある人達

などの人達は、階段昇降に困難を抱える可能性が大いにあります。

困難を抱える人かどうかは、外見からわかる場合が少ない

思ったより多いのではないですか?
しかも、その中のほとんどは、外からぱっと見ではわかりにくい障碍ばかりです。
明らかに足を動かしにくそうにしていたり半身が動かないなどの症状があれば見た目でわかるかもしれません。
また、白杖や支え杖を持っているなどすれば、わかるかもしれません。

ただ、視機能の問題を持つ人にしても、白杖を持っていない人も多いです。
そして、脳機能や筋肉や足の問題だったにしても、ひとりで人混みの階段のある場所…つまり駅などにしょっちゅう出かける人には、グレーゾーンで外からわかりづらい障碍を抱えた人が圧倒的に多いです。
そこまでひとりで行き着けるわけですから
それも難しい人であれば、誰か理解のある人が同行している可能性が高いわけですからね。

ちょっと配慮して欲しいことーすれ違う人も同行する人もー

まず、階段昇降にかなりの集中力を使う人達は、そして斜め昇降できない人達は、

階段の縁と直角(つまり階段と真っ直ぐ向き合う形)で昇降します。

つまり、階段の前に来ると、必ず身体の方向を真っ直ぐにしてから臨むわけです。

私達の場合は、対向から人が来たりしたら避けられないし怖いので、ほぼほぼの場合階段の端っこ(手すりの近く)を昇降します。
手すりから離れた場所は、前から後ろから斜めから人が突進してくるので、怖いです。

急いでいる方ももちろんいらっしゃるわけで、普段から全く問題なく生活の中でそれをやってらっしゃる方に斜め昇降しないでとは言いません。

だけど、あなたを避けられない人はいっぱいいるので、
相手が避けてくれるだろう的算段で急いで移動したりしないで
〇必ずあなた自身が周囲を良く見て、人を避けて
〇あと、もし見た目で階段の上り下りに神経使ってそうな人がいたら、なるべく近くをびゅんびゅん通らないようにして。ぶつかるのではないかと、気配で威圧感と恐怖を感じて緊張度合いが一気に上がってしまうのです。そうすると、それだけで事故も起こしやすくなります。

(余談ですが、これは歩道を走る自転車の方々にも本当にお願いしたいです!相手が避けるだろう的な算段で歩道をくねくねびゅんびゅんなかなかのスピードで突っ込んでくる人、近年本気の本気で多すぎます!!毎日心臓縮み上がってます!!自転車は近づいてくるだけでも気配で身体中の筋肉が緊張して怖いんです!!)

また、そういう障碍を抱えている可能性がある人と一緒に歩く人

まず、視機能に障碍がある方と一緒に歩いたり、手引きする方は、
〇(特に手引きしている場合)階段少し前で、「昇り(下り)階段です」と教えてあげるとベスト。
(慣れている人は「何段」とか言う方もいるけど、段数が多い階段では言われても困る場合もあるから本人の助かる方法を確かめた方が良いと思うw3段以下なら教えて差し上げると丁寧だとは思います。)
〇(特に手引きしている場合)階段の前で一旦両足を揃えて「一瞬」止まるとベストかも。階段始まりがわかりやすいので。ただ、逆にこの時止まったまま歩き出さずにいられると手引きされてる方が「何が起こったんだ?!」と困ると思うのでほんの足を揃える瞬間だけね(笑)
〇この記事の本題。段の縁と直角に上り(下り)始めること!
 この時、「階段です、〇段下ります」とかまでちゃんと伝えながらも、階   段斜めに突入する方、どうやら結構多いらしい(汗)
私たちの視機能異常を抱えた人も経験したことがありますが、斜めに突入されるといくら階段があると解っていても例え3段くらいの少ない段数でも、階段の縁の感覚をうまく掴めません。バランスがとれなくなったり、縁をちゃんと白杖や足で確かめているにも拘わらず踏み外すという現象が起きます。
〇更に、最後の段で「階段終わり」の声掛けがあると尚丁寧♪
 と、いうか、白杖持ってる人なら自分でも確かめられるけど、もし白杖持っていない方の手引きをする場合、もちろん声掛けする余裕がある場合に限りですが階段の始まりと終わりは声かけた方が。

※視覚障碍の場合は、階段に来たら手引きでなく自分で手すりを持って歩いた方が確実で安全&慣れている人もいます。なので、階段近くや何かのタイミングで「階段やエスカレーターは手すりを持ちたいか」聞くと超ベストかも。手すりを持った方が安心、という方の場合は、階段orエスカレーターまで来たら、手引きしている手を持って手すりを触らせてあげてくれれば、そのままひとりで乗り(上り下りし)ます。


筋肉や体幹障碍、足や平衡感覚などの問題の人と同行する人

基本的に同じなのですが。
〇階段に突入する時、(多分本人がそっちに行こうとすると思いますので)階段の端っこに近いところへ
手すりを使うかどうかは当人次第だけど、できればその人を手すり側(端っこ側)へ…←何かあったときぱっと手すりに掴まることができるから
歩調やスピードも合わせてくれたら助かります。ついていくのかなり緊張したり焦ったりします。
〇これはあくまで普通学級でグレーゾーンで生きてきた私の場合ですが、階段昇降中、危ないんじゃないかとか逆に気を遣われ過ぎて支えるぞ体勢になられると、逆にめちゃめちゃ緊張して事故りやすくなるので、あとは普通にしていて欲しいです(笑)

…何にしても…

階段昇降ひとつにしても、人により色々なやり方がある、ということです。
私たちの場合、小さい頃から普通学級でみんなと同じようにしなきゃと無意識に思い込んできたので、不安があっても手すりを使わないとか、焦点移動が苦手で階段途中で視界がぶっ飛んで何も見えてない状態になっても普通に昇降を続けたりだとか、クラスメイトがやってるみたいに一生懸命2段飛ばしを試したり走ろうとしたりだとかしていましたが、そういうことをしてきてしまっただけに、やはり今でも誰かと一緒に歩く時は、合わせなきゃいけないんだ…と無意識に思い込んでしまって過緊張するのです。
それに、いくら合わせようとしてもやはり不特定多数の人が行き来する駅や公共施設などの階段は怖いですし、やはりいきなり視界がぶっ飛ぶものはぶっ飛びますし、視界がぶっ飛んだら一緒にいる人にはついていけなくなるし、斜め昇降はそもそもできないし、急がれてもついていけません。

今こうやって記事にもできるまでに成長したのに、それでも実際一緒に歩いている時は、つい言えないんですよね…


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そして私がここで書いた以外にも階段昇降に関する困りごとや、して欲しい配慮やして欲しくないことなどあると思います。
そういうのもコメントで補足してくださると嬉しいです。

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