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人は疎外感を感じる生き物。だからこそ知っておきたいあなたに必要なもの

こんにちは!

こしあんです。

突然ですが、あなたは「挨拶をしたのに返事がない」、「メールの返信が遅い!」といった事があると不安になりますか?

全く気にしないという人もいるかもしれませんが、「何か気に障ることをしたかな?」と気になってしまう人も多いのではないでしょうか。

酷くなると何だかモヤモヤして眠れなくなったりもします。

いくら「気にし過ぎだ」と言われても気になっちゃうものは仕方がありませんよね。

ただ、こういった心の変化はあなたに限ったことではありません。

人は基本的に所属している集団から追い出されることに恐怖を感じています。
特に学生の頃などは見える世界が狭いため「無視された!」、「仲間外れにされた!」という意識が強く出ます。

「俺は一匹オオカミだ」という人もいるかもしれませんが、いくら独りが好きな人でも、独りぼっち生きていく事はできません。

私たちが手にするスーパーやコンビニの商品だって多くの人たちが関わっています。
完全に自給自足の生活をしている人は少ないですよね。

そのためなのかどうかはわかりませんが、どうやら私たちは本能的に排斥されることに恐怖を感じているようです。

今回は、人の結びつきと疎外感についての話をしていきます。


【人をつなぐもの】

なぜ私たちは人との繋がりを求めるのか?

いろんな理由があると思いますが、一つわかっていることがあります。

それは私たちの脳が他者との結びつきを感じると幸せを感じるためです。

私たちが人との結びつきを感じたとき、脳はオキシトシンというホルモンを分泌します。
別名、絆ホルモンと呼ばれたりもしますが、これが出ると安心感や安らぎを得ることができます。

一緒にいて安心できる人がいれば、怖れや恐怖を感じなくてすみますよね。
仕事でも家庭でも「この人がいれば大丈夫!」という人物がいれば、あなたも安心できるのではないでしょうか。

絆ホルモンには家族や自分のコミュニティへの愛情を高める働きがあると言われています。
時間と共に信頼関係を築いていき、所属している集団に何か恩返しがしたいと考えるようになります。

また、オキシトシンには抗ストレス作用や抗うつ作用もあり、健康的なメリットがあることが知られています。
日本人にはあまり馴染みがありませんが、ハグなどの軽いスキンシップでも出ることがあります。

だから人は自然と安心感や安らぎを求めて他者との繋がりを求めているのかもしれませんね。


では、逆に仲間外れにされたと感じた時、私たちに何が起こるのか?



【疎外感の実験】

心理学では様々な実験がありますが、仲間外れにされたときの反応を調査したものがいくつかあります。

たとえば、3人でキャッチボールをしていたら突然理由もなく一人が除け者にされ、他の2人だけで遊び始める。
また、似たような実験をオンライン上でもプログラムを相手(被験者には知らされていない)にしているものもあります。

その結果、私たちはリアルであろうと仮想空間であろうと2~3分の社会的排斥を受けただけで、悲しみや怒りなどの「強い負の感情」が生じることがわかりました。
さらに、他者が排斥されているところを見るだけでも自分が当事者であるかのように不快感が生じるそうです。

あなたも誰かが大きな声で怒鳴られていたりすると嫌な気持ちになったりしませんか?
自分が怒られているわけでもないのに、こういう気持ちになることってありますよね。

このような感覚について研究者たちは、「当事者も目撃者も同じくらいの社会的苦痛を受けることは、排斥に対する神経反応の弱さを浮き彫りにしている」と考えています。


ちょっと言い方が難しく感じますよね。

たとえば、会社や学校などのいじめも同じような事が起こっているのかもしれません。
会社でいじめられる人を見て「ああはなりたくない」と思い、「あの上司には逆らわないでおこう」と考えてしまうこともあるでしょう。
本来であれば周りの人たちが「それはパワハラです!」と訴えたり、「人格を否定する言い方は間違っています!」と声を上げることもできます。

でもなかなかそうはなりませんよね。
触らぬ神に祟りなしと言わんばかりに空気と一体化します。
これが排斥に対する私たちの弱さなのかもしれません。

ただこのような上司のやり方を放っておくと、より危険な行動を呼ぶことがあります。

実は、この上司や会社はわざと心理的な負担をかけ目的を達成しようとすることがあります。
見せしめのために誰か一人をやり玉にあげ「逆らうとこんな目に合うんだぞ」と恐怖を植え付けているわけですね。
そうやって自分たちの要求を通りやすくすることがあります。

「私はそんな脅しには屈しない!」という鋼の精神を持っている人もいるかもしれませんが、実際、私たちは集団から逸脱したと知った瞬間、脳内でエラー反応が起こることがわかっています。
このエラー反応は、神経学的レベルでは予測と異なる結果に遭遇したときと同じ反応だと言います。

たとえば、あなたが何かミスをしたとき、「次は気を付けよう」、「同じミスをしないように心がけよう」と考えたことがあると思います。
こうやって日々修正しながらちょっとずつ作業が上手くなったりしますよね。

ただ、この反応は集団から離れてしまったときにも起こります。

あなたの意見が集団の意見から外れようとした場合、脳内でエラー反応が起き「やばい!みんなの意見に合わせなきゃ」と考えてしまうわけです。
何度も無意識に修正することで、最初に感じていた違和感が無くなり、余計な事は考えないようになっていきます。

そうこうしているうちに、その集団の考え方に染まっていくわけです。

それを防止するために私が以前いた職場の先輩は、必ず新人が入ってくると「変わってるな」と思った事や「おかしいな」と思ったことなどを聞くようにしていました。
朱に交われば赤くなるとも言いますが、人はその場所に留まり続けることで感覚がマヒしてわからなくなってしまうことがあります。

一体感というものは心地いいものではありますが、時に目を曇らせてしまうことがあり注意が必要です。



【群れることのメリット・デメリット】

人は基本的に生存率を上げるために多数派につくといいます。

確かに排斥されることを考えれば仕方のないことなのかもしれません。
実際、社会的に孤立してしまえば認知能力の低下やうつ症状、過度な警戒心などが表れることもあり、それを本能的に避けようとしているのかもしれません。

また、多数派につく傾向は子どもの頃から見られます。

1歳7か月の赤ん坊を調査したものでは、初めて接するおもちゃの中から1つを選ぶとき、大人の多数派を見るという研究結果があります。
つまり、意図的な圧力や動機づけがなくても周りの空気を読んでそれに合わせようとするわけです。

もちろん多数派につくメリットはあります。
私たちが多数派についているときは、強力なネットワークとつながっているという安心感を得ることができます。

個人にとって多数派の力が後ろ盾となり、その力が自分にもあるように感じられます。
そして、個人の同調が強くなれば集団の力も高まり影響力が大きくなります。

そのため、多数派の一部でいると掌握感が得られ、集団の力と共に強化されます。
まれに「あの人たちに権力があるという事は、自分にも権力がある」と思ってしまうのはこれが原因です。

最初にも言いましたが、他者との結びつきはオキシトシンを分泌するため、集団への愛情を高める効果があり、外敵から内集団を守るために個人よりも集団の利益を優先させて行動することができます。

「自分よりも家族が大切だ!」といった気持ちになるのもこういった背景があるのではないでしょうか。

しかし、集団に所属することのデメリットもあります。

2015年に行なわれた研究では、オキシトシンを投与された被験者は投与されなかった被験者に比べ、内集団メンバーの誤った考え方を受け入れやすいという結果が出ています。

つまり、盲目的に内集団のことを信じたり、「ちょっとおかしいな」とか「嫌だな」と感じつつも一時的に支持を表明してしまうことがあるようです。
結びつきが強すぎて「逆らわない」、「逆らえない」という状況に陥ってしまいます。

じゃあ、

群れてもダメ。

孤立してもダメだとすると一体どうしたらいいのか?




【自分を増やす】

なんのこっちゃと思うかもしれませんが、あなたのアイデンティティを増やすことでこの問題は解決できます。

たとえば、会社と家を行き来するだけの生活の場合、「○○会社」に勤めているあなたと、家に帰ってからの素のあなたの二つのアイデンティティがありますよね。

もし「今の会社は自分には合わない」、「人間関係で上手くいかない」と感じているとき、今の会社に依存するしかない「自分」に不安になりませんか?

会社以外の収入源があれば「いつでも仕事を辞められる」と考えることができ、気が楽になりますよね。

これは別に副業に限った話ではありません。

趣味、習い事といったものでもいいんです。

大切なことは、会社以外の集団に所属するあなたを作ることです。

そうすれば、たとえ会社で拒絶感や劣等感を味わったとしても、別のアイデンティティに目を向けることができ、自負心を支えられることが研究でもわかっています。

2000年代のある研究では、複数の集団に所属しそこに豊かな多様性を感じるとレジリエンス(回復力)が高まり世界観が全体的に寛大で分け隔てなく、深みのあるものに変わるそうです。
また、多くの人の考え方などにも触れるのでより良い情報や多面的な見方が得られるようになります。

たとえば、他の国の言語を学んでいる人など覚えがないでしょうか。
言語を学ぶ過程でその国の歴史や文化、考え方の違いなどに触れることがありますよね。
それを繰り返していくうちに視野がどんどん広がっていきます。

そしてこの時、自分のアイデンティティも増えていきます。
英語が話せる、スペイン語が話せる、ドイツ語が話せるといった「自分」というものが増えていきます。
またそこからいろんな「自分」が派生していくのではないでしょうか。

ここまでくれば、カルト信者のように一つの集団に依存することも少なくなっていきます。

ぜひあなたもいろんな「自分」を楽しみながら無理のない範囲で作ってみてくださいね!


今回はここまで

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最後までお読みいただきありがとうございます。

それではまた次回お会いしましょう。

※この記事は読んだ本をもとに考察し、私の経験したことなども踏まえて書いています。
そのため、参考にした本とは結論が異なる場合があります。
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※書いてある文章は予告なく変更する場合があります。ご了承ください。

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