キャリアの描き方~どんな仕事を選べばいいの?(あり方とやり方)~
皆さんは、仕事/キャリアというものを一体どんな風に選んできましたか?
巷には、色々な考え方があるものの、しっくりくる考え方がなかなか見つからないと感じる方も多いのではないでしょうか?今回はそれを考えていきたいと思います。
前回はその前準備として「企業とひとくちに言っても、様々なタイプがある」ことを、自動車メーカーの実例を用いて考察してきました。
また、リベラルアーツの考え方を使って「あり方×やり方×原理原則(コア技術)」という概念を整理してきました。
今回は、私たちが日本社会で生きていくため(キャリアを描いていくため)に何をどんな風に考えたらいいかを考えていきましょう。
どこか苦しい仕事。。ずっとここでやっていけるイメージが持てない・・・
今回は、ある方のケースで考えていきましょう。
その方は理系で農学部出身。生物実験ができることを活かして、食品メーカーの研究職に入社しました。
勤務して数年間はスキルを活かして機嫌よく働いてきました。
しかし、そのうち少しずつ周囲のキラキラと目を輝かせている同僚と「どこか違うな」「しっくりこないな」という感じが出てきていました。そんな中でも時は流れていきます。
次第に年次は上がっていき、そのうちそこそこを大きな仕事を任されることになります。やれなくはない仕事かもしれないが、どこかパッとしない。そして同僚に比べてどこか苦労苦痛を感じながら進めている。。。このままここでずっと仕事ができるのだろうか。。。そんな不安と焦燥感が少しずつですが次第に積み重なっていきました。
彼は、モノづくりの仕事が出来ない訳ではないのに、何故そんなに苦しいのでしょうか?
「山登り型/川下り型」キャリアの考え方
さて。
キャリアの考え方としては「山登り型/川下り型」というキャリアフレームが有名なものの一つではないでしょうか。
【キャリアの話】「やりたいことが分からない」は悪いことなのか?〜川下り型キャリアのすすめ〜
このキャリアフレームに当てはめると、彼は一体どういうケース(説明)になるでしょうか?
彼の場合は、幼少期から「モノづくりがしたい!」「食品に関わりたい!」というタイプではありませんでした(どちらかというとやりたいことがわからず困ってしまうタイプ)。
「山登り型」は目標が必要ですが、彼はその目標が持てなかったタイプなので、少なくとも山登り型ではありませんね。
そうすると自ずと、もう一方の「川下り型」ということになります。
そこで彼は、実際に新しい川を下りたいと転職活動を始めたとします。ですが、決して現職で大成功している訳でも好きなわけでもないので、次に下るべき川が全く見つかりません。結局彼は転職活動のモチベーションも上がらず現職に留まることとなり、結果として「さらに数年間そのまま過ごす」という元いた川を下り続ける(続けざるを得ない)ということになったのでした。。。
そう。これはひとつの考え方ですが、「川下り型キャリア」というのは結果論になることも多いです。そうなると満足や納得を得るということも確率論になってしまう部分があります。
それはそれでいいとも思いますが、他に方法はないのでしょうか?
「リベラルアーツ」でキャリアを考えてみる(あり方とやり方)
そこでこちらのリベラルアーツフレーム(あり方/やり方/コア技術)を使って考えていきたいと思います。
彼は、これまでは「生物実験ができる」というコア技術があるだけでメーカー研究職をやってきていました。
そしてこのコア技術を使って「メーカーの実験屋さん」という「やり方」で生活の糧を得てきた訳です。ですが、どうありたいか?という「あり方」はずっと持たず(持てず)にキャリア(やり方)を積んできて、それが次第に苦しく/立ち往生してしまった訳です。
そこで彼はこのフレームの「あり方(どうありたいか?)」を考えることにしました。
考えたプロセスは割愛しますが、最終的に彼は、「何かと何かを結びつける人でありたい(化学反応を生み出す人でありたい)」という「あり方」を見い出すに至りました。
次に、この「結びつける人でありたい」というあり方に照らして、メーカー研究職という「やり方」を見つめ直してみました。
「なるほど。。こう考えると、この食品メーカーの研究職という仕事は、おいしい食材や身体にいい食材を、世の中の人に"結びつける"仕事だといえるな」
こう考えることで、彼にとっては、ただモノづくりする(だけだと思っていた)今までの仕事の意味が大きく変わり、モチベーションアップすることに繋がりました。
さらに。彼はより深く考えを進めてみました。
その結果、このメーカー研究職として食材と世の中の人をつなげるということを尊いと思いながらも、もっと他に、自分がワクワクとできる「やり方(領域/仕事)」があるのではないかと考えました。
そして、再度転職活動を開始し、最終的に人材業界の「新卒大学生と企業を結びつける(人材紹介する)」営業職の仕事(やり方)に辿り着きました。
彼は元々、対人コミュニケーションすることが好きで、またモノづくりを追求探求していくということが特段好きではなかったので、この「対人コミュニケーション力」をコア技術としてやっていくことを決意し、転職することを決断しました(それまでのコア技術は「生物実験できること」だったということになります)。
まとめ
いかがだったでしょうか?山登り型/川下り型フレームも、キャリアを考える上で良いフレームですが、加えて、今回用いた「リベラルアーツ」フレームでキャリアを考えてみることも、一度やってみて頂ければと思います。
特に山登り型/川下り型フレームは「目的」の概念はありますが、「あり方」の概念がないのです。他方で、リベラルアーツフレームはそれが入っており考えやすいという点が、大きな違いであり、ポイントになると思います。
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