EC事業の事業計画
■本記事の目的
これまでどのような指標に注目して、売上を上げていくのかや、どのような数字に注目してコストを下げていくのかを説明してきました。さて、今回は実際に事業計画を立てていきましょう。
事業計画といっても、大きく2つあり、
・融資や投資してもらうための事業計画書
・利益がしっかりでるのかの目録推定のための事業計画書
があります。一般的に、融資や投資してもらうための事業計画書では、下記項目が必要と言われています。
① 企業の概要
② 事業の概要
③ 事業のコンセプト
④ 従業員の状況
⑤ 競合や市場規模など環境面
⑥ 自社の強みと弱みなど現況
⑦ サービスや商品の概要
⑧ 販売戦略やビジネスモデル
⑨ 体制や人員計画
⑩ 財務計画
今回は利益がしっかりでるのかの目録推定のための事業計画書を作るためにどのようなことをどう書くかを説明したいので、上の⑦、⑧、⑨(、⑩)の書き方について見ていきましょう。
■事業計画書とは
改めて皆様に説明をする上で、自分なりに色々調べているときに、(株)クレセントの氏原社長の記事が目に止まり、この通りだ!と思ったので、流用させていただきますと、
「事業計画」=「必ず実現すべき未来に対するKPIの集合体」
https://crescents.jp/blog/1655/
ということだと、私自身、経験をもとにすごく思いました。
事業計画とは、どのKPIをどのように上げ、どのように下げるのかを記載したもので、特に、⑧、⑨、⑩は完全にこれによってできます。
■⑦のサービスや商品の概要
皆様が今からECサイトで商品を展開するときには、2つのパターンがあるかと思います。
(A) 既存の商品を売る
(B) 新商品を開発して売る
私たちの支援がコンサルティングであることが多いので、今回は(A)について説明させていただきたいと思います。
((B)については、その商品がレッドオーシャンかブルーオーシャンか、シェアの予測が着くか、そもそも売れそうなのかなど検討して進めます)
まず既存の商品ならもちろん皆様が一番詳しいと思います。ただ、その詳しさを正確に捉えて、表現できているでしょうか?
これはどういうことかというと、具体的な例で説明していきましょう。
あなたが団子屋をやっているとしましょう。
自社の団子の良さを記載してみてください。
==(ダメな例)==
・一番うまい
・昔から街で愛されている
==(いい例)==
・東京都中央区で2週間計ったところ、毎日一番行列ができている
・1800年からの老舗である
この例の違いが分かりますでしょうか?
客観的事実を元に書いているかです。正確に捉えるために、客観的事実を元に記載しているかが重要なのです。ここでよくビジネス用語で使われる3C分析などをしてみるのもいいのではないでしょうか。競合と比べて自社の商品がどうなのか、時期や季節などの環境で自社の商品がどうなのかなどです。
このようにまずは自社の商品を客観的に評価して、⑦のサービスや商品の概要を記載しましょう。
■⑧の販売戦略やビジネスモデル
こちらは今回ある意味EC事業の説明をしているので、特に詳しくは説明しませんが、Web上で、広告をうち、集客をして、販売するという販売戦略とどのように在庫管理するかなども含めたビジネス戦略を書いていきましょう。
■⑨の体制や人員計画・⑩の財務計画
ここは前述したように、KPIの数値を書いていくに限ります。
<売上指標>
・売上合計
・1回あたりの平均単価
・1人あたりの利用回数
・決済ページ訪問数
・決済ページでの離脱CVR
・商品ページ訪問数
・商品ページでの離脱CVR
・自社ページ訪問数
・自社ページでの離脱CVR
<コスト指標>
・コスト合計
・人件費
・広告宣伝費
・仕入れ費/管理費
この時も重要なことが1つだけあります。それはサービスや商品の概要をかくときと同じで、客観的に確からしいかです。
客観性をだすためには大きく3つの方法があります。
(あ) 小さくフィジビリティ・スタディをして信憑性があるか確かめる
(い) 知見者にどの程度になるか聞く(根拠とともに)
(う) 競合サービスの場合どの程度か聞く・調べる
この3つの方法を組み合わせて確からしさを探っていきます。
成功確率をあげるために、よくやる方法はまず(い)、(う)を行い、その後(あ)を行うことです。(う)を行うときに最近よく使われるのが、(株)ビザスクや(株)ココナラのサービスが挙げられます。
どのように利用するかというと、あなたが団子屋をやっているときに、このような仕事の案件を出すのです。
「募集要項:団子屋でECサイトの運用している人、拘束時間:1時間電話でお話しを伺わせてください、謝礼:2万円」
上記極端な例ですが、1企業の(う)の情報は得ることができます。それがどの程度信頼に値するかなどは私たちのようなコンサルタントに相談いただき、どう(株)ビザスクや(株)ココナラのサービスを使うかや、どう信頼するかなどから決めていきます。
そのようにして客観的な確からしさを作っていきます。
■結論
「事業計画」=「必ず実現すべき未来に対するKPIの集合体」
であり、その中に記載する内容はすべて客観的に確からしいかが重要であるということです。
これは上司に見せたり、投資先や融資先に見せることが目的なのでなく、自分自身でそのECサイトがしっかりと利益をうむことができるかを確信することが目的です。
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